14年前北京で30分並んだプーチン大統領が
今度は「最重要人物」になったわけ
各国首脳の北京五輪出席は3分の1以下に激減
米国の圧力で中ロ関係が深化
2008年8月、北京夏季五輪開会式に出席するため中国を訪れたロシアのウラジ―ミル・プーチン大統領は、胡錦濤国家主席(当時)に会うため、30分間も並ばなければならなかった。昼食会も単独ではなく、他の首脳らと共に行われた。100人近い各国の首脳との違いは、江沢民元国家主席に会ったことくらいだった。
14年の歳月が流れ、冬季五輪開会式に出席するため、再び北京を訪れたプーチン大統領に対する中国の態度は、当時とはずいぶん違う。習近平主席は開会式が開かれる4日、プーチン大統領と単独で会談し、エネルギーや金融、宇宙など15分野にわたる協定に署名した。
何が変わったのだろうか。最も直接的な変化は、開会式に出席する各国首脳の数が激減したという点だ。ブルームバーグ通信の報道によると、今回の五輪開会式には21カ国の首脳らが出席する。ロシアをはじめサウジアラビア、エジプト、カザフスタン、カンボジア、アルゼンチンなどだ。一人の指導者が数十年間長期政権を維持しているか、非民主主義体制の国が少なくない。米国のジョー・バイデン大統領が世界主要国に今回の五輪に対する「外交的ボイコット」への参加を呼び掛けたため、先進7カ国(G7)首脳は全員開会式への出席を見合わせた。14年前の開会式に米国やフランス、韓国など68カ国の大統領・首相ら首脳が出席したのに比べると、3分の1にも満たない。今年初めから全世界に広がっているオミクロン変異株も、各国首脳らが開会式への出席をためらう要因となった。
「外交的ボイコット」という西側諸国の故意的無関心の中、習主席とプーチン大統領の密着がさらに際立っている。プーチン大統領は北京に到着する前日の3日、中国の国営通信社の「新華社通信」に「ロシアと中国-未来を見据えた戦略的パートナー」という文を寄稿した。同文でプーチン大統領は「新しい時代に入り、包括的パートナー関係と戦略的協力の両国関係は前例のない水準に達し、効率性や責任感、未来に対する熱望のモデルになったことを高く評価する」と述べた。プーチン大統領が強調したように両国は2001年「善隣友好協力条約」を結び、「戦略的パートナー」関係を深めている。米国は日本や欧州、オーストラリアなど同盟国とともに経済・軍事的に中国に対する圧力を強化しており、ロシアは北大西洋条約機構(NATO)を前面に出した米国と欧州勢力に立ち向かっている。このような時こそ、中ロが一致団結し、米国主導の国際秩序を中国とロシアがそれぞれ世界秩序の一軸を担う多極体制に変えていこうとする意図が読み取れる。
冷戦時代、共産主義陣営で激しく対立した「中ソ紛争」はすでに遠い昔の話で、中国とロシアは米国と欧州など民主主義勢力に対抗する「カンブ(ドラマ「イカゲーム」に登場した言葉で、遊びで同じチーム、信頼を置く友達の意味)の関係」に両国関係を発展させる姿を見せている。このように、中国はウクライナ危機と関連して、積極的にロシアを後押しする行動を取っている。中国の王毅外相は先月27日、アントニー・ブリンケン米国務長官に「安全保障に対するロシアの憂慮を重視し、問題を解決しなければならない」と述べ、31日に開かれた国連安全保障理事会でも、中国はロシアの立場を代弁し、米国を牽制する動きを見せた。
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