ベルのきもち

日常のささやかな幸福感を書いていきたいと思います。

スウェーデンミステリー『催眠』

2013-12-19 15:27:34 | 本の紹介
byラーシュ・ケプレル。ヘレンハルメ美穂訳。早川文庫。

覆面作家ラーシュ・ケプレルのデビュー作。
後に純文学的な小説の作家、アレクサンデル・アンドリル&アレクサンドラ・コエーリョ・アンドリル夫妻のペンネームだと判明。

ストックホルム郊外で起きた一家惨殺事件。夫婦と幼い娘は残忍は方法で殺され、15歳の長男が意識不明の重体で発見された。
一家にはほかに独立して家を出た長女がいるが、行方不明。長女が狙われるかもしれないと、リンナ警部は催眠療法の権威、
精神科医バルクに依頼、催眠療法で意識不明の長男から犯人につながる証言を引き出そうと試みる。
ところが、その証言は予想外の衝撃的なものだった。
実はバルク医師は10年前、ある事件が起きたことからもう2度、催眠療法はやらないと封印していた。
しかし今回、長女の命を守るため、誓いを破り、催眠療法を再開したことで・・・つぎつぎと恐ろしい出来事が起こる。
冬のスウェーデンを舞台に、バルク医師と妻の確執、葛藤、揺れ動く家族愛、心情描写が自然の美しい描写と比喩に絡め、たくみに描かれている。