戒厳で用意された実弾は5万7千発…
帰還中だったヘリで特戦司の兵力を追加投入
12・3非常戒厳で国会に投入された兵士は武装していなかったと尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は主張したが、戒厳軍は当日、5万発を超える実弾を用意していたことが捜査で明らかになった。また、国会封鎖が難航していたため、キム・ヨンヒョン国防部長官(当時)はヘリで部隊に帰還中だった特殊戦司令部の国会への追加投入も指示していた。
野党「共に民主党」のチャン・ギョンテ議員が5日に法務部から提出を受けたキム前長官の起訴状によると、非常戒厳当日の昨年12月3日に特殊戦司令部、首都防衛司令部、情報司令部が用意していた実弾は少なくとも5万7千発あまり。特戦司の第1空輸(空挺)特戦旅団は、隷下の大隊の小銃用実弾5万400発を弾薬輸送車両に積載していた。旅団長の指揮車両には小銃用実弾550発、拳銃用実弾12発を積載していた。707特殊任務団も小銃用実弾960発、拳銃用実弾960発を用意して国会に出動していた。
首防司の第35特殊任務大隊の先発隊は先月3日午後11時10分ごろ、普通弾2460発などを中型バスなどに積載して国会に出動した。彼らが持参した武器の中には曳光弾320発、閃光爆音手りゅう弾10発も含まれていた。首防司の第2特殊任務大隊の隷下部隊も、ドローンジャミングガン1丁、普通弾1305発などを持参して国会に出動した。首防司軍事警察団の先発隊も普通弾888発、狙撃弾40発などを所持して国会に向かった。情報司令部も1人当たり10発ずつ、計100発の実弾を用意し、京畿道果川市(クァチョンシ)の中央選挙管理委員会に出動した。尹大統領は先月12日の国民向け談話で、「実武装していない兵力では、あの広い国会の空間をかなりの期間にわたって掌握することはできない」と主張しつつ内乱容疑を否定したが、相反する状況が検察の捜査で明らかになったのだ。
また、キム前長官は先月3日午後11時50分ごろ、クァク・チョングン前特殊戦司令官に「第707特殊任務団の兵力を国会に追加投入し、封鎖業務を支援せよ」と指示していたことが明らかになった。クァク前司令官が現場の指揮官に指示すると、707特任団の兵力を国会に送り届けて部隊に帰還中だった特殊航空作戦団の12機のヘリは、京畿道利川市(イチョンシ)の陸軍特殊戦司令部に立ち寄り、101人の兵士を搭乗させ、国会に再び移動した。その結果、国会に投入された707特任団の規模は197人となり、当初の2倍を超えた。
尹大統領は先月12日の国民向け談話で、「小規模の兵力を国会に投入したのは、国会関係者と市民が大挙して集まることに備えて秩序を維持するため」だったとして、「国会を解散させたり機能をまひさせたりしようとしたものではないことは自明だ」と主張していた。だが、戒厳当日にヘリコプターの行き先を変更させ、特戦司の兵力を追加投入するほど「国会の封鎖および解散」に総力を注いでいたのだ。
編集者注:起訴状に記された被告人の容疑は裁判を経て無罪か有罪かが最終判断されます。最終的に判決が確定するまで、被告人は無罪と推定されます。
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