経済産業省は、新潟県沖での天然ガス(メタンハイドレート)の試掘を発表した。
良質なメタンハイドレートが日本海側に埋蔵されていることは、かなり前から分かっていた。しかし、日本が独自のエネルギー資源を得ると、世界(アメリカ)の外交上の戦略が大きく変わる。そこで、政府は埋蔵の事実を知りながら、そのまま放置していた。
具体的には、アメリカをはじめとする石油資本が、日本の天然資源獲得に無言の圧力をかけていたというわけである。
しかし、去年の地震で、原子力発電が使えなくなり、日本のエネルギー政策が大きく転換する。
電力会社は原子力発電の穴埋めをするために、火力発電を使わざるを得なくなったのである。火力発電には、石油、天然ガスが必要である。日本は足元を見られて、高い値段で買わされている。
そこで、政府は資源国の暴利を牽制するために、今回の試掘をおこなったと思われる。
「日本で天然ガスの開発をして、お前らから買わないぞ」という脅しである。今回の試掘によって、外交上の戦略が微妙に変化するだろう。
メタンハイドレートは、植物等の化石ではなく、地球の内部にあるマグマに関連してできたガスだとの説がある。
その説によれば、地球がある限り、無尽蔵に採掘できる可能性がある。
もし、そうなれば、日本は最強の国家になる。技術と資源の両方を手にするからだ。
メタンハイドレードの研究・開発については、青山繁晴氏が大きく関わっている。彼は、昔からそれについて、いろいろな提言をしていた。それがやっと現実になりそうである。
【青山繁晴】メタンハイドレートの可能性と既得権益の壁[桜H23/6/24]