俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

思い込み

2011-09-13 14:39:57 | Weblog
 思い込みによって人はしばしば失敗する。どれほど賢い人でも思い込みによる失敗を免れることはできない。他人から指摘されて初めて思い込みに気付くことはしばしばある。
 高校時代、fearを「フェア」と読む英語の教師がいた。私はその人の授業の時だけわざと「フェア」と読んでいた。同級生の数人は私が教師をからかっていることに気付いていたが、教師本人は一年間全く気付かなかったようだ。
 思い込みは必要な能力だろう。もし思い込まなかったら何かが起こるたびに1から検討することになって対応が遅れる。対応の遅れは命取りにもなりかねないから、充分な情報が無くても短絡して対応することが必要だろう。
 しかし即断しなくても良い場合は慎重に考慮すべきだろう。思い込みとは偏見であり間違った判断の源だ。疑心暗鬼という言葉があるように、間違った思い込みは間違った知覚まで誘発してしまう。間違った知覚は間違った思い込みを更に強化する。どこかで断ち切らないと迷妄から抜け出せないだけではなく益々深入りしてしまう。
 良い師を持つことが理想だがそれが叶わないなら良い本を読むことによってそれは可能になるだろう。

消化試合

2011-09-13 14:25:34 | Weblog
 11日のなでしこジャパンの対中国戦は消化試合だった。日本の予選突破は既に決まっていたからこの試合はどうでも良かった。
 しかし中国にとっては状況が違う。もし勝って、北朝鮮とオーストラリアが共に負ければ棚ボタで代表権が転がり込んで来る。地元中国としては是非とも勝ちたい試合だった。
 こんな試合を消化試合と呼ぶことは相手に失礼だ。当然佐々木監督はそんな馬鹿なことは言わない。あくまで「五輪に備えた若手中心の布陣」というタテマエを貫く。これが相手に対する配慮であり社会人としての常識だ。結果的には控え中心のメンバーで勝てて良かったとつくづく思う。もし負けていればこの上無く失礼なことだっただろう。
 こういう配慮を欠いているのが民主党内閣の閣僚だ。配慮を欠いた放言をしては問題にされている。自分の置かれている立場を理解していないのだろう。
 自分の都合だけで話すことの無礼さを理解していない幼稚な子供のような大臣が少なくないようだ。「放射能を付けちゃうぞ」とか「(煙草は)700円台ぐらいまでは税収も減らない」などの放言は他者に対する配慮を欠いている。
 「どじょう内閣」にはどうやらウナギやウツボや海蛇も紛れ込んでいるようだ。「亜菅内閣」とは思わないが気配りができない子供内閣ではもっと困る。

学歴軽視社会

2011-09-13 14:08:29 | Weblog
 かつての学歴万能主義の反動からか日本は世界で最も学歴を軽視する社会になってしまったようだ。少なくとも米・英・独・仏・中・韓・印のどの国よりも学歴を軽視している。そのために若年層が勉強する意義を見失いつつある。これは困ったことだ。
 高学歴者は次の3つのどれか、あるいは複数の能力を持っている。①思考力②記憶力③努力。小学校から高校までの12年間に積み重ねられた実績を軽視するのは余りにも勿体ない。
 ①思考力・・・・数学や理科および読解力の優れた人の思考力を活用できない組織は創造性を失う。
 ②記憶力・・・・社会や英語および漢字の得意な人は高い記憶力を持っている。記憶力は社会人としての大きな武器だ。
 ③努力・・・・所謂ガリ勉タイプだが、これこそ理想の社会人だろう。努力できるという才能は何物にも代え難い。
 人物本位とか成果主義とかいったスローガンで学歴を軽視するのは誤りだ。特に思考力を評価することは難しい。同等以上でなければ他者の思考力は評価できないのだから、愚かな上司による評価はしばしば的外れであり恣意的なものとなる。まるで猿に人間を評価させるようなものだ。伯楽がいなければ駿馬も駄馬にされてしまう。それを防ぐためには学歴をもっと重視して、運に左右される不公平な人事制度から脱却すべきだろう。日本の停滞は学歴軽視が一因とさえ思える。