今朝、けたたましくオレのケータイがなる。
日曜の朝7時といえば、オレにしてみりゃ超早朝だ。
電話の相手は、高校時代の同級生。
彼は今、オレの中では一番つるんでいるだろう同級生グループのリーダー格だ。
最近はオレ以外のメンバーに家族がいるため、年に数度しか会う機会はないが、オレにしてみれば貴重な仲間のひとりである。
そんな奴が、酒の誘い以外に電話するなんて、しかもこんな時間に電話してくるなんて15年ぶりぐらいだろう。
ひとまず、ここではそんな彼を仲間Aとしておこう。
「・・・・・おおおぉ、どうした」
当然爆睡中のオレは、半分寝ぼけ声で対応した。
「朝早くから悪いな、実はさ、、、、、、、」
仲間Aも恐縮気味に話を切り出す。
すると、とんでもない事実が飛び出したあと、次のように話を締めた。
「ガン専門の△△病院に夜▽▽時に集合ってことで。」
実は去年の11月に肝臓の病気で緊急入院した別の仲間Bがいるのだが、実はガンだったという。
オレも年末に見舞いに行ったのだが、年明けには退院できるという報告を受けて一安心していただけに、思わずショックで飛び起きた。
聞けばすでに入院時にはガンであることはわかっていて、仲間Bは、奥さん以外に誰にも話していなかったという。
しかもガンは全身に転移していて、すでに末期状態だという。
同級生、つまりまだ若い年頃だが、壮年世代よりもガンの進行は早いことは、オレでも知っている。
そういえば、年明けに退院できる割には一切連絡がないなとは気になっていたが、オレに連絡がないだけで、きっと元気でやっているものとばかり思っていた。
そんな仲間Bは、時間がないことを察してなのか、意を決して仲間AとAの奥さんに真実を打ち明けたらしい。
仲間AとBは、家族ぐるみの付き合い。
だから、まずBはAにぶちまけたのだ。
Aの奥さんも、ひどくつらそうだったとまで聞かされた。
そもそもその病院は、千葉県人なら誰でも知っている「ガン専門」の病院であり、その病院に入院することの意味ぐらいオレでも知っている。
なのでオレも血の気が引きっぱなしで、Aの話に聞き入った。
高校卒業後の青春時代は、オレと仲間ABC+αでよく遊んでいた。
けんかもしたけど、まあとにかくよくつるんでいた。
そんな仲間が・・・・・複雑な思いだったが、様々と電話しながら懐かしい思い出がよぎる。
で、仲間Aは、最後にオレにこういうんだな。
「あのさー、今日手が空いてるかい?夜は病院で集合だけど、暇ならオレたちと合流しなよ」
「???」
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「いやー、これから仲間Cと朝からパチンコ行くんだわ。」
「・・・・・・・・・・」
返す言葉もなかったが、逆にいえば彼らしい。
夜まで時間があるし、同じパチンコ大好きの仲間Cと時間をつぶすということなのだが。
そこでオレは気づいた。
なぜ、朝7時過ぎに電話がきたかの理由を。
ヤツらは、朝イチでパチンコ屋に行くため、この時間で連絡を取り合ったのだ。
そして、オレも行くかと思って連絡したに違いない。
思えば、15年くらい前なら、こんな電話は毎週だったな。
「・・・・・お、おぉ午後行けたら行くよ」
知りたくない真実とは、突然色々な形で(複数)知ることになる