俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

健康

2012-07-03 15:43:20 | Weblog
 健康については誰が詳しいだろうか。多くの人は医師と考えるだろうが、医師は病気のプロであって健康のプロではない。医師を健康のプロと思うのは警察や検察を倫理のプロと思うようなものだ。異常に対するプロと正常に対するプロは全く別だ。
 「医者の不養生」と言われるように医師は決して健康・長寿ではない。むしろ短命だ。日野原重明氏のような100歳の現役医師がマスコミでしばしば取り上げられるのは長寿の医師が珍しいからだ。言わば「人が犬を咬んだ事件」のようなもので珍しいからマスコミが報道する。
 医師が短命になる原因は幾つも挙げられる。毎日、病原体に晒されることや、小児科・産婦人科に代表される深夜・長時間勤務、あるいは日常的に患者の死に立ち会うことのストレスなどだ。
 そんな事情はあるものの実際に医師は健康には疎い。致命的弱点と思えるのは栄養学の知識の欠如だ。医師が持っているのは欠乏症の知識だけだ。食餌療法は健康保険の対象外だから、対象になるサプリメントばかりを推奨して食餌療法には無関心だ。患者に勧めているうちに自分も信じてしまってサプリメント漬けになる。 
 患者を治す医師とは違った視点から健康を指導する健康指導医が必要なのではないだろうか。

外来種

2012-07-03 15:27:29 | Weblog
 外来種が日本の固有種を滅ぼすとして駆除されている。典型例は琵琶湖の魚と和歌山の猿だ。
 琵琶湖ではブラックバスやブルーギルなどの外来魚が駆除されている。ブラックバスは海水魚のスズキが進化した魚であり美味しいらしい。これを食資源として捕えず生態系を破壊する厄介者扱いするのはなぜだろうか。
 和歌山の猿はもっと悲惨だ。動物園から逃げ出した台湾猿と日本猿との混血種が駆除されている。外見では区別できないのでDNA検査までやって台湾猿の遺伝子を駆逐しようとしている。
 こんなヒステリックな外来種駆除はナチスの純血主義のようなものだ。生態系に組み入れられたならそのまま受け入れれば良い。例えばアメリカザリガニを駆除する必要があるだろうか。これは明治に輸入されて野生化した外来動物だ。ニジマスもカワマスも外来種だ。米も縄文時代に伝わった外来植物だし、イチゴもリンゴも明治時代から輸入栽培されている。外来種は固有種を滅ぼすとは限らず逆に生物多様性を高めているとさえ思える。
 東京人は元来田舎者の集まりでありながら妙に余所者を差別したがり、埼玉県出身者を「ダサイタマ人」と呼んだりする。大阪人は差別意識が少ない。だから朝鮮人や沖縄人などが最も多く集まる。外来種の駆除は東京人の差別思想の現れではないだろうか。

医療費の無駄遣い

2012-07-03 15:09:50 | Weblog
 医療費が膨らんで国の財政を圧迫している。これは途轍もない構造的な無駄が原因ではないだろうか。
 慢性病患者への薬は大半が無駄で有害だ。治療効果が無く検査数値を下げるだけの薬は不快な症状を緩和することも無いから対症療法よりも悪い。この薬の副作用によって病気になれば更に副作用の強い薬を使ってもっと酷い状態になる。毒を以て毒を制するのではなく毒漬けにすることが「治療」とされている。
 延命効果を証明できない癌治療も大問題だ。放っておけば5年生きられる人を手術して即死させたり、良性腫瘍に放射線を当てて癌にしてしまったり、抗癌剤の副作用が癌以上に患者を苦しめるなど笑えない失敗が多発している。こんな殺人紛いの行為が癌治療の実態だ。
 昔から鬱病はサボリ病ではないかとの疑いが絶えないが、新型鬱病ではその傾向が著しい。「人事異動が原因で鬱病になった」という類いの他責型の診断書を求める人が多いそうだ。こんな人にも抗鬱薬のSSRIが処方されて医療費として国民の負担になっている。落ち込んでいる人に酒を飲ませるような行為が医療と言えるのだろうか。
 医療費が無料になる生活保護費受給者による薬集めも酷い話が。もし全部飲んだら死んでしまいそうな大量の薬を、病院を梯子して集めるのは横流しが目的としか思えない。