Naked a STYLE (サブログ)

映画レビュー、ニュースネタを中心に、自身のメンタルチックな話題を絡めて、ノージャンルで書き綴るぜぃ~

映画 「夢売るふたり」 レビュー

2012年09月22日 15時06分53秒 | Weblog


映画 「夢売りふたり」 (R15+) レビュー

(まだネタバレなし)



この映画は、9月第二週に封切りされたものだが、二週間後の平日に観てみた。
人生初の平日鑑賞だったのだが、平日でも映画館って思いのほか混んでいる施設だということも知った。


観衆の多くは、ドロップアウト・・・・いや仕事人生を終えた人らが7割、あとは学生とかニートが占めている。
この映画に至っては、意外にも老夫婦や熟年カップルがほとんどで、オレの隣も熟年の不倫風カップルで、気持ち悪さがありながらもちょっと雰囲気が面白かった。


この映画館では、1日2回しか上演しなくなったが、客の入りは8割以上でまだまだ人気のようだった。
さて、早速レビューをしよう。


この映画の評価については、評価できるポイントが大きく3つあり、評価できないポイントも3つある。
まず評価できるところとして、


さすがの阿部サダヲ、情けない男を演じたら日本で指折りの男優であることを再認識できたということかな。
このキャラクターを他人が演じられるかと言ったら、なかなか思いつかない。


なにより、終盤訪れる「とある工場でのシーン」では、どこまでこんな性格なの?という役どころを見事に演じきっている。
そして二つめの評価として、キャスティングだ。


メインの夫婦以外には、カギを握る騙され役の女性3名(鈴木砂羽、田中麗奈、木村多江)を除き、有名俳優は全てチョイ役で出演していることだ。
有名俳優であるチョイ役の出現や絡みにより、ストーリーに物凄い変化を与えてくれ、いわゆるアクセントが入るということで、つまりは飽きさせない。


そして忘れちゃいけない「松たか子」の存在感だ。
阿部サダヲとの作品なら、どうしても喜劇的なキャラのイメージを持ちそうだが、多くの体を張った演技に目を丸くした。


ストーリーは喜劇的だが、それぞれのキャラクターは喜劇でない。
阿部サダヲだけ眺めていると喜劇に感じるのかも知れなくなるところを、彼女の存在で生活感が滲み出てシリアス感をも漂わせる。


特にフォークリフトを彼女が運転するシーンがあるのだが、1日2日で出来る腕こなしに見えなかったし、そのシーンに秘めた雰囲気は覚悟やその思いを見事に演技して演出されていてよかった。


正直、あのフォークのシーンは、男として惚れる。


女である箇所、冷徹である箇所、夫へ注ぐ愛情、オンナの勘・・・・
男として何かを思いなおすような女性を表現していたと思う。


で、評価できないところのひとつとしては、
「そのシーンは何を意味しているのか?」


ネタバレになるので多くは、次のネタバレコーナーで語るが、ちょっと不可解なシーンがいくつかあった。
特にあるひとつのシーンについては、そこがストーリーの根幹にも影響するようなことのはずなのに、結局最後まで、その答えがなかったこと。


もうひとつは、なぜ「達成したのに?」ということだ。
ネタバレになるので、ここでは語れないが、ただオレの読解力が悪いだけなのか??


あ、最後にエンドロール情報を。
サプライズはないので、暗転したら席を立ってOK。


最後の最後に「音だけ」音声が入るけど、エンディングの音声の延長だから問題なし。
ちなみに「え?ここで終わるの??」って感じだったけどね、個人的には、その続きも知りたかったけど(笑)


で、最後のコメント。
オレの評価点は75点


伝えたかったことや、場面場面での意味はわかるんだけど、謎が多すぎるので一部モヤモヤが残る。
キャスティングや個々の演技は最高だったのに、ストーリーだけで減点してしまう作品だっと言える。



夢売るふたり - goo 映画



夢売るふたり - goo 映画



夢売るふたり - goo 映画






「ここからはネタバレ編」


なお、これから語ることについては、誰かオレへ教えてくれ!というメッセージを含む。
だから、マジでオレへ教示してくださる方は、ここかアメブロへコメントしてほしい。
オレの理解不足であることとしたいのでね。



そもそもの疑問として、松たか子演じた里子とは結婚していたのか?
早めのシーンで、前の奥さんがどうのとかあったけど、雰囲気では内縁関係のようにも映ったからだ。


まあ、ストーリー上、結局旦那役の貫也は、女なしでは生きられないし里子無くしてダメ野郎だということはわかっていることだし、里子自体も貫也を捨て切れず、なんだかんだ言っても二人は切っても切れない関係だということに変わりがないので、どーでもいいことではある。


ちなみに、goo映画のあらすじでは「妻の里子」として紹介している。



まずは、多くの観覧者が最大の疑問であろう
「里子は、ガンだったのか?ガンになったのか?」ということ。


詐欺をするうえで、里子がガンになった(大病を患って)設定を演じていたのだが、劇中ではそれを窺わせるシーンもあった。
それは、里子ががんなどの病理辞典を読み漁りながら、下腹部をさすりながら悶絶していたシーンだ。


まさかあの流れで、悶々として自慰行為をしていたわけじゃあるまい。
貫也からの連絡を待っていたことは事実であるから、お金のためにとはいえ、自分以外の他女とイタしている貫也を想っての行為(演出)だったのかもしれないので、もしかしたらそうなのかも知れないけど。


あの病理辞典は、単に詐欺行為を充実するための勉強道具であったとするなら、後者は成立する。
でも劇中にその答えはない。


それの延長としてなのか、里子が生理用品を付け替えると言ったシーンもあったが、ここもどんな意味があったのか、オレの中ではつながらなかった。
もし、彼女がガンであるなら、二人の店を作るという目標に大きなひびが入ったはずだし、最後にフォークリフトを運転することもなかっただろうから。



二人が目標達成のために、二人が雇われ店舗で働き始めたときはガラガラだったが、最後は大繁盛になっていた。
結局二人が展開する小料理屋は繁盛するんだということを、彼らはどこまで知っていたのだろうか?


あれだけの能力があることをお互い気づいていれば、詐欺に走らずとも、もっと地道に働けたろうしお互い幸せだったと思うんだけど。
もしくは・・・わかっていたのかな。



そして、最大の疑問。
貫也が服役した理由は何だったのか??


詐欺の延長でかまっていた子供が、面白がって興信所員を刺してしまうシーン。
あれは、母親以外、誰が刺したかは分かっているはずなのだ。


まあ、貫也が子供をフォローするために虚偽の報告を警察に説明するシーンまではあったがね。
貫也以外、誰も本当のことを話さなかったのだろうか?


まあ、真実が分かっても服役することは間違いなかったんだけどさ。


コメント
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