今、外へ出て近くを散歩してみた。
「キリギリス銀座」とも言うべき原っぱの傍を通ると、聞こえて来ましたあの音が。「ギーチョン」という懐かしい音、今年初めて聞くキリギリスの鳴き声である。
8703は30歳代まで、夏の趣味の一つが「キリギリス捕り」であった。音だけを頼りに、そろりそろりと近づき、まずは姿を探す。キリギリスの姿を発見したならば、しばらくは鳴き声を聞きながら作戦を練る。
捕獲作戦が決まったならば、即決行。最も確実なのが、昔、農家には必ずあった網の目模様の丸い容器(名前を失念)を使っての捕獲であった。8703が子どもの頃、夏休を過した母の実家(由仁町三川)で覚えたことである。
年齢と共に根気が無くなったことと、以前のように簡単に捕獲できるような場所では鳴かなくなったこと等の理由で、キリギリス捕りはやめた。
キリギリスを捕獲して雪が降るころまで家の中で飼育したり、蛍を草と一緒に虫篭に入れて枕元に置いて眺めたり、幼少期の体験は貴重である。幼少期を田舎で過せたことは幸いであった。
8703の心の故郷は、私が誕生した場所でもある由仁町三川と4歳から6年間過した栗山町雨煙別である。4歳まで過したのは夕張市なのだが、そのころのことは殆ど記憶に残っていない。