俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

高額商品券

2010-08-20 15:28:09 | Weblog
 先日、30万円の買い物をした。一度にこんなに金を使うことは滅多に無い。チケット店で10,000円の近鉄グループ商品券が30枚売られていたからだ。銀行に寄って30万円を引き出して、他の商品券と合わせて30万円使った。
 近鉄グループ商品券は使い勝手が良い。近鉄百貨店、近商ストア、近鉄電車など近鉄グループ各社で使えるからだ。
 その日のうちに近商ストアで2度買い物をした。1度目は100円の第3のビールを、2度目は89円のパンを買った。100円の買い物をすればお釣りは9,900円だ。あっと言う間に元が取れるどころか利益が出る。
 お釣りの出る高額商品券は多少レートが悪くても買う。10万円の近鉄グループ券(10,000円×10枚)を99,500円で買ったこともある。1枚当たり50円の利益が出るから1,000円の百貨店共通券を980円で買うよりもメリットが大きいからだ。
 ところで百貨店共通商品券の相場は一年中で今が一番安い。大阪駅前第3・第4ビルだけでも5店が980円で売っていた。商品券の利用の好きな人はお見逃しなく。

仲間の意見

2010-08-20 15:08:44 | Weblog
 私の通う真田山プールでは、今年は妙にクレーマーが目立つ。ほぼ毎日のように見掛けるがパターンは大体同じだ。本人は水の中にいて係員を呼び付け(もしかしたら注意されたのかも知れない)大声で怒鳴り散らす。勿論、敬語や丁寧語は使わない。
 くだらない内容ばかりだ。「上級者専用のコースを作れ」「平泳ぎのコースを作れ」「オープンスペース(自由遊泳ゾーン)を遊泳禁止にしろ」「オープンスペースを増やせ(減らせ)」などだ。
 多くの場合彼らは仲間や家族と一緒に来ていてその集団を代表する形で主張している。
 彼らの思考形態はこうだ。①自分も仲間(家族)も同じ不満を持っている。②我々の一致した意見は全利用者を代表する正しい考えだ。③正しい考えを理解できないプール管理者は阿呆だ。
 当たり前の話だが、仲間内では利害が一致する。その狭い仲間内での意見を普遍的な真理だと思い込む彼らの偏狭さには呆れ果てる。
 彼らの論拠は「みんなこう言っている」ということだが「みんな」とはどんな意味だろうか。仲間内での意見でしかない。愚か者は自分達の偏見を真理だと思い誤る。
 仲間内での多数意見を絶対的な多数意見となぜ彼らは考えるのだろうか。彼らの所属する集団(ムラ社会的なもの)の意向こそ唯一絶対的なものであり、それに逆らうことは反社会的なことと彼らは考える。
 モンスターペアレントも同じような発想だろう。「子供が怒っている。私も怒っている。夫も怒っている。従って教師が悪い。」と。
 日本人は何と幼児化したのだろう。自分達とは違った利害関係を持つ集団がありその集団は違った欲求を持つということを彼らは想定することさえできないようだ。

七夕

2010-08-17 14:40:03 | Weblog
 七夕伝説によると織女と牽牛(織姫と彦星)は仲睦まじ過ぎたために天神の怒りに触れて天の川を隔てて1年に1回しか会えなくなったとされている。つまり2人共、仕事を放棄してsexにばかり耽っていたから無理やり別れさせられたということだろう。
 性の相性が良過ぎるとこんなことが起こり得る。「一日中エッチしていたい。仕事なんかしたくない。」と考えても不思議ではない。
 殷のチュウ王はダッ己との愛欲生活に溺れ政治を顧みなかったために周の武王によって滅ぼされたと伝えられている。
 しかし実際にはこんなことは滅多に起こらない。精力絶倫の特異体質者以外の男の性行為は1回で果てる。
 私は長年、人間のオスがなぜ1回で果てるのか不思議だった。2回でも3回でもすればそれだけ受精の可能性は高まる筈だからだ。
 こんな男の憧れのような絶倫男は淘汰されたのだろう。狩にも参加せずにsexに励む者には餓死というペナルティが与えられたのだろう。1回で果てるからこそ、男は昼間働ける。1回で果てるということは社会生活を営むためには必要な特性だということだ。

違った目的

2010-08-17 14:23:16 | Weblog
 普通、同じ施設には同じ目的を持った人が集まる。映画館に入る人は映画を見ることが目的だし、遊園地に行く人は遊戯器具で楽しむことが目的だ。
 プールには違った目的を持った人が集まる。そのために施設は無秩序状態に陥る。
 大雑把に分けて3種類の人が集まっていると思える。①泳ぐため②遊ぶため③涼むため。違った目的の人が1つの施設に集まれば、本来の目的とは無関係に多数者の権利が優先される。
 遊ぶために来るのは子供連れや遊び仲間やカップルなどだ。彼らは自分達の集団の楽しみしか見ない。周囲がどれだけ迷惑しようと平気だ。
 涼むために来るのはデブと老人が中心だ。デブも老人も暑さに弱いから水に浸かることを楽しむ。水に浸かっていれば満足なのだから壁際に集まって殆ど動かない。あるいはプールの中央で土左衛門のような姿でプカプカと浮かんでいる。
 こんな状態で泳ぐことは困難だ。どう動くか分からない遊びグループと動かない涼みグループがプールを占拠してしまう。動かないデブがそのデカい図体を晒せば、道路に岩が転がっているようなもので止まらざるを得ない。
 水泳好きにとっては7月と8月はワーストシーズンで6月と9月がベストシーズンだろう。季節外れには遊びグループも涼みグループもプールに来ないからだ。全くもって不合理な話だ。
 水深1.6mで小学生は入場禁止だった大阪プールは京阪神の水泳好きが集まる最高に快適なプールだったと今でも思う。

焼け太り

2010-08-17 14:08:45 | Weblog
 所在不明の高齢者の数が毎日増えている。今日現在何人にまで増えたのか知らないが、神戸市区政振興課の答弁には呆れ果てて笑うことさえできなかった。
 「2007年~09年度に『居住実態がない』と、家族から抹消手続きの申請があったのは約1100件。うち職員が実態確認し、職権で抹消手続きをしたのは252件だけ。実態調査が欠かせないが人手不足で追いつかない。」(8月11日付け朝日新聞朝刊)
 年間僅か400件弱の申請に対して1年当たり84件しか抹消できず、それが「人手不足」とは一体全体どんな過疎地の零細村役場なのだろうか。この程度ならアルバイト1人で充分処理できる筈だ。これが政令指定都市の言い訳とは到底考えられない。12日現在の神戸市の所在不明者のうち6割強の64人が兵庫区に集中しているそうだから兵庫区役所はさぞかし酷い人手不足で過労死が続出しそうな恐ろしい職場なのだろう。
 昔から役人は都合の良い言い訳を使って自己増殖を図って来た。不祥事が起こったら管理監督者の不足、書類を紛失したら事務所が手狭、汚職があったら職員の低賃金と、都合の良い言い訳をしては焼け太りをして来た。今でもこんな嘘が通じると思っている非常識さが怖い。

母子一体感

2010-08-13 15:23:38 | Weblog
 日本には独特の母子一体感があると言う。母子一体感が良い形で現れたら一卵性親子のような仲の良い親子関係に繋がる。しかし悪い形で現れると心中や児童虐待に繋がる。
 西洋人は親子と言えども別の個人と思っているから、親が子を道連れにすることは少ない。心中は殺人と見なされる。日本人は子を分身と思っているから道連れにすることに罪悪感を余り感じない。
 母子一体感が児童虐待に繋がるというのは奇妙な主張かも知れない。私自身もつい最近までこんなことは考えていなかった。大阪市西区の2児置き去り事件の関連で、過去に児童虐待をしたことのある女性へのインタビューがあり「子供は出来物のように思えた」という発言に唖然とした。
 出産能力の無い男には分かり辛い感覚だが理解はできる。自分の体内で腫瘍がどんどん増殖してそのうち分離して独立する特殊な癌細胞のように感じられたのだろう。自分の一部が分離するのだから大便のようなものとも感じられるだろう。
 こういう母子一体感は困ったものだ。そもそも子供は母のクローンではない。DNAの半分は父からのものであり別個の生命体だ。自分から分離したからと言って大便や癌細胞ではない。1つの知的生命体だ。

種族内淘汰(3)

2010-08-13 15:06:08 | Weblog
 種族内淘汰(2)では社会的淘汰について書いたが、もう1つの種族内淘汰として性的淘汰がある。性的不能者や石女だけではなく、伴侶を得られない男女はその血筋が絶たれる。
 相手構わず種付けをしたがるオスは性的淘汰の被害者にこそなれ加害者となることは少ない。種付けの相手を選びたがるメスが「もてない男」を決めて淘汰を進めている。
 動物界で最も有名な歪んだ性的淘汰はクジャクのケースだ。クジャクのメスは尾羽が大きく目玉模様の多いオスを好む。その結果クジャクのオスの尾羽は異常に大きいものとなった。
 この不自然に大きな尾羽のオスは、飛ぶことも早く走ることもできず、しかも目立つから簡単に肉食獣に捕獲されてしまう。つまり性的淘汰において最適者でありながら、生存競争においては最不適者であるとういう矛盾した状況になってしまったためにクジャクは進化の袋小路に陥ってしまった。
 人類において最も危惧されるのは男女の同質化だろう。草食系男子という言葉が流行語になっているように男性の女性化が著しい。しかしかつて「おやじギャル」という言葉が流行ったように女性の男性化はそれ以前から進行していた。
 ファッションモデルは極端に男性化している。小さな胸、貧弱な腰、長い手足、これらは実は男性の特長だ。ジャニーズ系の男性タレントのような女性がファションモデルとして女性から持て囃されている。
 男性の女性化と女性の男性化、つまり両性の同質化は今後益々進むだろう。このことを頭から否定するつもりは無いが、多様性の減少は進化のためには不都合なことだ。

種族内淘汰(2)

2010-08-13 14:44:13 | Weblog
 環境や他の動物との競争に基づいて淘汰が行われるなら進化へと繋がる。力が強いこと、足が早いこと、寒さに強いこと、飢餓に耐えられること、これらは多くの場合適者生存のプラス条件となる。
 ところが種族内だけで淘汰が起こるとしばしば最不適者が増殖することになる。
 カラスは仲間を助ける習性を持っている。しかし仲間を助けない変種が生まれた場合、彼は仲間からは保護され、自らは危険を冒さないから生存の可能性は高まる。しかしこんな変種が増えればカラス族全体としての生存の可能性は減る。
 ヤマト運輸は多くの運送業者や郵便局と競争して信頼される企業に成長した。一方、郵便事業株式会社は信書の独占などで競争しない体質に胡坐をかいていたために内部から腐敗して7月のゆうパックの大量遅配を起こした。
 外と競争せずに内部競争に励めば進化ではなく退化・劣化が起こることが多い。
 外と競争しない組織ではどんな弊害が出るだろうか。世襲が増える。スタンドプレイをする者が評価される。火中の栗には誰も手を出さない。足の引っ張り合いをする。嘘つきが得をする。ゴマ摺りが横行する。苦言を呈する者が疎まれる。
 古代ローマ帝国の時代から「人にとって人は狼」だった。人間同士での競争でどういうタイプが有利なのかは政治家と経営者を見れば良かろう。彼らこそ種族内競争の勝利者だ。
 日本史に目を向ければ、頼朝・義経に情けをかけた平家は彼らによって滅ぼされた。一方、豊臣家を根絶やしにした徳川幕府は長期安定政権を築いた。
 要するにライバルを蹴落としたり滅ぼしたりすることに手段を選ばないような人格的に問題のある人が有利になる。種族内だけでの競争は人を不道徳化する。
 人類こそ最も同族殺しが好きな動物だ。生存のためにだけではなく、たかが宗教やイデオロギーのような理念のために殺し合う最も不道徳な動物にまで堕落してしまった。

時間外手当

2010-08-10 14:55:06 | Weblog
 時間外手当は変な制度だ。これはマラソンで2時間5分で走った人よりも2時間10分で走った人に多くの賃金を払うような制度だ。
 仕事の質に注目するなら当然2時間5分で走った人に多く支払うべきであり、仕事の量に注目するなら同額であるべきだ。
 では2時間10分の人に多く支払う仕組みにはどんな経済合理性があるのだろうか。悪しき平等主義に過ぎない。人間の能力は等しいという偏見があるから、仕事の質でも量でもなく「時間」に対して賃金が支払われている。
 残業の多い人にプレゼンをさせるとダラダラと説明をするために会議まで長引いてしまう。仕事が遅く説明が長いのは要領が悪いからだろう。
 勿論、工場労働者や店員のような現場労働者は時間給で構わない。問題なのは事務員や研究者のような所謂ホワイトカラー労働者だ。ホワイトカラー労働者に対する時間外手当は給与の無駄遣いでしかない。
 もし成果主義を採るなら時間外手当は真っ先に見直されるべきだろう。時間外手当は成果ではなく勤務時間に応じて支給される不公平な制度だ。長時間労働したというプラス評価ではなく能力が足りないとしてマイナス評価されるべきだ。

プールサイドでの読書

2010-08-10 14:37:38 | Weblog
 2つの目的を持ってプールへ通っている。1つは勿論泳ぐためだ。もう1つは読書だ。
 室内でエアコン漬けになって読書するのと比べてプールサイドでの読書はエコで快適だ。暑くなったら目の前のプールで泳げば良い。プール滞在時間の半分ぐらいを読書に充てている。
 昨年の途中までは軽めの内容の本をプールサイドで読んでいた。しかし1度失敗して見直した。全然面白くない本を持って来てしまったために時間配分が狂ってしまったからだ。
 今年はプールサイドでは以前に読んで面白かった本を読み直している。これなら失敗しない。
 今日は竹内久美子氏の「その愛は、損か、得か」を読んでいた。私は彼女の大ファンで、彼女の著書だけでなく監修書や翻訳書まで読み漁っている。当然、充分楽しめたがこの本は非良心的な本だった。3年前に出版された単行本の「千鶴子には見えていた!」と同じ内容だったからだ。
 書店で見つけた時から同じ本ではないかと思ったがどこにも「改題」とは表示されていない。90%の確率で同じ本だと思いながらプールサイド用にと思って購入した。そうでなければ怒る所だ。
 本の読み直しをしていてつくづく嫌になることがある。さっぱり覚えていないからだ。これは決して歳のせいではなかろう。もし読んだ内容を全部覚えていたら学校の試験などみんな満点を取れる。記憶できないことを前提にしてインプットを増やせば、それなりに蓄積もできるだろう。1/10覚えていれば良かろうというぐらいの気持ちでいなければ読書は暇潰しにしかならない。