フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

神話について

2010年06月17日 00時35分30秒 | 社会・政治・思想哲学

 レヴィ・ストロースは「神話は無意識のおこなう思考である」という。レヴィ・ストロースの神話の解釈は分かりづらく、必ずしも納得のいくものではない。しかし、神話が無意識と関係していることは否定できないだろう。
 今日、神話について話をしていたら、神話は非科学的な昔の人の作り話だみたいなことをいわれたが、たしかに、普通に考えたらそうだろうなぁと思う。神話は話のつながりがなく荒唐無稽な展開が多いからである。意味がさっぱり分からない場合もある。合理的で科学的な思考に慣れている人間ほど、そのような不合理な物語を馬鹿にしがちである。しかし、合理的で科学的な思考が優れていると思っている現代人ほど、自分に大きな死角があることに気づいていない。

 

 フロイトが分裂症の患者の観察を通して無意識を発見した。それゆえ、今となっては、人間の心というものが、意識の支配する論理的な原理で動くと思っている人はほとんどいないのではないかと思う。無意識は、夢や言い間違いといった形で意識に働きかける。すこし注意深く観察すれば、抑圧された無意識がいろんなところで現れている。本人はそれに気づいていないが。

 

 神話は、社会によって抑圧される以前の、生の無意識状態を表している。そこから学ぶべき点は多い。人間が幸福を感じる心的状態はどのようなものかを神話から取り出すことができる。

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