俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

地下(2)

2012-05-04 15:49:52 | Weblog
 3月27日付けの「地下」で、パイプを使って水か空気を地下から地上へと循環させて冷暖房に使えないだろうか、と書いたが、6月にも実用化されるようだ。
 5月3日の朝日新聞によるとセブン・イレブンの太宰府国分店で「店の地下に直径38cm、長さ7.5mのアルミ製パイプを2本埋め、内部に外気を送り込む」ことによって夏は冷房、冬は暖房として使うそうだ。
 私は水の循環を本命と考えていたが空気のほうが実用的だったようだ。空気のほうが質量が少ないので循環させるために必要なエネルギーが少なくて済むという大きなメリットがある。
 私が水を本命視したのは思い付いたきっかけが原子炉の循環型冷却水だったことと、空気は保温性が高くて温まりにくく冷やしにくいから水よりも長いパイプが必要だと思ったからだ。しかしこれは間違いだった。保温力が高ければ冷暖房力も高くなる。水を使う場合よりも長いパイプにする必要は無かった。
 私は家庭用の小規模なものをイメージしていたがコンビニの店舗でも使えるようなら期待は更に膨らむ。素人が思い付くようなことをちゃんと研究している企業があるものだと改めて感心した。

金田一少年の事件簿

2012-05-04 15:35:14 | Weblog
 推理小説はかなり高度な知的遊戯だと思っている。作者によるミスリードを克服して謎を解き明かすためには発想の転換が必要だ。偏見や思い込みの強い人には謎解きはできない、柔軟な思考力を養うためには数学以上に有益な知的トレーニング方法だと思う。 
 現在の私は小説は読まない。昨年読んだ小説は「竹取物語」だけだったし、今年は「悪霊」の「スタヴローギンの告白」だけを読み直した。思想書の濃厚さを知ってからは小説という表現方法は物足りない。
 推理が好きなので漫画の「金田一少年の事件簿」は愛読している。「真相当てクイズ」で賞品を貰ったこともある。しばらく応募していなかったので久し振りにチャレンジしてみた。大体解けたとは思うが〆切は7日なのでもう少し捻りを加えてみようと思っている。
 今回の謎解きのポイントは最難関である密室のトリックだろう。密室トリックを使える容疑者は1人しかいない。しかしこの容疑者には完璧なアリバイがある。そのアリバイを崩す鍵になるのがこの事件の舞台である研究室で扱っている「無尽藻」という驚異的特性を持つ藻というのがオチだろう。現実的過ぎるトリックは実際の犯罪に悪用されかねないので、それを防ぐために非現実的要素を組み込んだのだろう。
 クイズの〆切前なのでタネ明かしはこの辺でやめておこう。

揚水発電

2012-05-04 15:19:10 | Weblog
 NHKのニュースで揚水発電の特集をやっていた。これが恰も電力危機打開の切り札になるかのような扱いだった。しかし揚水発電ほど馬鹿馬鹿しい発電方法は無い。エネルギーを使って水を高所に運び、その降下エネルギーを使って発電するという馬鹿げたシステムだからだ。水を上に運ぶために必要なエネルギーは水が降下する時に発生するエネルギーと原理的には等しいが実際にはかなりのロスが生じる。その水力による発電は水を運ぶために使った電力の半分以下だろう。だから全体としてはマイナスにしかならない。エネルギーを浪費しても使用可能な時間帯を変更することしかできない。
 こんな馬鹿げた発電があるのは原子力発電のせいだ。原子力発電は発電量を調整しにくい。原子力発電にとっては一日中同量を発電し続けることが最も効率的で安全な使い方だ。夜になると余ってしまう電力を少しでも有効活用するために作られたのが揚水発電所だ。エネルギー生産量がマイナスにしかならない揚水発電でエネルギーを浪費するよりは、エネルギー生産量がプラスになる他の発電方法を充実させるほうがずっと経済的でありかつ合理的だ。
 但し、昼間の電力が全然足りず、夜も発電所をフル稼働させてエネルギーを蓄えなければならないようならば、この愚策も過渡期的対策として役に立つ。その場合は真っ先にテレビの深夜放送をやめて夜の電気使用量を減らすべきだろう。