三島屋変調百物語九之続
江戸 神田三島町にある
袋物屋の三島屋では
風変りな百物語を続けている
おちかが嫁いだので
今は次男の富次郎が聞き手
さあ今回はどんな話が語れるのか
このシリーズは毎回本自体が分厚いが
おもしろいので
すぐ読み終えることができる
よくもまあこんな摩訶不思議な世界を
思いつくもんだ
気になった所を少しだけ
第一話 青瓜不動
母親が死んだあとお奈津たちを世話してくれたのは
母の妹 お萬
夫も子供もいない女は
村はずれの墓所にある
投げ込み墓に葬られる
お奈津は
村のみんながほったらかしのその墓を
掃除したり花や線香を供えたりと
一生懸命世話をする
お奈津は父親のいない子を孕んでしまい
初冬の用水路で始末する
おせいは難産でどうにか産んだ赤子は
助からなかった
その子は男の子だったので
跡取りを死なせたと亡くなっても
嫁ぎ先の墓には入れてもらえなかった
気の毒な女たち
その反面
おちかは女の子を出産
みんなに祝福される
第二話 だんだん人形
この話は怖かった
ある村で新しくやってきた代官の
悪徳ぶり
国家老に訴えるため
代官所の役人に見つからないように
逃げ出すところはハラハラドキドキ
村の産物
土人形の中に紛れ込んで行くシーンは
目をつぶって読みたくなるほど(笑)
第三話 自在の筆
その筆を使うと
素晴らしい絵が描ける
しかしそれを使う当人ではなく
まわりの者の生気を吸い取ってしまう
手放せばいいのに
他の人の物になるのも嫌だ
その結果
筆を食ってしまう
第四話 針雨の里
不思議な村の正体は?
村に子供は産まれず
夫婦もいない
迷い子をもらってきて
育て上げ
働かせる
ヤマワタリという
ツバメの一種の山鳥の雛の
羽毛と卵の殻
それが素晴らしいもので
この村を豊かにしてくれている
二人一組で仕事し
巣を探して木の高い枝登っていく方を「ソラ」
下にいてソラの身体に付けた縄を
しっかりつかんで踏ん張っているいる方がドダイ
そのペアを「あいたし」と呼ぶ
ある日
山が大噴火を起こし
村は消滅してしまった
この村の神事の一つに
風払いという
厄落としのまじないがあった
人形(ひとがた)に切り抜いた紙に
赤い染料で厄を記して
小高い場所から風に乗せて空に放つ
この人形の紙を風舞いさんと呼ぶ
この村でが雨はめったに降らないが
降った時は針の雨が降るという
人間にとっては普通の雨が
針となるのは
実はこの村は・・・
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