俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

やぎさん郵便

2012-08-28 14:46:49 | Weblog
 「♪①白やぎさんからお手紙着いた。黒やぎさんたら読まずに食べた。仕方が無いのでお手紙書いた。さっきの手紙のご用事なあに?②黒やぎさんからお手紙着いた。白やぎさんたら読まずに食べた。仕方が無いのでお手紙書いた。さっきの手紙のご用事なあに?♪」これは童謡の「やぎさん郵便」の歌詞だが、この歌が笑えるのは、どういう内容か分らない最初の手紙以外は、「さっきの手紙のご用事なあに?」という内容の手紙が延々と虚しくやり取りされることだ。日本からの親書が読まずに食べられたのなら笑えるが、読まずに送り返されたことは笑えない。
 しかし外務省にも落ち度はある。親書が韓国に届く前に内容をネットで公開したと言われていることだ。大切な情報だからこそ親書なのであって公開済みの情報を伝えるだけなら事務手続きに過ぎない。そんな親書なら軽んじられても当然だ。

盗作

2012-08-28 14:37:49 | Weblog
 「日本の陸地、すなわち領土の面積は世界で61番目だ。しかし、日本が他国を排除して、経済的なさまざまな権益をもつ海域である『排他的経済水域』と、領海を足した面積は、世界で6番目の広さになる。(中略)『海の大きさ(=海水の体積)』を比較すると、日本の海の大きさは世界で4番目となる」
 これは24日の竹島問題に関する臨時記者会見での野田首相の演説ではなく「日本は世界4位の海洋大国」(講談社α新書)からの引用だ。野田首相の演説の冒頭部分はこの文章をほぼ踏襲していた。野田首相の演説をわざわざ掲載しないが読み比べてみて欲しい。
 2+3=5であるように科学的事実は誰にとっても同じであるから似た文章になるのはある程度やむを得ない。しかしここまで真似るのはどうかと思う。

病気と障害

2012-08-28 14:24:59 | Weblog
 医療において障害は病気よりも重い概念だ。病気の大半は一過性だが障害は一生続く。例えば足の障害、首の障害、心臓の障害etc.。これらは一生背負わねばならない不具を意味する。
 ところが精神医療における「障害」は全然違った意味を持つ。病気でなくても不具合が生じていれば障害の名が被せられる。睡眠障害や発達障害や人格障害などがそれだ。不眠症なら治療が必要だ。もしかしたら入院せねば死に至るかも知れないが、睡眠障害なら軽い睡眠薬を処方して様子を見ていれば充分だろう。
 精神医療では一般医療とは違った意味で「障害」が使われているから社会が混乱する。障害ではなく「不良」か「劣等」などの言葉を充てるべきだろう。発達障害や人格障害とされる人は障害者ではないからパラリンピックには出場できない。
 こうなった原因は精神科医と心理学者の対立だろう。脳機能の異常と考える精神科医とトラウマが原因と考える心理学者とでは議論が噛み合わない。グレーゾーンを「障害」という言葉で曖昧にしたから病人ではない精神障害者が大量に作られ、そのために近視を「目の障害」と騒ぐのと同じような馬鹿げたことが起こっている。