俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

駄々っ児

2012-05-15 15:24:08 | Weblog
 近頃、駄々っ児が増えている。これは子供の話ではない。
 ギリシャでは緊縮財政はイヤ、ユーロ離脱もイヤと駄々をこねて挙句の果てに「国の借金の返済拒否」を公約とする政党の躍進を許した。
 ギリシャだけではない。日本でも原発はイヤ、CO2もイヤ、節電もイヤ、値上げもイヤと駄々をこねる人が目立つ。ではどうするべきなのかと問えば「政府がちゃんと対処すべきだ」と言う。ところが政府は政府で電力会社に対して「原発はダメ、停電もダメ」と言うばかりなので値上げと節電しか選択肢が無くなる。
 こんな状況だから、働くのはイヤ、金が無いのはもっとイヤと言う人が現れる。こんな人はパチンコか宝くじなどのギャンブルで稼ぐしか無かろう。
 昨年の宝くじの売上高は3年振りに1兆円を超えたそうだ。震災復興宝くじが貢献したらしいが、震災に便乗して宝くじを売ろうとする政府の浅ましさに呆れると共に、大義名分を得て一儲けしようとする人々にも嫌悪感を覚える。震災のドサクサに紛れて5億円の賞金を狙う人の精神構造は火事場泥棒のようなものだ。宝くじを買う金があるなら寄付すべきだろう。
 モンスターペアレントも駄々っ児の一種だ。我儘し放題の子供のようなものだ。人類はどんどん阿呆になっているようにさえ思える。

税の見直し

2012-05-15 15:10:58 | Weblog
 消費増税の批判を散々書いているが、ではどうすべきかについても書くべきだろう。
 第1は脱税に対する罰則の強化だ。何人かの自営業者を知っているが彼らの共通点は税務署を舐め切っていることだ。99%バレないしバレたら指摘されたとおりに収めれば良いと考えている。税務署は辛口の税理士のような位置づけだ。農家の納税意識はもっと酷い。納税しないことが前提にさえなっている。江戸時代以前の財政が農民からの年貢を基盤としていたことと比べて雲泥の差だ。農家は不当に優遇されている。
 第2は高額所得者に対する累進課税の強化だ。今の所得税は1,800万円超に対する40%が最高税率だ。これを例えば1億円以上を50%にするだけでかなりの税収が見込める。年収1億円以上の長者にとっては税率の10%増など痛くも痒くもなかろう。
 第3は消費税の欠陥を見直した上での増税だ。しかしこれはあくまでも最後の手段だ。年金額の削減も含めた経費削減に徹底的に取り組んだ上でどうしても必要ならやむを得ない。但し私は消費増税が不可欠だとは思っていないし、現在の欠陥だらけのままでの増税は最悪の選択肢だとさえ考えている。

対口支援

2012-05-15 14:53:42 | Weblog
 中国には大規模災害対策として「対口支援」という仕組みがあり、約86,000人が犠牲になった2008年の四川大震災からの復興に大いに貢献したそうだ。これは予めパートナーを決めておき大規模災害時にはパートナーが中心となって支援・復旧・復興に取り組むという仕組みだ。例えば東京と大阪、山口と鹿児島というようにある程度離れた地域がペアとなり、どちらかに大規模災害が起こった場合にはパートナーが被災地と協力して業務を取り仕切るというシステムだ。各地からバラバラに支援があっても烏合の衆にしかならず、その調整のために却って現場が混乱しかねない。そんな迷惑な支援とは違って統制の取れた組織なら即戦力になる。
 これは一党独裁の中国だから可能な仕組みではない。関西以外の人は余り知らないだろうが、関西広域連合という自主的な集まりがあり、震災2日後の3月13日には分担を決めて組織的に支援に取り組んだ。大阪と和歌山は岩手、兵庫と徳島と鳥取は宮城、京都と滋賀は福島という分担だった。これによって組織的な支援が可能になった。
 国の縦割りのやり方と比べて何と合理的な仕組みだろうか。「知恵を出さない奴は助けない」と放言した馬鹿な大臣がいたが、そんな上からの目線ではなく横の連携によって支援・復旧・復興を図ろうとする関西広域連合は素晴らしい。その設立に大きく貢献した橋下前知事・現市長の偉大さと比べて前・現首相は余りにも無能であり最高権力者としての資質を欠いていると痛感せざるを得ない。