イライラしていたり、怒りが収まらなかったり、不安や落ち込みでうつ的な状態だったら、ジョギングをすることをお薦めする。
もちろん、ウォーキングでも構わないが、体に負荷をかけるほうが、丈夫になるので、出来ればジョギングがいい。
そして、ただやるのではなくて自分の体の状態を観察しながらやる。この自分の体を観察しながら動くのは、仏教の瞑想の一種である。瞑想は必ずしも坐禅だけに限らない。ジョギングしながらでも、仕事をしながらでもできる。
ジョギングしながら体の観察をすること。それができるようになれば、日常生活でイライラした時にも役に立つ。
まずはジョギングの基本と、それに関する体の働きについて述べる。
ウォーキング・ジョギング・ランニングは、有酸素運動である。これに対し、100m走のように全力疾走をするのは、無酸素運動となる。
無酸素運動は、呼吸しながらでは間に合わないくらいのハードな運動である。
有酸素運動は、呼吸をしながらできるくらいの緩やかな運動で、体内に蓄えられている脂肪を燃焼させる。
有酸素運動をする場合、最初の20分は、血中に含まれている脂肪を使う。20分を超えて運動する場合に、内蔵脂肪・皮下脂肪が使われる。
有酸素運動は筋肉をつけるというより、心肺機能を高め、また脂肪を燃焼させることを目的として行われる。だから、筋肉をつけようとすれば、無酸素運動をしなければならない。筋トレである。
ジョギングをすすめる実質的な理由は、ウォーキングとジョギングを同じ時間した場合、ジョギングの消費カロリーはウォーキングの約2倍に達するからである。
また、ウォーキングとジョギングの大きな違いは、足と地面の関係にある。
すなわち、ウォーキングは、必ず片足が地面に付いているのに対し、ジョギングは、両足が宙に浮いている瞬間がある。
そのため、ジョギングが、体、特に骨に与える衝撃は、ウォーキングの比ではなく、衝撃が与えられた骨は太くなり丈夫になる。
ところで、ジョギングとランニングの違いについてであるが、単に運動強度の違いである。ランニングのほうが強度が強い。ジョギングは、話ができる程度のゆっくりなペースの走り方で、ランニングは、息切れする一歩手前の走り方である。
呼吸法については、「二回吸ってて二回吐く」やり方がいいという人がいるが、その点に関しては、どのようなやり方でも自分のやりやすい方法でやればいい。
問題は、呼吸が上がらないように注意することである。呼吸があがってしまうと、無酸素運動に変わってしまうからである。
内臓脂肪や皮下脂肪を燃やすには20分以上走るのが効果的なのは既に述べた。しかし、ペースが速すぎるとバテてしまう。
そこで、重要になるのは、ゆっくり、長時間、走り続けることである。
長時間走り続けることによって、筋肉の持続力や内臓疲労に対するする抵抗力、耐久力は向上する。心肺機能を高め、最大酸素摂取量を向上させることができる。ゆっくりのスピードで、40分以上行うのが理想である。
次に、体の観察方法についてである。
基本は、ジョギング中の自分の呼吸がどうなっているかを観察すること。
呼吸は酸素と炭素ガスの交換である。炭素ガスが体の老廃物になる。そこ交換を円滑に行うように注意して行う。
次第に、ジョギングのリズムと呼吸のリズムが同調してくる。同様に、心拍数のリズムも一定になる。
そうすると、セロトニン神経が活性化し、気持ちが落ち着いてくる。