韓国裁判所、三菱重工に渡る現金を差し押さえ…
強制動員被害者への賠償の道開くか
日本の三菱重工業が、日帝強占期(日本による植民地時代)の強制動員被害者に対する賠償判決を履行せずにいる中、韓国地裁が同社に渡る韓国企業の現金を差し押さえたことが明らかになった。強制動員被害者が実際に賠償を受け取れる可能性が高くなったとの評価が出ている。
18日の本紙の取材などを総合すると、水原(スウォン)地裁安養(アニャン)支部は12日、強制動員被害者1人と死亡した被害者3人の遺族が今月初めに三菱重工を相手取り、同社が韓国国内の会社から受ける物品代金に対する債権を差し押さえてほしいとして提出していた差し押さえおよび取り立て命令申立てを受け入れた。韓国国内の会社はLGグループ系列会社のLSエムトロンで、トラクターのエンジンなどの部品を購入した代金8億5千万ウォン(約8050万円)を裁判所が差し押さえたことが分かった。この金額は、判決で確定した被害者4人の損害賠償金約3億4000万ウォン(約3250万円)と遅延損害金、執行費用などを合わせた金額だ。差し押さえの効力が発生したことで、LSエムトロンは18日から三菱重工に送金できなくなった。
今回の差し押さえは、2018年の最高裁(大法院)の三菱重工に対する損害賠償確定判決に基づいたもの。強制動員被害者と遺族は2012年10月、三菱重工を相手取って損害賠償訴訟を起こし、2018年11月、韓国最高裁で勝訴判決を受けた。最高裁は当時、「被害者の損害賠償請求権は、日本政府の不法な植民地支配と侵略戦争遂行に直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とする強制動員被害者に対する慰謝料請求権で、1965年の韓日請求権協定の適用対象に含まれない」とし、三菱重工の損害賠償責任を認めた。
しかし、三菱重工は強制動員被害者問題などが「韓日請求権協定によって完全かつ最終的に解決され、いかなる主張もできなくなったと理解している」とし、判決を履行してこなかった。
強制動員被害者と遺族たちの法律代理人は、三菱重工による判決に沿った賠償金の支給と謝罪を要求している。イム・ジェソン弁護士ら代理人は「三菱重工が判決履行を拒否した場合、差し押え債権に対する取立て命令に基づき、LSエムトロンから直に取り立てる予定だ」と明らかにした。
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