俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

認知症

2011-09-09 14:11:35 | Weblog
 フランスのシラク前大統領が認知症に罹ったそうだ。これまでにアメリカのレーガン元大統領やイギリスのサッチャー元首相なども認知症に罹っている。ドイツの偉大な哲学者のカントも晩年には認知症を患い、「空中電気を測る」などと意味不明の言葉を残した。
 認知症が恐ろしいのは聡明な人も等しく廃人になるからだ。何も考えず酒浸りの人が認知症になるのなら納得できる。脳は鍛えなければ劣化する。これは筋肉と同じことだ。動こうとしない人やリハビリに励まない人が寝たきり老人になるのは言わば自業自得だ。しかし老後も一所懸命考え続けた人まで認知症になるのなら、これはもう防ぎようのない病ということになってしまう。「脳トレ」などで予防できる病気ではないようだ。死に至る病よりも恐ろしいのは死なずに廃人として生き続けることだ。
 私自身、体の健康のために死んでも良いとは思わないが脳の健康のためなら死んでも構わない。糞便垂れ流し状態の文字通り「クソジジイ」になるよりは人間としての尊厳を保ったままPPK(ピンピンコロリ)とポックリと死にたいものだ。

浄化器

2011-09-09 13:57:14 | Weblog
 家庭用浄化器の多くは塩素を濾過するのではなく、化学反応を起こさせて塩化水素HClに変えているのだそうだ。塩素を塩化水素に変えているから塩素臭は無くなる。しかしこれを「浄化器」と呼んで良いのだろうか。正しくは「汚染器」ではないだろうか。
 塩素には確かに有害性があり臭いもある。しかし塩素を塩化水素に変えれば有害性を高めることになるのではないだろうか。何しろ塩化水素の水溶液は塩酸なのだから。塩酸は有害物どころか危険物だ。
 塩素の濾過が不可能ならせめて塩化ナトリウムNaCl=食塩に変えるべきではないだろうか。多少塩辛くなるかも知れないが塩化水素よりは遙かに安全だ。
 このように良かれと思ってすることが却って問題を悪化させる例は沢山ある。生きがいを求めて入信すること、降血圧剤や抗鬱剤などを長期間服用すること、禁煙補助剤を飲むこと、健康な女性がダイエットに励むこと、怪しげな無農薬野菜を食べること、地産地消に拘り過ぎること、飛行機は怖いからと自動車で長距離移動をすること、等々。
 情報は溢れ返っているがニセ情報が多過ぎる。ニセ情報に踊らされた人は金と健康と生命を無駄遣いさせられる。

煙草税

2011-09-09 13:40:14 | Weblog
 小宮山厚生労働大臣は笑いながら煙草税の増税を主張した。笑って増税を口にする政治家を見たのは初めてだ。
 流石にヤバイと思ったのか、翌6日には他の閣僚が相次いで批判し、小宮山大臣も言い逃れに終始していた。相変わらず民主党の閣僚の言葉は軽く、懲りずに失言・放言を繰り返している。
 小宮山大臣は喫煙者を減らすことも増税も「善」と信じ切っていたからこんな失言をしたのだろう。こんな独り善がりの人こそ最も危険だ。自分と違う嗜好を持つ人に対する弾圧には何の痛みも感じないからだ。テロリストと同じ精神構造だ。
 禁煙キャンペーンは現代の魔女狩りにも等しい集団ヒステリーだ。煙草の有害性は排気ガスの数百分の一に過ぎず、実際に人間は過去500年以上に渡る喫煙歴を持っている。
 それと比べて遙かに危険な禁煙補助剤が出回っている。チャンピックスという薬で6人が意識を失い、うち3人は自動車の運転中だったために交通事故を起こしたそうだ。事故死した人も含めれば副作用の被害者はもっと多いだろう。事故死した人が何人いようと証言できないからだ。
 酒で意識を失った人は少なくないが煙草で意識を失った人はいない。煙草よりも危険な禁煙補助剤を野放しにしている現厚生労働大臣かつ前厚生労働副大臣の責任を問いたい。「意識障害が発生した」という事実さえ公表すればあとは服用者の自己責任だと考えているのだろうか。あるいは喫煙者などは交通事故で死ぬべきだとこっそり企んでいるのだろうか。こんな無責任な情報垂れ流しに終わっていては国民に対する責任は果たせない。