俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

最強のスウィマー

2012-08-03 15:12:36 | Weblog
 オリンピックの真っ最中だが史上最強のスウィマーは誰だろうか。若い人はマイケル・フェルプスやイアン・ソープと考えるだろう。しかし桁外れのスウィマーがいた。1972年のミュンヘン・オリンピックで7種目に出場して総て世界新記録で優勝したマーク・スピッツ選手だ。彼が最強と言えるのは種目の壁を超えた唯一の選手だからだ。スピッツ選手は自由形とバタフライで泳ぐ度に世界記録を更新したが、彼のバタフライの記録は当時の自由形の世界二位の記録よりも早い。つまりスピッツ選手のバタフライより早いのはスピッツ選手のクロールだけだった。だからオリンピックの自由形で、スピッツ選手がクロールではなくバタフライで泳いでも金メダルを取っていただろう。勿論、そんな失礼なことはしなかったが、そんなことが可能だった選手は彼だけだ。
 それだけではない。当時は少しでもタイムを良くするために多くの選手が体毛を剃っていた。そんな風潮の中で体毛を剃らないだけではなくヒゲまで生やしていた。彼こそ間違いなく史上最強のスウィマーだ。

s

2012-08-03 14:55:26 | Weblog
 どういう訳かsで始まる日本語が沢山国際語になっている。sushi、sashimi、sukiyakiは三大国際和食だと思うがどれもsで始まる。最近ではsurimiが国際語になっているそうだ。これは「擂り身」のことであり蟹蒲などが世界中に広まっている。但し残念ながら日本からの輸出品のシェアは低い。タイのsurimiがトップシェアとのことだ。蒲鉾が特許対象外なのは仕方がないとしても蟹蒲ぐらいは国際特許を取れながったのだろうか。
 以外なのはsatsumaという英語だ。これは芋ではない。何と蜜柑のことだ。なぜsatsumaが蜜柑を意味するのか日本人には全く解せないことだが、薩英戦争後の薩摩藩・英国の協力関係がきっかけらしい。
 1863年に薩摩藩の島津久光の大名行列の一行が英国人を切り捨てた生麦事件に対してイギリスは艦隊を派遣して薩英戦争となった。これを契機にして薩摩藩とイギリスとの関係が深まり明治維新へと繋がるのだから歴史とは全く偶然に左右されるものだ。薩摩藩からイギリスに贈られた贈答品の中にsatsumaがあったようだ。
 食品以外でもsanuraiが国際語だ。勿論s以外で始まる和製国際語としてtsunami、karaoke、mangaなどを思い付くがsのシェアは高い。日本人にはsが似合うのだろうか。

検査被曝

2012-08-03 14:38:02 | Weblog
 日本人は世界一医療被曝量が多く、日本の癌患者の3.2%が検査被曝が原因で発症しているそうだ。レントゲンの間接撮影が2ミリシーベルト、CT検査は7ミリシーベルトの被曝になるとのことだが、こんな大量の放射線を検査のために浴びてそれが原因で癌に罹っている。馬鹿げた話だ。
 何のために癌検診を受けるのだろうか。癌でないことを確認したいからだろう。勿論、早期発見・早期治療に期待する人もいるだろう。可哀想にその人達は騙されている。本当の癌なら早期に発見しても助からない。発見されるほどの大きさになっていれば既に転移している。贋の癌、つまり良性腫瘍を切り取り、本物の癌に対しては虚しくて苦しい治療紛いをするということが早期治療の正体だ。このことに延命効果は全く無くQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を低下させるだけだ。
 これは熊に出会ったら死んだ振りをせよ、という俗説に似ている。これを実践した人の99%は死に、1%の人は運良く助かる。これは死んだ振りをしたから助かったのではなく、熊が空腹でなかったか、他にもっと美味しそうな獲物を見つけたからだろう。それでも助かった1%の人は「死んだ振りをしたから助かった」と言い触らす。
 癌検診は熊に対する死んだ振りのようなものだ。それどころか、死んだ振りの有効性を確かめるためにわざわざ熊に近寄るような愚行にも等しい。こうして自ら放射線を浴びて癌になる。狂気の沙汰だ。