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晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

文庫祭り

2010年08月02日 | 

デジカメをうきうき買ったあとは、うきうき文庫祭りです。
祭りといっても2冊だけですが。



新田次郎の新装版『霧の子孫たち』(文春文庫)。
霧ヶ峰のビーナスライン延長を反対した自然保護運動の小説化。
霧ヶ峰はけっこう好きでたまに行くのですが、こういう歴史はぜんぜん知りませんでした。
新田次郎の作品はそれなりに脚色されているわけですが、ある程度は事実なのでしょう。

それにしても、初版当時(1970年)の新田次郎の大衆小説は、
いつもごくわずかなセクシー路線が笑ってしまいます。

「おい、今夜仲よくしよう」
と言った。それは彼等夫婦の間だけに通じる秘語であった。

わははは。当時はこれが限界だったのでしょう。
『孤高の人』にもそういうシーンがありましたね。



『本当の戦争の話をしよう』(ティム・オブライエン著/村上春樹訳/文春文庫)。
どんな本なのかはさっぱりわかりません。
タイトルだけで買いました。あっ、村上春樹訳というのも理由か。



最近の未読日記

2010年07月12日 | 
未読って言うか、最後まで読めないですね最近。だいたいくじけちゃいます。



売れてるみたいですね。けっこうおもしろかったんですけどね。
カントの章でくじけました。。。



『イマココ 渡り鳥からグーグルアースまで、空間認知の科学』(コリンエラード著/早川書房)。

断片的には、なかなかおもしろかったんですけどね。。。しょせん断面的なのかな。
生き物たちのナビゲーションシステムの最新見解はなかなかおもしろかったです。
鳥とかアリとかハチとか。。。巣に戻るあれです。
でも、結局途中でやめちゃいました。



買っちゃいましたねえ。『ナマコを歩く』(赤嶺淳著/新泉社)。
名著『ナマコの眼』の鶴見良行氏のお弟子さんによるものです。

ま、名著って言っても、しょせんは未読派のわたし、
一応、関連書籍も含めてちゃんと読んだ記憶はありますが、
「眼」は「まなこ」と読ませて、「なまこのまなこ」だったとは知りませんでした。
だじゃれか!? まったくお恥ずかしい限りです。。

グローバル化が進んだ現在のナマコから見る世界、、、。
さて、最後まで読めるでしょうか?

『もやしもん』9巻

2010年07月08日 | 
新刊が出たので当然買いました。



『もやしもん』9巻(石川雅之/講談社)。
ま、ある意味『美味しんぼ』の方向なのか、ほとんど読み物化して、
作者の主義主張が炸裂しています。

ネタは食物自給率について。
カロリーベースで自給率40%うんぬんというやつです。
週刊誌の東洋経済あたりで、その考え方に対する疑問の記事がありましたね。

ま、おもしろいんですけどね。。。いいこと書いてるし(“描いてる”じゃない)。
勉強にもなります。

でも、まぁ、この漫画にはそんなことは望んでないかな~。

これは『蟲師』?

2010年07月05日 | 
ちょっと前に梨木果穂の『渡りの足跡』(新潮社)を読んだのですが、
鳥の渡りをテーマにしたなかなかすばらしいエッセイでした。



それまで、妻がどこからかもらってきた『西の魔女が死んだ』しか
読んだことがなかったのですが、梨木さんは自然がお好きな方のようです。

で、先日、長く電車に乗る予定があって、新宿駅構内の小さな本屋で、
中身を見ずに文庫を1冊買いました。

『沼地のある森を抜けて』(新潮文庫)。



ま、森がテーマなんだろうというように思いましたが、
読み進めると、、、なんでしょう? ファンタジー??

あやしい「ぬか床」が主人公というか、重要な要素の小説。

ぬか床? 卵とが産まれて、人が出てくるぬか床。。。

ま、ストーリーの説明ははしょるとして、とにかく面食らいながらも読了したのですが、
これは、、、明らかに漫画の『蟲師』(漆原友紀/講談社)の世界ですね。

だからどうした、、、というわけではないのですが、この小説は明確に蟲師ですね。
蟲師は出てきませんが。。。。

『これからの「正義」の話をしよう』

2010年06月08日 | 
売れてるみたいですね。
NHKの番組で話題になったとか。うちはテレビがないのでよく知りませんが。



哲学書、というよりは政治哲学の入門書なのでしょうか?
実際にあった具体的な事例と、簡略化したモデルで、
いったい正義とは何かを考えていく本です。

中身に興味があるというよりは、物事を考える上での
きちんとしたスタンスを与えてくれるような気がしたので買ってみました。

今、3分の1ぐらい読みました。
特に難解ではないのですが、読み進むのにやや時間がかかります。
なかなかおもしろいのですが、ナチュラリストの視点で考えると、
ここで語られる社会と個人の関係については、どうも、こう、、、、今ひとつです。

今後どのような展開になるか、ゆっくり読んでいきます。

『氷壁』

2010年05月27日 | 
ちょっと読む本がなくなって本棚にあった『氷壁』(井上靖)を引っ張り出す。
どういう理由かは忘れたけど、妻が買った来たものだ。



とりあえず、いっき読み。古いけど、なかなかおもしろかった。
新田次郎もそうだけど、井上靖も当時、ふつうにエンタメ作家だったのですね。
色恋登山小説かな。

妻は「中身はよく覚えていないけど、ボルネオ旅行中に読んだから、
ぜんぜん設定に入り込めなかったことだけは覚えてる…」と。

ま、冬山登山とボルネオじゃ、そうだね。。。


なんか背筋がひやっとする。。。

2010年05月25日 | 
『冬眠の謎を解く』(近藤宣昭著/岩波新書)、読了。
科学本としては結構おもしろかったのですが、
読み進めるうちになにやら背筋に冷たいものが。。。

研究が転がっていくうちに、不老長寿の可能性が見えてくる。

冬眠中の動物は病気をせず、放射能にも強く、
傷も化膿しないという実験結果があるという。
そして、冬眠する哺乳類は長寿である。

科学者にとっては、瓢箪から駒…というと失礼だが、探求を続けた結果、
新たな地平が見えてきたのだ。科学者冥利に尽きる話だ。

だが、不老長寿。
著者は(現状の寿命の)「二、三倍の寿命を持つことぐらいできるかもしれない」という。

それに続く文章が以下。

「すでに、シマリスやコウモリは、ラットやマウスに比べて圧倒的な長寿を実現しているが、だからといって個体数を圧倒的に増やしたり、始終活動して食物を食い荒らしたりして自然を害することはない。そこには、活動と休息の規則正しいサイクルが可能にする長い生活環があり、ヒトの社会に見られる人口増加や食糧不足の問題を起こさない、理想的な生命の仕組みを感じることができる。
 ヒトはこのような経験をしたとき初めて、SFの世界の冬眠ではなく、実際の冬眠能力を実感して不老長寿の本当の意味を知ることになるだろう」(212ページ)

えーと、どこへ行く科学者。。。
科学者のある無邪気さと、生命を科学的に扱いつつ、自然をまったく知らない、
まるでSF漫画に出てくるような科学者。こわっ。。

アメリカとかの大富豪が彼の研究に金を出してそう。。。

ま、それはさておき、この本の終章では、
恒温動物と、その一部が獲得した冬眠という機能の話がまとめられている。

それを読んで思ったのは、著者のまとめとはぜんぜん別のことで、
人類の文明そのものが、外部化された生理機能なんだ、、、ということ。

衣服、住居、冷暖房、都市、温暖化!??

自然に適応する結果として生まれた体内生理機能としての冬眠。
自然を改変することで、外を自分に合わせることを選んだ人類。

良くも悪くもいろいろ考えされられた1冊でした。


最近の読書2

2010年05月14日 | 
『冬眠の謎を解く』(近藤宣昭著/岩波新書)



なかなかおもしろいです。もともと薬学部のヒトが、
心臓移植のために心臓を低温保存するための研究する過程で
冬眠の謎に取り憑かれる話です。

でてくる科学用語とか化学式とか、まぁ、わたしでもぎりぎり何とかなる感じ。
科学者が、疑問・矛盾に突き当たり、それを超えていくところもおもしろい。

けっこう興味深いのが、この研究の過程で著者が、
遺伝子万能論をやんわりと(?)牽制しているところです。
冬眠遺伝子を探す話です。

「(冬眠の研究が)遺伝子に偏重した解析に決定的な限界があることを示す貴重な例」

ふむ。100%は理解していないのですが、ちょっとおもしろかったです。
(この書き方では伝わりませんね、、、、)

ま、新書ばやりの今、、、、このテーマで誰が読むんだ!?
…という気がしますが、わたしは読みます。

そういえば『1Q84 BOOK3』

2010年05月10日 | 
そういえば読みましたよ。『1Q84 BOOK3』(村上春樹)。

出てすぐに妻が買ってきたのですが、
あれだけ初版を刷ったので前のような在庫切れはなく、
本屋に行けば、すぐに買えたようです。

が、読もうと思っても、前の1、2を忘れている。。。
なので、BOOK1、2と読み直してから、ようやくBOOK3を読みました。

安心感がある。村上春樹を読んだ感じがする。

妻はいまだにBOOK1のようです。

最近の読書

2010年05月09日 | 
『創造 生物多様性を守るためのアピール』
(E.O.ウィルソン・著/岸由二・訳/紀伊國屋書店)



生物多様性の父E.O.ウィルソンの本。ドーキンスの『進化の存在証明』『神は妄想である』もそうですが、
本当にアメリカって進化論が宗教とバッティングして、
真剣にこのレベルの科学者たちが進化論は正しいんだよ、、、と言っている本が多いですね。
この本も生物多様性の大切さを説く本ですが、基本的には同じ感じ。
ドーキンスとはちがって、ウィルソンは宗教家に理解を求める方策のようです。
さすが多様性の父。。。


『戦禍のアフガニスタンを犬と歩く』
(ローリー・スチュアート・著/高月園子・訳/白水社)



なんだろうな~、アフガニスタンを歩いて横断する話なのですが、レベルが高いんですよ。
日本人の旅もの、冒険ものはずいぶんと違いますね。
淡々としていますが、じんわりおもしろくて、いい本でした。

著者は若いのですが、おそらくセレブで、優秀な外交官。
それでいてちゃんと自分の足で地球を見て、人と接しながら旅をする。。。。
今はイギリスの国会議員だそうです。36歳。。。。

『火の賜物』

2010年04月08日 | 
読む本がなくて、あわてて本屋に。
新聞広告で見た『火の賜物 ヒトは料理で進化した』(NTT出版/リチャード・ランガム著)をゲット。



火を使って料理をすることが、
アウストラロピテクスをホモ・ハビリスに進化をさせたんじゃないか、
つまり、それが類人猿もどきをヒトに進化させた原因じゃないか、
ヒトがヒトたる所以は、火を使った料理にあるんじゃないか…という内容のようです。

こ、これはおもしろそう!

以前から、生物進化に対する漠然とした疑問があって、
だいたい生物の進化って形態の話ばっかりですよね。
そもそも進化って、形態の進化だけを指すのかな?

例えば、ある種の消化酵素が生成できるようになるとか、
新たな腸内細菌との共生によって、ぐっとエネルギー効率がよくなるとか…
そんなことによって、見た目同じだけど、それはもう別の生きもの、、、
なんて言わないのか。。。

つまり、目に見えないところの進化もあっていいわけだし、
それがたとえ「文化」であっても、その変化があるとなしでは全然ちがう生きものとも言える、、ことはないなのかな?

個人的にそんな考えというか、疑問を持っていたので、
この本の内容も興味津々です。

……が、読み始めたらあんまりおもしろくない。

第1章では、「生食主義者」(そんな人たちがいるんだ…)たちの事例・実験を紹介して、
彼らが痩せていたり、あるいは痩せてしまったり、
あるいは女性は生理が止まったりすることを指摘して、
だから火を使った料理がヒトには重要なんだ、、という主張をするのですが、
生食主義者たちの非科学性を指摘するわりには、
本人の主張もあんまり科学的ではないですね。
たんに説明不足なだけかなあ。。。

また、イヌイットなどの民族や冒険家や遭難者の事例を引き合いに出して、
「野生のものを生で食べてより長く生きのびた記録がないことから、
むしろ人間は極限状態においても食物を料理しなければならないことがわかる」って
断言しているけど、ぜんぜん分かんないよ!

むーん、、、。著者は人類学者のようで、ちゃんとした学者っぽいのにな。
科学的な説明をしているようで、ぜんぜん科学的じゃない感じは、
「生食主義者」と変わらない感じ。。。

うーん、、、2章以降に期待、、、するかな。
テーマはおもしろいはずなんだけどなあ。。。

『ヤノマミ』

2010年03月23日 | 
連休中にローテーションしていた『パレスチナ新版』『サイチョウ』ともに読了。

『サイチョウ』は、ま、予想どおり。
『パレスチナ新版』は、、、、すごかったです。
自分が無知なだけですが、本当にパレスチナ問題というのは、、、。
今日も、ニュースではパレスチナ問題が流れていますが、これほどまでのものとは。
webでもいろいろ詳しいサイトもありますが、本というのはすごいなあ。
これほどの内容が数百円だから。新書の真骨頂ですね。

さて、電車に乗っても読むものがないので、早々に仕入れました。

『ヤノマミ』(NHK出版/国分拓著)。出たばっかりですね。



NHKのディレクターが、アマゾンの熱帯雨林に住むヤノマミ族の村に取材のために、
なんと150日も滞在した記録をまとめたもの。150日!

最近、ノンフィクションものの執筆が、テレビのディレクターというのが散見されますね。

NHK。。。。150日も。文化人類学者か!?
むかつく。うらやましい。ま、うらやましいか。。。

帰りの電車の中で、あっという間に3分の1を読破。
なかなかおもしろい。一段とむかつく、、いやいや、うらやましいなあ。

今週のブック・ローテーション

2010年03月17日 | 
最近、ずっと読んでるテーマの1冊。



『パレスチナ 新版』(岩波新書/広河隆一)。
これまで読んだのは、ともに海外の作家のイスラエル側。
これは日本人で、パレスチナ側。
とても、分かりやすくて、ニュートラルな印象。
おもしろい(と言っていいテーマではないけれど)。




『サイチョウ』(東海大学出版会/北村俊平)。
『バーダー』というバードウォッチング雑誌の書評欄で発見して、
即アマゾンで購入。
「フィールドの生物学」というシリーズの1冊。若い研究者が執筆している。

本が届いてみたら、ボルネオのサイチョウじゃなくて、タイのサイチョウがテーマ。
ボルネオフリークとしては、ちょっと早とちりだったけど、
ま、興味がある鳥だし、ボルネオのとそんなに変わらないだろうからOKか。

タイの熱帯雨林で種子散布者としてのサイチョウを調査する話。

研究者のフィールドワーク全体を紹介しながらの科学エッセイという感じ。
内容的には一般向け以上、専門家・マニア向け以下。

本としては、ま、ひと言でいって、、、、高い。
オール1色172ページで2100円。
うーん、専門書じゃないし、昔ならこれこそ科学教養新書の内容かな。

ま、でも、しょうがないんでしょう。
内容は悪くありません。

おそらく読者対象は大学生。あるいは、ちょっと頑張って、この道に進もうとする高校生。
研究室に閉じこもって分析ばかりするのが理系ではなく、
野外で自分の目と体で自然を調べていく、喜びや大切さ。
そんなことが伝わってくる内容ではあります。

若い研究者には頑張って欲しい。

2冊とも、昼ご飯や通勤の電車の中で日々読んでいます。


『生物の驚異的な形』

2010年03月09日 | 
以前、科博の展示でみて、興味津々の海の微少な生物の世界(とくに放散虫とか)。

この世界の幕開けは、19世紀に世界の海を探索し、
深海の生物を調査したチャレンジャー号の活躍です。

『チャレンジャー号探検』(中公新書/西村三郎著)も読みましたが、
それはそれはすごい話です。

このチャレンジャー号探検で採集された生物の一部を研究していたのが、
ドイツ人生物学者のヘッケルです。進化学者としても有名な人です。

で、手に入れたのが『生物の驚異的な形』(河出書房新社/エルンスト・ヘッケル著)。



ま、このタイトルはどうかと思います。
中身は、、、良くも悪くもアートなのでしょう。

フィールドワーカーの私としては、
チャレンジャー号の報告書の絵の方が好きです。

この手の本にしてはリーズナブル(2800円)なんで、
まぁ、いいか、、、という感じではありますが、
それにつけてもチャレンジャー号の報告書の絵が
全部ネットで無料というのが、改めて驚きです。



雨の読書

2010年03月07日 | 
雨の週末。ほとんど家を出ないで読書三昧。

まずはこれ。



妻が図書館で借りてきた森博嗣の『もえない』(角川書店)。
妻が借りたので、中身はまったくどういうものか分からず。
そういう読書って不思議ですね。
ま、森博嗣だし、ミステリっぽいもんだろうと読み始める。

さくっと読了。ま、森博嗣らしいミステリだった。
あまりに当然だけれど、森博嗣は森博嗣。いつもの感じ。

お次はこれ。
ミュンヘンもの第2弾。



こちらも第1弾の『ミュンヘン』と同じくイスラエル側からの本なのかな。
土曜日には、スピルバーグの映画「ミュンヘン」もDVDで見る。
とくに感想はなし。ちょっと違う角度からの本を探そうかな。。。