韓国立法調査処「福島産水産物の輸入制限拡大まで視野に入れるべき」
政府に国際海洋法裁判所への提訴の検討求める
日本の福島原発汚染水の海洋放出計画に対する韓国政府の対応が激しい議論を呼んでいる中、韓国の国会立法調査処は政府に日本産の水産物輸入制限の拡大まで視野に入れた強力な対応を求めた。立法調査処は国会議員の立法活動を支援する超党派的な国会専門機関だ。
立法調査処は31日に発表した報告書「イシューと論点-福島原発汚染水の海洋放出にともなう水産業への影響と対応案」で、「政府は放射能汚染水の放出に関する主要措置について、日本政府に透明な情報公開とともに近隣国である韓国政府との協議を強く求め、必要ならば日本産水産物の輸入制限措置の拡大だけでなく、国際海洋法裁判所(ITLOS)への提訴も視野に入れなければならない」と主張した。
立法調査処は、福島原発汚染水の海洋放出をめぐり国内で安全性と影響予測の信頼性の論議があることについて、まず日本政府の責任を指摘した。日本政府が関連資料を透明に公開し、周辺国の政府と十分に協議しなかったことに起因する側面がある点を明確にしたのだ。このため、日本政府に関連資料の透明な公開協議システムの構築とともに、検証の強化を求めるべきだと強調した。
福島第一原発の敷地には3月9日現在、放射性物質が含まれた汚染水133万立方メートルが保存されている。日本はこの汚染水を多核種除去設備(ALPS)で国際基準に合わせて処理し、同設備で処理されないトリチウムは基準値の40分の1の濃度に希釈して海に放出する計画だ。
このように放出される汚染水の放射性物質が海でどのように拡散するかに関する予測は、周辺国である韓国と中国で主に行われている。直近のものでは、韓国原子力研究院と韓国海洋科学技術院が、汚染水中のトリチウムが4~5年後に済州(チェジュ)海域に流入し、極低濃度では放流2年後にも流入する可能性があるという共同シミュレーション結果を2月に発表した。しかし、このようなシミュレーション分析は、多様な放射性物質(核種)が生物体の食物連鎖に乗って蓄積され移動する過程は考慮していないという点で限界がある。汚染水の放出が環境と健康に及ぼす影響を全て示すことはできないということだ。
立法調査処はこのような分析結果と関連しても「放出した汚染水が韓国に到達する時期について多様な研究結果が提示され、混乱を引き起こしている側面もある」としたうえで、研究方法と結果に対する客観的な検証の必要性も提起した。汚染水を拡散させる海流の流れと強さが季節によって異なるため、放出の時期と一定期間の放出量によって国内海域への到達時期と濃度が変わりうる点に留意すべきという指摘だ。
立法調査処は報告書で「汚染水の放出は水産業への被害だけでなく、水産業の関連産業、観光分野にまで影響が及ぶ恐れがある」とし、「仮称『福島原発汚染水の海洋放出にともなう水産分野への被害対策特別法』の制定を通じて汎政府レベルの対策委員会を立ち上げ、被害対策の総合計画を樹立・施行し、関連予算を確保するための根拠作りを急がなければならない」と勧告した。
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