俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

老後

2010-11-26 15:57:17 | Weblog
 私は自分の老後に明るいイメージを持つことができない。年金とか資産の問題ではない。私の好きな思想家や作家は碌な老後を送っていないからだ。ニーチェは発狂しカントは認知症に罹った。芥川・太宰・三島は自殺した。
 自分の最期をしばしば夢で見るが酷い夢ばかりだ。
 私は寝たきり老人になっていた。周囲には誰もいない。背中が痛く痒いが寝返りを打つことさえできない。糞尿もずっと垂れ流しの状態だから臭くて気持ち悪い。時折、激しく咳き込む。餓えと渇きを感じるが立ち上がれないからどうしようもない。糞まみれの状態で「野垂れ死にか」と思った。
 リアル過ぎて気が滅入ってしまった。次の夢は少しは希望があるが・・・。
 私はフィリピン人の若い女性数人と一緒に暮らしていた。誰が妻で誰がメイドなのかはよく分からない。死期が迫っていると感じたので彼女達に言い遺そうとした。ところが日本語でなら表現できる筈の遺言が英語に翻訳できない。幾ら焦っても言葉にならない。「日本を離れるんじゃなかった」と悔やんだ。
 こちらの夢は大真面目にフィリピン移住を考えていた頃に見た。嫌な夢だったので移住計画を放棄してしまった。
 フロイトは「夢は願望充足だ」と言ったが私の暗い夢は到底、願望充足とは思えない。不安の顕現でしか無い。認知症に罹って訳も分からないまま特別養護老人ホームで死を待っている自分の姿を想像するとゾッとする。

北朝鮮と中国

2010-11-26 15:38:52 | Weblog
 中国にとって北朝鮮はどう位置づけられているのだろうか。友好国?同盟国?属国?
 私は経済的植民地ではないかと思っている。中国は北朝鮮の生殺与奪権を握っており、その立場を利用して中国は対北朝鮮貿易で大儲けしているのではないだろうか。対中国の貿易赤字を埋めるために北朝鮮は偽札や麻薬や武器の輸出に頼らざるを得ないのではないだろうか。
 中国は理念で動く国ではない、利権で動く国だ。北朝鮮における利権とは何か。中国は羅津港を租借したり中朝国境近くの鉱山の独占的採掘権を得たりしている。中国は貿易で儲けるだけではなく領土の租借によっても利益を得ている。そして租借地の周囲には租界が作られて治外法権を持っているのではないだろうか。
 これほど食い物にしておいて更に恐ろしいことを企んでいると私は睨んでいる。チベット問題を見ても分かるとおり中国は覇権主義国家だからだ。
 北朝鮮で内乱が起こったら友好国として人民解放軍を派遣するだろう。そして内乱を鎮圧せずに「金王朝」を倒して朝鮮人民解放軍を名乗るだろう。友好国のように振舞っているのは実は侵略するための布石に過ぎない。権謀術数に長けた中国ならではの恐ろしい長期戦略と言えるだろう。この手を使えば国連もアメリカも手出しできない。こうやって国際社会を敵に回さずに北朝鮮を併合することが中国の思惑ではないだろうか。
 中国共産党内での権力闘争は凄まじい。正に命を懸けて争っている。この権力闘争を勝ち上がった国家主席は国(つまり自分)の利益のためなら何をやっても構わないと考える。弱肉強食を国是とする恐ろしい国が中国だ。

輸入労働者

2010-11-26 15:20:42 | Weblog
 「人口が減少したら国力が衰えるから外国人労働者を受け入れるべきだ」という主張をしばしば耳にする。
 失業率が高止まりしているというのに彼らはどんな仕事を外国人に与えようとしているのだろうか。日本語を充分に使いこなせない外国人を母国関連業務の担当者としてと雇うということだろうか。中国・韓国・台湾の人ならその可能性もある。しかし多くの人が考えているのは3K(きつい・汚い・危険)の職場ではないだろうか。
 日本人がやりたがらない仕事を輸入労働者にやらせようとするのは外国人(特に東南アジア人)蔑視ではないだろうか。彼らは東南アジアのマレー系の人を輸入して3Kの仕事を押し付けようとしている。ドイツがトルコ人を輸入したのと同じやり方だ。
 劣等な労働条件のままでインドネシアとフィリピンから介護士を輸入しようとする。貧しい彼らなら安月給でも文句も言わず一所懸命働くだろうと考えている。外国人を搾取するのではなく日本人でも働きたくなるように労働条件を改善することこそ本来すべきことだろう。
 輸入労働者の老後はどうなるのだろうか。ちゃんと市民権を与えて日本人として処遇するのだろうか。仮に市民権を与えても労働条件が改善されていなければ多くの人は日本の底辺層を占めることになって底辺人口の拡大になるということに彼らは気付かないのだろうか。あるいは用済みの老人として母国へ強制送還するのだろうか。
 心優しい筈の日本人だがなぜか外国人や日系ブラジル人には薄情だ。まるで奴隷貿易のような発想だ。