霞んだプロミナの視野に真っ黒の小さな点が動いている。
そしてその上には、動かないものの、もうひとまわり大きい黒いかたまりも見える。
クマだ!
しばらく見ていると、大きい方も動いた。
親子グマだ!!
調査2日目、ようやく現れたクマはなんと親子グマ。
大きさから、去年産まれた子グマのよう。
子グマなんて、はじめて見た。
ゴールデンウィークの尾瀬。
尾瀬ヶ原は一面の雪原。池塘や木道が開き始めていた。
周囲の山は、南斜面は木々の根開きが日々大きくなっている。
その後、2頭は地面が露出した根開きに入ってしまい見失う。
クマとの距離は2キロ近い。プロミナで追っていても、
目を離すと、雪や木の影の黒に紛れて、すぐにわからなくなってしまう。
しばらくして、残雪の上に2頭のクマを再発見。
んんっ? 小さくて同じ大きさ?
あれ!? また斜面上部の根開きに大きな黒いかたまりが。
あれれ!? もしかして??
動いた! 大きい。母グマだ!
ということは子グマは2頭だったんだ!!
*
陽が高くなって、暑くなってくる。
母グマはほとんど動かない。たぶん昼寝でもしてるんだろう。
でも、子どもたちは元気。
兄弟でじゃれる。雪の斜面を滑って、1頭が根開きにポテッと落ちる。
遊び疲れると雪の上で3頭がかたまった。
みんなで昼寝? (真ん中の黒いかたまり…)
1頭が起きた。母グマにじゃれつく。
そして、3頭でゆっくりと移動を開始。
最後は何かにおびえるように3頭で斜面を駆け下り、
いっきに木に登って動かなくなった。。。
じつは、すぐ近くにもう1頭若グマがいて、それにおびえたのか?
この日、計4頭のクマを見た。
いい、1日だった。
これでまた1年がんばれます。