俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

美を競うスポーツ(3)

2012-08-14 16:55:43 | Weblog
 約20年振りに新体操を見て驚いた。美女揃いだからだ。美人コンテストかファッションショーかと思うほど美人ばかりだった。なぜこんなに美人ばかりのスポーツ競技があり得るのか。もし運動能力の優劣で選ばれるならこんなことにはならない。多少不細工な選手も紛れ込むだろう。体操やフィギュアスケートやシンクロナイズドスウィミングでは必ずしも美人とは言えない一流選手もいる。
 多分、アイドル歌手や女優や女子アナのように、先ず容姿で選別されているのだろう。容姿端麗でなければ一流選手になれないという前提で、容姿で選ばれた人だけに英才教育が施されているのだろう。
 しかしこれはスポーツとしては歪んだ姿だ。美を競うスポーツは演技の美を競うべきだ。容姿の美は加点要素とはなり得ても優先条件とは思えない。これではスポーツではない、ショーだ。

フードスタンプ

2012-08-14 16:42:25 | Weblog
 日本の生活保護制度は極端過ぎる。受給者は年金以上の金銭を受け取り各種保険金は免除され医療費までタダになる。こんな夢のような生活を提供するのだから受給希望者が殺到して、福祉事務所の仕事が「どれだけ受給者を減らすか」ということになってしまっている。そのために生活保護を受けられなかった人が餓死するような事態まで招いている。
 医療費がタダになることの弊害は大きい。実は生活保護費の50%以上が医療費だ。確かに病気のせいで働けずに生活保護を受けている人もいるが、それにしても異常な数値だ。無駄な医療や薬の横流しが横行しているとしか思えない。
 6月22日付けの「食品券」で生活保護費の一部を食品券にすべきだと書いたが、アメリカにフードスタンプという制度があることを最近知った。月に100ドルほどの食品クーポンが支給される制度で、この制度の恩恵を受けている人は何と毎月4000万人もいるそうだ。国民の1割以上が福祉の受益者だ。
 極貧と貧乏の間には様々なレベルがある。日本では極貧だけを支援する。少数者を極端に厚遇するよりは多くの貧しい人を救うべきだろう。広く深くが不可能な福祉制度なのだから、狭く深くではなく広く浅く支援すべきだろう。

神頼み

2012-08-14 16:28:54 | Weblog
 合格の可能性が30%しか無い難関を突破した人の90%が神頼みをしていたとしたら神頼みが有効だったと考える人が少なくなかろう。確かに結果を見れば神頼みをした人は神頼みをしなかった人の9倍も合格している。しかしこれは統計のマジックだ。
 注目すべきなのは神頼みした人の割合だ。可能性30%なら多くの人が縁起担ぎなどを含めて困った時の神頼みをするだろう。仮に90%の人が何らかの神頼みをしたとする。神頼みには実効性が無いから30%の人が合格し、70%の人が不合格になる。一方、神頼みをしなかった人も同様に30%が合格する。その結果として合格者は神頼みをした人が27%(90%×30%)、神頼みをしなかった人は3%(10%×30%)となる。結局、神頼みした人が90%いたということがそのまま結果に反映されるだけだ。
 これと同じ馬鹿げた話が世に蔓延している。インチキ医療は勿論のこと、厚生労働省認可の医療も確率的には、あるいはエビデンス(証拠)に基づいて検証すれば無意味なものや有害なものが少なくない。風邪や癌や生活習慣病などに対する医療はほぼ確実に間違っている。