俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

水資源

2012-08-21 14:16:41 | Weblog
 「日本人は、安全と水は無料で手に入ると思いこんでいる」と指摘したのはイザヤ・ベンダサン(山本七平氏)だが、その後、日本人も安全には気を使うようになった。最近危険と騒がれているのは地震、洪水、原発、オスプレイ、熱中症などだ。
 一方、水の重要性は余り意識されていない。旱魃が少ないことが一因かも知れない。以前は夏になると琵琶湖や取水ダムなどの水位が下がって大騒ぎしたものだが今年の夏は豪雨で騒いでいる。
 世界を見れば水不足は深刻だ。黄河があちこちで干上がって断流していることはしばしばニュースになるし、かつて世界4位だった巨大湖のアラル海の面積は1/5以下になってベスト20の圏外だ。世界人口70億人を養うためには70億人分の水と食料が必要なのだが、どちらが先に枯渇するだろうか。
 私は水道の水をペットボトルに入れて冷やして飲んでいるが、そのまま飲む人は40%未満の少数派らしい。日本の水道水は世界の公共水道の中で最高品質だと思うのだがミネラルウォーターを飲む人が増えている。しかし安全性は逆だ。水道水は水道法に基づいて47物質について基準値が設けられているが、ミネラルウォーターは食品衛生法に基づく14物質についてしか基準値が無い。世界に誇れる上質の水道水を軽んじるべきではない。

生活保護の条件

2012-08-21 14:07:02 | Weblog
 ホームレスは明らかに極貧生活者だ。それにも拘わらず生活保護を受けられないのは彼らが条件を充たしていないからだ。
 ①住民票・・・生活保護を受けるためには自治体の福祉事務所へ申請せねばならない。ところが住民登録がされていなければ受け付けられない。生活保護費は各自治体が1/4を負担せねばならないので財政難の自治体は居住者と認められない人を門前払いにする。
 ②借金・・・ローンを含めて借金がある人は生活保護を受けられない。それは生活保護費が借金返済に充てられるからだ。受給資格を得るためには自己破産をして借金を0にするしかない。
 要するにどん底まで落ちたら受給できないという変なシステムだ。借金を重ね、家賃も払えずに追い出されたら受給資格を失う。従って無理をせずに、住居があり借金が無いうちに申請せねばならない。このことを知らずに無理と我慢を重ねた人は受給資格を失う。

デモ

2012-08-21 13:52:57 | Weblog
 共産党独裁体制の中国では反政府デモは認められていない。唯一愛国デモだけが許される。愛国デモの代表例は反日デモだ。尖閣諸島の領有を主張するデモが頻発している。しかし画像をよく見るとしばしば場違いのプラカードや幕が見当たる。政府批判と思える主張がドサクサに紛れて現れる。あるいは「釣魚台(尖閣諸島)奪還」とか「宣戦」とかいった主張も見受けられる。
 中国政府としても過度な愛国的主張は迷惑だ。釣魚台が中国領であることは中国政府の公式見解だが宣戦布告などできない。普段抑圧されているだけにデモはしばしば内政批判へと向かう。
 この秋に国家主席が胡錦濤氏から習近平氏にバトンタッチされる。権力基盤が脆弱で内部紛争が起こりそうな時にややこしい問題を起こしたくないというのが中国側の本音だろう。
 そういう時だからこそ日本は意図的にややこしくするべきだろう。前例踏襲ではなく今できるベストの選択をすべきだ。日本の政治家は国内政治の駆け引きには長けているが国際政治対応は本当に下手だ。