俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

チームプレイ

2012-07-13 15:18:21 | Weblog
 オリンピックまであと2週間だ。有望な種目は柔道・レスリング・水泳・体操などだ。マスコミが期待する女子サッカーなでしこジャパンには過度な期待をしたくない。アメリカ代表が強過ぎるからだ。先日アメリカに完敗したからではない。チームの完成度が全然違う。なぜ完成度が違うのか。オリンピックに合わせて選手を寄せ集める日本と違ってアメリカ代表は長期間に亘ってチームとして活動しているからだ。昔の共産圏のステートアマのようなチーム作りが可能になったのは、皮肉なことに女子プロリーグが活動停止になったからだ。そのために米国サッカー協会が代表候補を雇用したので長期間のチーム活動が可能になった。
 サッカーは他の種目以上にチームプレイが重要だ。現在男子で最強のスペインに代表されるパス回しの巧拙がチーム力を決める大きな要因だ。個人の力量よりもチームとしての連携力のほうが大切だ。
 かつて中田英寿選手は傑出した能力を持っていた。しかし日本チームでの中田選手のベストパスは必ずミスパスになった。他の選手が劣っていたからだ。つまり中田選手が国際レベルでベストと考える位置には誰も走り込まないので、ベストではなく周囲のレベルに合わせた凡庸なパスを出さざるを得なかった。
 アメリカ代表が長期間チーム活動をしているメリットは大きい。お互いの力量も個性もよく分かっているからフォーメーションプレイも質の高いものになる。残念ながらアメリカが最強だ。

BMI(2)

2012-07-13 14:59:07 | Weblog
日本人は胴長・短足・頭でっかちだ。私の世代と比べれば若い世代は随分、格好良くなったが、それでも欧米の白人や黒人と比べれば見劣りする。背が低いことだけが原因ではない。例えばフィリピン人は日本人より背が低いが比較的足が長く頭が小さい。日本人がフィリピン人よりも背が高いのは頭と胴が長いからだ。
 頭は重い。脳はせいぜい1.5㎏程度だが頑丈な頭蓋骨によって守られている。
 胴は最も太い。足の太さが尻の太さを上回ることはあり得ないので、どんな大根足の人であろうとも胴は足よりも重い。
 こう考えると短足の日本人のBMI値は高くて当然ということになる。しかし実際には欧米人よりも低い。つまり日本人は痩せ過ぎているということだろう。
 BMIと同様に血圧・血糖値・コレステロールなども高さばかりが問題にされるが本当に危険なのは低過ぎることだ。これらの数値が標準よりも低い人は高い人よりも死亡率が高い。なぜ低い人が問題にされないのか不思議だ。もしかしたら薬の出番が無いからかも知れない。勿論、薬やサプリメントが無い訳ではない。しかし薬やサプリメントよりも食餌療法のほうが有効だ。医療ビジネスにとって儲けが少ないからという理由で低数値の人が問題にされていないのだとしたら医療の倫理が問われるべきだろう。
 食べる総量が足りなければ個々の栄養素も不足し勝ちだ。栄養素は足りないよりも余るぐらいのほうが良い。検査数値が高過ぎる人はともかく、普通の人はもっと栄養を摂ったほうが良かろう。

早期治療(2)

2012-07-13 14:45:47 | Weblog
 「効いたよね、早目のパブロン」とか「クシャミ3回、ルル3錠」といったテレビCMがある。これらは風邪の早期治療を訴えるCMだが誇大広告と思える。風邪かどうか分らない時に薬を飲んで風邪の症状が現れなかった場合、2つの可能性が考えられる。①風邪ではなかった②風邪を早期治療した。CMでは①の可能性を無視している。これではオカルトと同じだ。雨乞いをして雨が降ったら2つの可能性を考えるべきだろう。①自然現象として雨が降った②雨乞いが効いた。
 これを雨乞いが効いたと考える人は殆んどいないだろう。ところが風邪の場合は薬が効いたと考えるとは何とも不可解な話だ。
 私は風邪薬よりも雨乞いのほうが合理的だとさえ考える。雨乞いをするのは雨が降らずに困っている時だ。そんな時に「困った時の神頼み」をすることは容認できる。しかし風邪かどうか分らない時に薬を飲んで「効いたよね」と言うのは霊感商法にも等しい。
 私は風邪薬に治療効果は無いと思っているが、風邪の早期治療という根拠の無いオカルト的な物語まででっち上げて、毒物でもある風邪薬を売ろうとすることは犯罪的行為だ。