某ブロガーの紹介文を読みすぐに借りてきましたが
メチャクチャおもしろかったです。
こんな今だからこそ再上映か
TV放映をぜひして欲しい作品ですね。
フクシマ以降の今観ると、原発に関する一言一言が
本当に身にしみて感じられます。
話は東京都知事(役所広司)が都内に原発誘致を
提案するところから始まります。
原発研究者の大学教授を招き都庁会議が開かれますが、
今さらながらに、現在の原発のあり方や、
電力会社のつくるデータのレトリックや矛盾を、
会議を通して分かりやすく知ることが出来ます。
とはいってもタッチはコメディ風仕立てで
笑いと背筋の寒さを同時に感じながらの展開です。
そしてストーリーは都庁内の混乱とは別に、
爆弾マニアの少年による
プルトニューム燃料輸送車のカージャックへと、
予期せぬ事態へ進展して行きます…
この映画が発表されたのは2004年でしたが、
この時期にこれだけはっきり原発に
もの申す映画が撮られていたのにちょっと驚きました。
個人的にはおぼろげにしかこの作品に関する記憶が無くて、
ひょっとして色んな意味で例に漏れず、
電力会社の圧力がかかっていたのかなとか思ってしまいます。
当時の印象の薄さはどう考えても情報量の少なさ、
盛り上がりの無さから来ているとは思いますが…
ただ、ひょっとして当時この作品を観ていても、
問題意識を再認識することはあっても、
それ以上の何かは起きなかった気はします。
ところが当たり前ですが、
これが有事後ではまったくリアリティが
違ってしまうのが怖いところで、
だからこそ今観るべき作品かと思います。
テーマはもちろんですが、俳優も役所広司さんを
囲む役者はくせ者ぞろいで皆さん魅せてくれます。
カージャックまでの展開に若干の強引さはありますが、
それでも脚本はしっかりしていて、
輸送車に仕掛けられた爆弾処理までのハラハラドキドキや、
事が起こった際の対応の拙さに吹き出しちゃいますが、
そんなブラックジョークを交え、
見事なエンターテイメントに仕上がっているのに拍手です!
特に爆弾処理後の都知事の一言は、
当たり前の一言ですがこれも今聞くと、
当時の原発に対する認識や日本人を最大限に皮肉っていて、
尚かつフクシマを示唆していたかのようで
ぞっとさせられます!!
オマケですが、原発に限らず有事の際の対応は
キッチリとまでは言わないが、
あたふたしない程度の対策くらいは、
最低限、国が考えていて欲しいものですね…現実的に。
「東京原発」オフィシャルサイト