俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

ランダム

2011-09-16 14:13:33 | Weblog
 拡散という現象がある。液体や気体が徐々に広がり全体の濃度や温度などが均一になる現象だ。これは決して液体や気体が濃度や温度の低い方向に広まるという性質を持っているからではない。単にランダムに動くからだ。
 48人が新天地の南岸に漂着したとする。進行方向は東西南北のどれかとする。ランダムに散らばるならまず南を除く東西北に16人ずつが向かうことになる。それぞれのグループはある地点で再び選択をして東西南北に4人ずつ向かう。小さなグループはその後また東西南北に一人ずつ向かう。こうして拡散が起こる。ランダムに動くことが人の拡散に繋がる。実際には東西南北の選択ではなくその中間もあるし上下という選択もあるから拡散の速度はもっと早くなる。
 拡散という法則を生む源はランダム性だ。ランダムだから法則が生まれるという事実は誠に示唆に富む。変な方向性があるならそれは変な圧力が働いているせいだ。
 人の反応も本来はランダムなものだろう。一人一人が違った反応をするからこそ全体としての調和が生まれる。マスコミや権力者が世論操作をすれば本来生まれるべき調和とは異なる歪んだ形に収束する。しかしそれは堰き止め湖のようなものでいずれ崩壊するだろう。

脳と腸

2011-09-16 13:57:55 | Weblog
 私の脳と腸は仲が悪い。
 腸には1億個以上の神経細胞があり、全身を統制する脳が約150億個以上の神経細胞を持つことと比べれば微々たるものだが、脳とは独立して動くことも多く「第二の脳」とする仮説もある。腸は独立国ではないが地方自治体のようなものだろう。
 中央と地方の仲が悪いと困ったことが起こる。私の場合は試験の度に下痢をした。これは腸による「これ以上ストレスを増やすな」というサインだろう。まさか腸の意向に添って試験を放棄する訳には行かないので減食および昼食抜きという形で腸と妥協して来た。
 オカルト的な考え方と思われるかも知れないが、脳が多重構造になっており、原始動物から人間特有の脳まで別々に反応していることは脳機能を測定するМRI(核磁気共鳴画像診断装置)を使った実験によって証明されている。様々な、時には相矛盾する情動は、脳の各部分による異なった反応が反映されたものだろう。人間の脳は月見うどんのようなものだ。人間固有の脳は新皮質だけだ。卵に当たる新皮質以外は他の哺乳類と大差無い。新皮質を取り除けば人間は豚になる。
 多重構造を持った脳だけではなく腸までが意思を持つのなら確立した人格という考え方は無意味になる。人格とは複合体あるいは中枢神経同士の戦場だろう。

2大政党

2011-09-16 13:42:31 | Weblog
 私は2大政党制には大反対だ。単に選択肢が少ないということではない。少数者が虐げられるからだ。
 最多数者の利益を代表する党が第一党になる。次の多数者を代表する党が第二党になる。そしてそれ以外は無視あるいは弾圧される。
 多数者は少数者を虐待することが大好きだ。多数者は自らを正常者と位置付けて異常者(=少数者)を排除しようとする。喫煙者や同性愛者などは権利を剥奪され勝ちだ。
 私は喫煙者だが同性愛者ではない。同性愛は私の嗜好にはそぐわない。それでも異常者として差別したり弾圧したりしようとは思わない。むしろ少数者を異常者として迫害する多数者に対して嫌悪感を覚える。
 「タデ食う虫も好き好き」だ。多数者と違うということは異常を意味する訳ではなくむしろ個性的と評価すべきだろう。「虫愛でる姫君」がいても一向に構わない。少数者ではなく狂った者を異常者と呼ぶべきだ。
 民族として捕えれば日本人は異常な民族だ。西洋人は虫の鳴き声を雑音として捕え、日本人は音色として捕える。西洋人は虫の鳴き声を左脳で処理し日本人は右脳で処理するとも言われている。どちらかが異常なのではなくどちらも正常だ。
 多数者による少数者に対する迫害には私は断固戦い続けたい。