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本所おけら長屋 十二 畠山健二

2025-01-25 07:03:51 | 本 2025年

その壱 しにがみ

 

この話もちょっと痛快

 

お道は死んだ夫が残した借金のために

金貸しの妾にされそうになる

 

それを助けるため

お道に恩義がある留吉が

おけら長屋の大家の家に

泥棒に入るのだ

 

それを知った長屋の連中が

一致団結

 

お道を死神に仕立てる

その発想たるや

恐れ入りましたって感じ

 

それに泥棒も

って留吉じゃない方の泥棒も

改心させちゃうんだから何とも楽しくなる話

 

その弐 ふうぶん

 

ラクダが京から江戸にやってくるというので

変な噂が広まる

 

拝むだけで

厄除け 疱瘡除けになるとか

小便や糞を煎じて薬にすると

どんな病も治す薬になるとか

 

そのラクダが見世物小屋から逃げ出し

大騒動

 

ふうぶんは風聞

うわさ 風評

 

その参 せいがん

 

黒石藩江戸家老

工藤惣二郎の妹 扶美

 

男勝りの剣の腕

 

三藩交流会に参加させてほしいと

腕を見せるため

鳥羽藩側用人付 京谷信太郎と

一戦交えることに

 

それがきっかけで

扶美は信太郎の妻になりたいと言い出す

 

せいがん 正眼 

剣先を相手の喉元に向ける

中段の構えのこと

 

その四 おまもり

 

常陸国から江戸に

出稼ぎに来ていた亭主の幹助を

訪ねてやってきた

お邦とお妙親子

 

幹助が住んでいた黒塀長屋は

一年前になくなってしまっていた

 

幹助を探す

おけら長屋の連中

 

なんと幹助は事故に遭い

記憶喪失になっていた

 

記憶喪失を治そうとするところは

まるでコント

 

この話でも

幹助親子だけでなく

記憶喪失になった幹助を助けた

夜鷹をやっていたお貞までを

助けてしまうんだ

 

 


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