朝三暮四式の韓米合同演習を「同盟の再建」と広報…
過度に意味づけする韓国軍
8月の韓米合同演習に関する韓国軍の過度な広報
1年間分散実施してきた13の訓練をまとめただけなのに
大規模な野外機動訓練の復活?…規模は変わらず
韓米は今年後半期の両国の合同演習「乙支自由の盾」(UFS・乙支フリーダムシールド)を22日から来月1日まで実施する。韓国軍当局は16日に発表した報道参考資料で、「かなりの間、縮小・調整して施行されてきた韓米合同演習と野外機動訓練を正常化することで、韓米同盟を再建し、連合防衛態勢を強固に確立する」と説明した。
軍当局は「今回の演習ではコンピューター・シミュレーションに基づいた指揮所演習に限らず、梯隊・機能別に戦術的水準の実戦的な連合野外機動訓練も並行する」とし、「今回の演習期間中に合同科学化戦闘訓練(旅団級)、合同大量破壊兵器除去訓練(大隊級)など計13の合同野外機動訓練が行われる」と説明した。これをもとに「4年ぶりに大規模な野外機動訓練が復活する」という報道が相次いだ。
だが、これらの訓練の内容を詳しく見ると、「大規模な野外機動訓練の復活」は事実とは程遠い。13の訓練は別途の訓練が新設され追加されたわけではなく、これまで行ってきた訓練だ。個別に行っていた13の訓練を今回の合同演習期間に集中的に行うため、「復活」とは言えない。分散施行しても、今回の合同演習とともにまとめて実施しても、年に13回訓練を行うことには変わりがない。一種の朝三暮四だ。
13の訓練のうち、大規模な野外機動訓練といえるほど規模の大きい訓練はない。そのうち12の訓練は大隊級の小規模のものだ。数千人が参加する旅団級以上の訓練は「合同科学化戦闘訓練」だけだが、韓国軍がほとんどで、米軍は米本土から参加する兵力なしに在韓米軍所属中隊級数百人が参加するという。7月15~18日に江原道麟蹄(インジェ)の陸軍科学化戦闘訓練団(KCTC)で、韓国軍2旅団4300人余りが旅団戦闘団を構成し互いに交戦する双方訓練を行っており、在韓米軍から2歩兵中隊約300人が参加したことがある。
朝鮮半島全体を戦場状況とする全区間級韓米合同演習は、上半期(3月)と下半期(8月)に分けて年2回行う。文在寅(ムン・ジェイン)政権よりもはるかに前から、3月には大規模な兵力と装備が参加する野外機動訓練(FTX)とコンピューター・ウォーゲームを利用した指揮所演習(CPX)を共に行い、8月には野外機動訓練なしに指揮所演習を中心に実施してきた。合同参謀のホームページでは、合同演習について「コンピューター・シミュレーションによって作られた戦場状況の下、指揮官および参謀が作戦遂行手続きの熟達に重点を置いて遂行する」と説明している。今回の合同演習も指揮所演習を中心に行い、防御(1部)・反撃(2部)のようなシナリオと訓練範囲などは例年と大差ないという。
軍当局は、以前から行ってきた訓練を今回集中的に行いながら「韓米同盟の再建」や「韓米合同演習と野外機動訓練の正常化」のように、過度に意味づけしているわけだ。文在寅政権当時、軍当局は指揮所演習を実施するだけで韓米合同態勢を点検する意味があり、指揮・統制・通信・情報装備を統合して運用すれば、実際の兵力を起動させなくてもそれに準ずる訓練効果を上げることができると説明した。5月の政権交代以後がらりと変わった軍当局と国防部の言動から、「風よりも早く傾く」(キム・スヨン「草」)という詩が思い浮かぶ。
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