すき焼きのルーツは2つある。関東の牛鍋と関西の鋤焼きだ。最近では関東系の「すき鍋」が主流になっているようだが、私が大学生の頃、つまり約40年前ではコンパで一番揉めたのはすき焼きの作り方だった。割り下を使って煮込もうとする東日本勢と醤油と砂糖だけを使って焼こうとする西日本勢とでテーブルが分かれたこともあった。
すき鍋が主流になったのは和食チェーン店が全国展開するに当たって、下拵えができるので調理時間を短縮できる鍋方式を選んだからだろう。煮る料理よりも焼く料理を好む人は焼き肉や鉄板焼きやバーベキューなどへと移ったようだ。
ところで関西ではなぜ鋤焼きだったのだろうか。鉄板が家庭に無かったから比較的面積の大きな鋤を使ったとも考えられるがもう1つの大きな要因は食器を穢さないためだろう。文明開化に伴い肉食が奨励されたが、当時の日本人の意識では肉は穢れたものだった。神聖な食器を肉によって穢さないために、食器ではない鋤が使われたのだろう。
肉を穢れたものと考えた関西と肉に鍋を使って市民権を与えた関東とでは受け入れ姿勢が違う。牛鍋系が鋤焼き系を駆逐したのは調理時間の差だけではなく基本思想の違いも原因だろう。
すき鍋が主流になったのは和食チェーン店が全国展開するに当たって、下拵えができるので調理時間を短縮できる鍋方式を選んだからだろう。煮る料理よりも焼く料理を好む人は焼き肉や鉄板焼きやバーベキューなどへと移ったようだ。
ところで関西ではなぜ鋤焼きだったのだろうか。鉄板が家庭に無かったから比較的面積の大きな鋤を使ったとも考えられるがもう1つの大きな要因は食器を穢さないためだろう。文明開化に伴い肉食が奨励されたが、当時の日本人の意識では肉は穢れたものだった。神聖な食器を肉によって穢さないために、食器ではない鋤が使われたのだろう。
肉を穢れたものと考えた関西と肉に鍋を使って市民権を与えた関東とでは受け入れ姿勢が違う。牛鍋系が鋤焼き系を駆逐したのは調理時間の差だけではなく基本思想の違いも原因だろう。