トライアングルの部屋

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仙台在住で大の阪神ファン

つまをめとらば 青山文平

2016-04-12 10:19:40 | 本 2016年
今回は武士の人情話が6話

「ひともうらやむ」

皆があこがれる才女
かぐや姫的存在 世津と結婚した男 長倉克己
こちらもエリート

美丈夫と美形 絵に描いたような組み合わせ

そんな二人に離縁話が・・・

それに比べて
庄平の妻は普通の女 康江
しかし康江は義父母をしっかり看取ってくれた

そして武士を捨て
江戸へ出て
町人として生きていこうとする庄平に
しっかりついて行き
要領の良さに驚くものを持っていた

「つゆかせぎ」

妻の朋を
急な心の臓の病で亡くした20日後
朋が夫に内緒で
戯作を書いていたことがわかった
 
そして仕事で出かけた先の旅籠で
女を買ってほしいと頼まれる

外仕事でその日暮らしをしている日用取(ひようどり)
つまり日雇い
雨に降られるとお足が入ってこない
そこで女房が春をひさいで…
つまり体を売ってということだよね
それで稼ぐ

それがつゆかせぎ

その時の女は後家で
子供が二人いた

そしてもっと子供が欲しいから
種をくれと言う

「乳付」

ちつけ

子供を産んでも乳が出ない母親の代わりに
乳を与える

それに伴う
女の心情

「ひと夏」

六万石の真ん中にある飛び領
杉坂村

戸数五十戸

離れ小島で行き来するのもままならず
国の直轄地として
支配所を置き
人を一人つけている
その任務を与えられたのは
高林啓吾

新規御召出

そこは誰もが二年と持たない
との噂が…

しかし前任の伊能征次郎は
いろいろと頭を使い
五年も続けられた

彼からのアドバイスと
さらには偶然の事件も味方してくれる

「逢対」

逢対とは
無役無職の幕臣が
役を得るため
支配や組頭が出勤するのを
見送りに行ったり
ご機嫌伺いの挨拶をする
就職活動の基本ということ

それを十二年も続けている北島義人

反面
幼馴染の竹内泰郎は
無役でも算学塾を開いて生活し
逢対とは無縁だった

ある日ふと
義人の武家の精神を知るため
逢対をやってみようと思いつく

そして初めて行った若年寄に
気に入られ役をもらえることに…

気に入られた理由が
とんでもないことだったので
泰郎はそれを義人に譲ることにした

「つまをめとらば」

三度も妻と離縁してしまった深堀省吾
理由は妻の浪費であったり不義だったり
その後始末もままならず
つくづく女運がない

一方幼馴染の山脇貞次郎は
やもめを通している

その貞次郎が
省吾の家の庭にある家作を借りることに
そして嫁をもらうつもりだという

しかしなかなかその気配がない

次第に二人は中年男性二人の暮らしが
快くなってくる

衆道(しゅどう)
初めて聞く言葉

日本における男性の同性愛関係(男色)の中で
武士同士のものをいう

それも平穏かと
思ってもみたが
結局貞次郎は所帯を持つため
出ていく

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