名古屋城へ鳥撮りに行く途中、
貨幣資料館で「広重 六十余州名所図会」を見に行くと、
以前から見に行くと決めていた〈吉田博 木版画展〉が
2/26日迄だとフライヤーで知って(すっかり開催期間を勘違いしていた…汗)、
どうしようか迷ったが、鳥撮りの後でも十分間に合うので、
本日、見に行くことに決定!!
お城の鳥撮りは、シロハラ・ジョウビタキ・アトリに続いて
今回はシジュウカラを撮ることが出来ましたが
写りはイマイチでした。
それで本題の〈吉田博 木版画展〉ですが、
名古屋では名古屋ボストン美術館で開催中なんですが、
現在、全国巡回中の〈生誕140年 吉田博展〉とは別で、
MOA美術館の所蔵の86点を展示した企画展となります。
個人的に吉田作品との出会いは意外と遅く、
多分10年くらい前に古本屋で見つけた
〈山の絵本〉という画集を見て、一目惚れをしてしまいました。
その本の作品は題名の通り山の風景ばかりを集めた
作品集でしたが、とても色使いが繊細(モダン)で、
写実的な描写は、明らかに浮世絵や錦絵とは流れが違い、
西洋絵画に影響されたような表現(センス)で、
これが作られた時代と木版画というのが
ちょっと信じられなくて、
けっこう衝撃を受けたのを覚えています。
その後、その作品は日本ばかりか世界の各国の風景が
描かれているのを知り、さらにその作品と
氏の行動力に驚くことになりました。
ただ実際に現物の作品は全然見たことが無くて、
ようやくこんなに沢山の作品をまとめて見られて、
今は改めてその凄さを再確認できました。
実際に作品を見て思ったことは、
その空気感の表現力の凄さにつきました。
描かれた場所場所の季節感と、
朝昼夕夜の微妙な光の変化が
一枚一枚の作品に見事に表現されています。
それがまた木版画というのが更に凄いんですね!
今回初めて知ったんですが、
吉田博の版画では、多いものでは
一枚の絵で百版近くの版が彫られ、
色が重ね摺られていたんがそうです。
色使いが微妙(淡い色が多い)で、
さらにグラデーションも多用しているので
彫師も摺り師も大変な作業だったことだと思います。
写実的で美しい絵が多いので、
もっともっと人気が出ても良い画家だと思います…
● 吉田博 木版画展 ● 吉田博 展(全国巡回展)