２０２２年、夏

あのころはすべて　なにもかも若かった

あの日　無邪気に笑ったあなたは　

可愛くて素直で美しかった

自由に生きたくて　あなたの町を旅立った

今日　あなたを訪ねようとやって来たけど

変わらないあなたに　胸が痛んだ

少しやつれた僕に　あなたはすぐに気づいて

あのころより生き生きした瞳

まっすぐに見つめられずに

それぞれの道　いろいろな恋模様

過ぎ去った日々　恋の記憶

僕は僕の道を歩いてく

あなたが住む町を背に　これからも僕らしく

あのころは愛だった　それでも愛は終わったと

初恋というには　あなたも僕も遅くて

あきらめきれないあなたへの想い　それに別れを告げて

あのころは夢だった　それでも夢は終わったと

あなたが愛だった　いまでも慕情がしめつける

星になる

今夜も　あなたが夜空を見上げる時間

いつだって　あなたのことを想ってる

雲の間に　星が光ってる

あなたは星空に永遠を想い帰す

静かな夜明けを迎える前に

そろそろ　あなたが眠るころ

僕も宇宙から地上のあなたへ

確かななにかを届けたい

そのために　今夜　僕は星になる

あなたのために　今夜　僕は星になる

一筋の星になる…

新生人

ある朝　社長室に呼ばれた

抜てきされて　４月になって

僕は　ふわふわと空を飛んでいた

そのときから　現実と夢が逆転したんだ

憂鬱な仕事を片づけて　夢の生活に入り込んだ

彼女の部屋は安全で　彼女は僕の保護者

安心して　部屋のTVからニュースを観てる

隣はなにをする人ぞ

入り組んだ人生模様　すべて安全圏外のこと

一皮むけた気がするんだ　進歩した気がするんだ

彼女のセンスに　僕はオシャレになった

新生人

彼女の美意識に　僕は垢抜けてきた

新生人

現実を片づけて　夢のような生活

これでいいじゃない　誰もいいじゃない

これでいいじゃない　誰もいいじゃない…

誰もいない夏

下り方面へ向かって　午後

車を走らせた　夏

ツラかった日々はそのままに

僕は未来へ来た

現在（いま）これからが夢なら

もう誰も愛せない

自由な日々は　もう探さない

退屈な日々は　もう誰も見つからない

彼女の元へ　帰っていく

錯覚じゃない　夢の生活

退屈な日々は　もう誰もいない夏

僕は未来へ来た…

想い出にさようなら

今年もまた夏が過ぎる

わたしは年を知り

幻を失くした

来年もまた夏が過ぎる

わたしは年を取り

夢を見なくなった

誰もいなくても生きていける

秋が来て　冬になって　春が来て

また夏になる

めぐる季節の中を歩いて行く

陽射しの中　汗をかいて

元気をなくしても　ひとりで生活を片づけて

いつまで生きているのだろう

共に笑った人も　同じ暮らしの中で

年を知った

幻をいつからか見なくなった

夏の夜もせつなくなくなった

遠かった夢は叶わないまま

もう夢を見ることもないまま

人は去り　流れていく

時代の流れの中を　わたしは歩いていた

ただ　生きていく希望の光だけが射している

想い出にさようなら

想い出にさようなら…