俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

テレビ税

2013-08-16 09:04:56 | Weblog
 14日のNHKの夜9時のニュースは酷かった。1時間枠の半分ほどが、非常にくだらない・およそ見るに耐えない、多分、以前にボツになったと思える企画の虫干しだった。スポーツのニュースだけがまともだった。ニュースのネタが無かった訳ではないのにこんなことになったのは社員の多くが夏季休暇で休んでいるからだろう。
 私は労働者の休暇の権利を否定しようとは思わない。しかしノブレス・オブリージュ(高貴な者の義務)ということを考えればNHKの社員の無責任さに呆れる。異様な高給を貰いながら彼らはそれに見合う義務を果たしていない。
 民放ならここまで酷い番組を作らない。どの番組にもスポンサーが付いているから露骨な手抜きをすればスポンサーに怒られる。民放ではスポンサーが個々の番組をチェックしている。
 スポンサーが直接介入することは余り無かろう。多くは広告代理店や営業担当者を通じて要求される。この仲介者の役割が重要だ。彼らは制作者とスポンサーの両者の立場を理解した上で落とし所を探る。
 NHKは受信料収入によって経営をしている。しかしこの受信料は無条件に徴収され実質的にテレビ税だ。国民の負担に基くのだからもっと国民によるチェックを受けるべきではないだろうか。
 スポンサーは諸刃の剣だ。スポンサーのせいで番組が歪められることもあるがスポンサーの目が光っているから露骨な手抜きは許されない。NHKはテレビ税を徴収しているのだから我々は納税者としての権利を行使すべきだろう。NHKによる独断専行を防止するために番組ごとのモニター制が必要なのではないだろうか。職員の給与をほんの少し削減するだけでモニターへの謝礼ぐらいは簡単に捻出できるだろう。

正義の味方

2013-08-16 08:37:48 | Weblog
 日本禁煙学会が宮崎駿監督のアニメ「風立ちぬ」にクレームを付けたことは知っていたがその要望書の内容には呆れ果てた。「この作品は(タバコ規制枠組み)条約違反ということになります」とのことだ。
 これだから自称正義の味方は迷惑だ。自分の側に正義があると信じ込んでいるから気に食わないものは総て悪として否定する。
 こんな馬鹿げた理屈が通るなら、大半の戦争映画は憲法違反であり、漫画の「クロサギ」や「デスノート」などは犯罪幇助ということになる。感情的な反発を正当化するために法律や条約を拡大解釈しているだけだ。煙草を禁止する法律が無いから国際条約まで持ち出して脅そうとする。
 14日付けの「エスカレータ」と同じ排除の論理が感じられる。エスカレータの場合、止まる人は弱者かつ多数者即ち正義であるから、歩く人を強者かつ少数者即ち悪と決め付けるが、日本禁煙学会にとっては煙草=悪であり、煙草を好意的あるいは中立的に扱うことは悪の幇助となるのだろう。こんな幼稚な善悪二元論を使う人の知性を疑う。
 私は種を守るために10年ぐらいは鰻食を自粛すべきだとは考えているが「禁止しろ」とは絶対に言わない。信念の押し付けは途轍もなく傲慢な姿勢の表れであり、各自がそれぞれ判断すべきことだろう。
 昔から「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と言うがこんな連中にかかったら「夏の袈裟はクールビズに背くから禁止しろ」ということにでもなるのだろうか。こういうやり方は「法の悪用」だ。不快なら不快と言えば良いのであって妙な理論武装は品性の下劣さを露呈するだけだ。