俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

最大級の震災

2011-09-06 14:36:23 | Weblog
 震災対応はどこまで可能だろうか。
 人類が知っている最大の震災はギリシャのサントリーニ島の大地震だろう。この時には高さ90mの津波に襲われたと伝えられている。この震災に尾鰭が付いて、一夜にして水没したアトランティス大陸の伝説が生まれたとも言われている。
 確かな証拠のある最大の天変地異はヒマラヤ山脈だろう。ヒマラヤには魚や貝の化石がある。当時は島だったインドがアジア大陸と衝突した時の衝撃でヒマラヤ山脈が生まれたそうだ。
 この2つの大震災に耐えられる建造物は可能だろうか。宙に浮かない限り不可能だろう。つまり現代の技術では、過去に発生した最大級の震災には耐えられない。従ってあらゆる建造物は地震で破壊されることを前提とせねばならない。人類の叡智を尽くしても震災に耐えることはできないのだから、壊れたら困るような施設を作るべきではない。つまり原発は、宙に浮く技術が開発されるまでは作ってはいけないということになる。壊れたら「運が悪かった」と諦められる施設だけを作るべきだ。

未知の栄養素

2011-09-06 14:23:07 | Weblog
 栄養素はまだ分からないことだらけだ。ビタミンやミネラルは今後も新たに発見されるだろうし発酵菌などの効能はまだ充分には解明されていない。ビフィズス菌で寿命が延びるという説も最近発表された。
 茸類の栄養価は椎茸のビタミンD以外はよく分かっていない。舞茸やシメジなどにはアガリクスのような未知の栄養素が備わっているかも知れない。
 日本人は魚に含まれるDHAやEPAの有効性を知っているが多分外国人はそんな物質が存在することさえ知らないだろう。
 食物繊維も長い間「カス」と思われていた。今では有効成分と評価されて、わざわざ添加している飲料もある。
 栄養素が未解明なのだから丸ごと食べることが有効と思われる。シシャモやイワシなどの小魚を丸ごと食べれば動物のために必要な栄養素を残らず摂取できそうだ。鶏卵やカズノコやタラコなども生命の元なのではないだろうか。
 卵はコレステロールが高いから有害だという俗説を流したのは誰でどんな意図を持っていたのだろうか。コレステロールの必要性が証明されても、コレステロールには善玉と悪玉があると主張して引き下がろうとしない。卵類は最も完全栄養食品に近いものではないだろうか。

純粋理性批判

2011-09-06 14:06:25 | Weblog
 カントの純粋理性批判は素晴らしい名著だ。なぜこの思想が社会の常識として広まらないのか不思議でならない。主旨を噛み砕けばこういう内容だ。
 人間は無限や永遠を理解できない。人間は経験に基づいて考える。経験は知覚に基づく。ところが知覚は有限な物の一部しか感知できない。一部しか感知できない情報を継ぎ足しても全体像は摑めない。増してや知覚することさえ不可能な無限や永遠を経験することなどできる筈が無い。知覚も経験もできない無限や永遠を前提とした論理は理性による越権行為であり妄言にしかなり得ない。
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 つまり大勢の盲人が象に触っているようなものだ。ある人は鼻に触って「象とはホースだ」と言い、足に触った人は「柱のようなものだ」と言い、尻尾に触った人は「紐か蛇のようなものだ」と言い合っている状態だ。知覚が感知可能なのはごく一部に過ぎない。目の見える人は盲人達に「みんな部分を全体だと思っている」と笑う。しかし視覚も真理を捉えられない。象を見てもその質感や匂いが分からないだけではなく、象が反射する紫外線も赤外線も見ることができない。結局、不完全な知覚を積み重ねたものを想像力で補完しているに過ぎない。人間は「物自体」を知ることはできず、「現象」に頼らざるを得ない。
 思考力を無限だと思うことは途方もなく傲慢なことだ。思考の限界を認識して初めて無意味な理屈に振り回されることから解放される。