俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

タコ焼き屋

2012-03-27 15:22:56 | Weblog
 小学生の時の話だ。校門の前に屋台のタコ焼き屋があった。この店は変な値付けだった。10円で5個、5円で3個だった。私はいつも「5円のを2つ」と注文した。
 なぜこんな変な値付けだったのだろうか。正義感の塊りのような人で貧しい子供の味方になろうとしたのだろうか。私のような5円の品を2個買う子供はパシリをやらされている可哀想な子供と思ったのだろうか。それとも単に算数を知らなかっただけなのだろうか。
 昔、北海道の観光地にはアイヌの格好をした人がいて動物の木彫りを実演販売していた。1個100円と手軽な価格だったので熊を2個注文した。すると220円請求された。理由を尋ねると「同じ物を2個続けて彫るのは面倒だから」とのことだった。
 これほど極端ではないが、今でもまとめて買えば高くなるケースはある。外税表示の店で99円の品を買えば103円だがそれを2個買うと207円になる。書籍も外税表示なので2冊同時に買ったほうが1円高くなることがある。
 生鮮食品の市場では大口注文が入ると値段が上がる。需要と供給のバランスが崩れるからだ。今はどうしているのか知らないが、昔は大手スーパーはわざわざ分散して買い付けていたそうだ。しかしこれは無駄な話だ。人件費が多く掛かるから商品価格が高くなってしまう。今では多分、市場を通さずに農協などから直接買い付けることが増えているだろう。

時間外手当

2012-03-27 15:08:23 | Weblog
 工員や店員に対する時間外手当は正当だ。彼らは上司の命令に基づいて時間を拘束されるからだ。しかし事務員に対する時間外手当の多くは不当だ。これは仕事の遅い者に対する優遇策だ。
 ある業務を処理するためにA氏は8時間、B氏は10時間掛ったとする。現在の制度ではB氏に2時間分の時間外手当が支給される。妙な話だ。もし10㎞先に荷物を届ける仕事で、走って1時間で届けた人よりも歩いて2時間で届けた人のほうが優遇されるなら誰も走ろうとしないだろう。だらだらと歩いたほうが得だ。2時間どころか3時間掛けてゆっくりとサボリながら歩くだろう。そのほうが楽でしかも報酬が多いからだ。
 民間ではこんな馬鹿な問題は生じていない。逆にサービス残業の強制が問題になっている。従ってこれは放漫経営にも等しい公務員だけの問題だろう。これが新たな給与格差にもなっている。
 早く仕事を終える事務員の脳内ではシナプスが活発に働いているだろう。つまり脳の労働量が多い。肉体労働量が多い人に多くの報酬が与えられるように脳の労働量が多い人も報われて然るべきだろう。
 勿論、脳の労働量は測定できない。しかしこの考え方に基づいて賃金体系を見直すことは可能だし必要なことだろう。

地下

2012-03-27 14:52:27 | Weblog
 冷蔵庫は室温を上げる。庫内を冷やし、庫外に熱を放出するからだ。では冷蔵庫の扉を開けっ放しにすればどうなるだろうか。室温は更に上がる。庫内を冷やすために最大量の電力が使われるからだ。
 冷房は室内の気温を下げるがそれ以上に屋外を暖める。人類の文明は加熱しか知らない。加熱を使って冷やすからトータルでは必ず暖めることになる。
 文明や科学が加熱しかできないのなら科学以前の方法で減熱ができないものだろうか。具体的には地下と地下水の活用だ。地下は太陽熱の影響を受けにくいので夏は涼しく冬は暖かい。地下室も同じ特性を持つ。
 地下水の利用は昔よりも衰退している。夏冷たく冬温かい井戸水は貴重な冷暖房資源だろう。冷蔵庫が普及するまではスイカなどを井戸水で冷やしたものだ。
 地下水を使い過ぎると地盤沈下の恐れがある。それを防ぐために循環という方法が考えられる。パイプを使って水を地上と地下に循環させれば冬は暖房に夏は冷房になるだろう。原子力発電のような超高温でさえ循環冷却ができるのだから、家庭の冷暖房程度なら充分可能だと思うのだがどうだろうか。水ではなく空気を循環させることも考えられる。随分原始的な方法だが省エネ技術として夏の冷房と冬の暖房に使えないものだろうか。