やあよのブログ

コツコツと詩を書いています。楽しく読んでいただければうれしいです。

空想の部屋

2024-11-12 16:18:32 | ポエム
僕が物心ついたころ
父親も母親も若かった

あのころは時代も一昔前
小学校へ上がるころ
自分の部屋を持たされた

学校から帰って
ドアを閉めた僕の空想の部屋
なにもかもが理想的で完全なはずだった
なのに
大人になってからの世界は

信じられないことばかり
見たくないことばかり
ひどいことがおこるばかり
醜い人間性を知るばかり

大人になって部屋の窓から見下ろす
新しい町
なにもかもが変わっていくけど
僕も年を取って
流行りの髪の色にでも染めて

仕事から帰って
鍵をかけた僕の空想の部屋
なにもかもが偉大で素晴らしいはずだった
なのに
大人になってからの世界は

信じたくないことばかり
見たくもないものばかり
ひどい事実が浮かぶばかり
醜い人間性をうかがうばかり

人類の闇は続く
人類がいる限り続く
悪態をついても続く
毒づいたって続く

ずっと現実に不満を抱えていた
そんなある日 あの子に会った
ずっと卑小な自分がキライだった
そんなあのころ あの子と出会った
年若いあの子が希望だった

そのあの子がいまは親しい間柄
僕の空想の部屋でいつも隣にいる
ホントの幸せについて悟ろうと思う
僕のこころの凪を
部屋に流れるメロディーを
信じられる人なんて生涯現れないけど
彼女の生きてる感が信じられるんだ

信じられるんだ…


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