晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

最近の読書 2011年9月

2011年09月26日 | 


けっこうおもしろかった。
『コンニャク屋漂流記』(星野博美/文藝春秋)。
いわゆる自分のルーツ探し……と言ってしまうとそれまでですが、不思議であたたかいお話です。後半、古文書的なものの引用が増え、ちょっとしんどい場面もありましたが。

で、星野博美という人はおもしろいなあと思いこれを購入。



『のりたまと煙突』(星野博美/文春文庫)。
『コンニャク屋…』への布石も含まれた短編エッセイ集。全体にちょっと暗い感じ。やっぱりそのときの著者の人生、あるいは世の中、、、あるいはあるいはその世の中に反応する著者の心もちを反映しているんだろうなあ。。。



『梅棹忠夫 未知への限りない情熱』(藍野裕之/山と溪谷社)。
これは……決定版かな。分厚くて、まだ全然進んでませんが。

闘いの行方

2011年09月25日 | 
台風で、ゴーヤとヤマフジがめちゃめちゃに絡み合ったネットが崩壊してしまったので、連休はその処理に追われました。

サンショウが植えられた鉢をふと見ると、ああ、また食われてる。。。



今年は、たしか初夏ごろに丸裸にされて、ようやく復活したところなのに。。。わずか70、80センチ先には、お隣にりっぱなサンショウがあるのに、なぜ高さ40センチぐらいのうちの鉢にくるのか!



アゲハの幼虫。憎くはありませんが、なんか釈然としません。。。葉っぱを全部食べちゃったらどうするんだろう? ブロック塀を乗り越えてお隣に移動するのか、死んじゃうのか……。



お隣ではムラサキシキブがいい色になっていました。

★追記 わずかに残っていた葉っぱも食べちまいました…。
★追記の追記 たしかに朝はいたのに、葉っぱながなくなって、、、、どうなるか思っていたら、午後になったら行方不明になっていた。さくっと移動した???

クマとアオハダ

2011年09月23日 | 生き物
さて、奥多摩のクマの話も最後です。

クマとカラマツの共演(狂演?)を堪能した私たちは、登ってきたルートを戻り始めました。しばらく下ったところで、
「おっ! クマのウンコ! でかい!」



長さ15センチぐらいの黒々としたりっぱなものでした。



中は同じ種類のタネがぎっしり。

「ああ、これはアレ、、、アレのたぐいですよ!」

大学院生のころ、クマのウンコから出てくる可能性のある種子のサンプルを60種類以上採取したコレクションを誇るわたしです。当然、、、、わかるはずなのですが、名前が出てきません。年でしょうか。

「このミカンの房みたいな形で、筋が入っているの! ええと、モクセイ科じゃなくて、モクレンじゃなくて…」

とにかく、ちょっとフン分析でもしようと持ち帰ることにしました。転がっていた木の皮でうんこをすくうと……

「こ、これ、かなり柔らかくて、新しい感じです!」
「だいたいさ、登りの時もここを通っているはずで、こんだけ大きいなら気づくよね…」
「た、確かに。えっ?ということは!?」

むむ。ちょっとやな感じですが、ま、とにかく下りました。登りもそうだったのですが、小尾根などで先が見えない場所では、ストックをカチカチ叩いたり、奇声(?)をあげたりして、クマを警戒しながら歩きます(本当)。

ちょっと下りると、赤い実が落ちていました。



「ああ、これこれ! アオハダですね! そうそう、このタネはモチノキ科だ!」



こんな木です。この木にクマが登った気配はありませんでした。

ウンコの中身はほぼこれで当たりなのですが、せっかく持って下りたので、ザルを使ってタネを漉してみました。クマのフン分析なんて、20年以上ぶりです。



アオハダのタネと種皮がぎっしり! 100%アオハダのウンコでした。



ウンコの中身のタネ。



アオハダの実から採ったタネ。同じですね。

このウンコから採ったタネを家に持ち帰ったのは言うまでもありません。クマに食べられてウンコなって出てきたアオハダを育てます! これは楽しみです!!

クマとカラマツ

2011年09月22日 | 生き物
この記事をアップするのはちょっとフライングなのですが、奥多摩のクマネタを続けます。

とにかく友人は奥多摩の森の中に自動撮影のビデオとカメラを仕掛けているのですが、いっしょにカメラの回収をしたときにおもしろいクマの行動が撮影されていました。いつか友人のサイトでそれが公開されると思いますが、現状ではお忙しいようでちょっと先になるようです。

友人のサイト

わたしの方は、そのときに撮影した画像と現地で見せていいただいた動画をもとにちょっとだけお話しします。



友人はこのカラマツの前にビデオを仕掛けました。クマ剥ぎなのかマーキングなのか、すでにクマの痕跡があったのだと思います。

で、撮影された動画を見ると、8月下旬から9月上旬にかけて、毎日毎日クマが来て、背中とか胸とかお尻をゴシゴシとこすりつけていくのが写っていました。

時間にすると3分とかでしょうか。とにかく狂おしいまでにクネクネゴシゴシ毎日なんです。



カラマツからは樹脂が出まくりです。



樹皮にはクマの毛が付きまくりです。

さて、その動画、状況を見て、わたしたちは考えました。

「当然、クマ剥ぎじゃないな」
「そうですね」
「マーキングでもないな。そもそもあたりはカラマツの樹脂の匂いがあふれているし」
「とすると、カラマツの匂いを自分につけたの? 毎日毎日?」
「ううむ……」
「一日、どっかでご飯を食べてたり、昼寝をしたりして、でも1日1回、このカラマツにわざわざ来て匂いつけ?」
「身だしなみ? オーデコロン状態?」
「ううむ……」

ということで、映像のアップを待ちましょう。おそらく大きさを比較するために、わたしがこのカラマツでクネクネしている写真もアップされると思います。



奥多摩のクマ剥ぎ

2011年09月21日 | 生き物
奥多摩のあまり人が訪れない人工林は、とても残念というかやばいのですが、ツキノワグマによる「クマ剥ぎ」が多く見られました。

昔から植林されたスギとかヒノキの樹皮がクマによってばりばりと剥がされて、林業にとって大きな問題になっています。

ま、そもそも林業にとって本当に大きな問題とは、クマ剥ぎの話なんかじゃないよね……という気はしますが。。。





ぱっと見のシカの角研ぎとのちがいは、
まぁ、見間違えることはないのですが、樹皮がべろんと下向きにも剥がれていることですね。



よく見れば、クマの爪痕くっきりですが。

なぜクマ剥ぎをするかというのは、、、定説というのはないようですね。形成層を食べるとか、樹液が好きとかそういう説があるそうです。初夏に針葉樹の樹皮を剥ぐ、、、ということは現象としては各地一致しているのでしょうか?




イノシシとカヤの木

2011年09月20日 | 生き物
コウモリ調査の翌日は奥多摩の山を歩きました。

奥多摩でツキノワグマの調査をしたり、山の中にセンサーカメラを仕掛けて野生動物の調査をしている友人といっしょです。

すごい映像がいっぱいの友人のサイト

日原川水系の森を歩いたのですが、友人からなかなかおもしろいことを聞きました。

「何を食べているかわからないんだけど、とにかくイノシシはカヤの木の根っこを掘るんだよね」



たしかに。この穴は、写真ではちょっとわかりにくいのですが、奥行き2メートルぐらいはありました。



これもそう。



これなんかカヤの木が倒れてる。

うーむ、、、穴を見ても、まぁ、根っこがかじられているように見えるけど、何を食べたのかはわかりませんでした。

上記友人のサイトでは、イノシシがカヤの根っこを掘る動画を見ることができます。



カヤの葉っぱ。

どういう生態でしょうか? おもしろいですね。「イノシシ カヤ」と検索しても、特に情報は出てきません。奥多摩だけのことなんでしょうか??

iBats Japan に参加!

2011年09月19日 | 生き物
iBats Japan ……というのは誰も知らないと思いますが、
イギリスのロンドン動物協会とThe Bat Conservation Trustがやっているコウモリのグローバル・センサスの日本版です。

iBats Japanのウェブサイトはこちら

日本では自動車によるラインセンサスで、コウモリの音声を録音したものをイギリス本部のサイトにアップロードするかたちで参加します。

コウモリ好きの妻のお手伝いで、奥多摩で調査をしました。

調査方法は、バットディテクター(コウモリ超音波探知機)と録音機、GPSを使って、日没後30分程度たってから、時速25キロの速度で車を走らせてその間の音声を録音します。



調査道具はこんな感じ。
事務局から一式を借ります。

本当は「i」だけに、バットディテクターにiPhoneとかアンドロイド・スマホを接続するだけでOKなのですが(私のスマホにも専用アプリはダウンロードはした)、
なにぶん英語のアプリで、日本の事務局も翻訳を準備してないようなので断念。。。



車の窓にバットディテクターを固定します。



なんせ時速25キロですから、夜の山道とはいえ、ちょっとひんしゅくです。

今回は、奥多摩湖畔から青梅街道をずんずんと走り、結局柳沢峠まで行きました。



時折小雨がぱらつくあいにくの天気でしたが、まぁ、なんとか調査終了です。

調査の分析は、イギリスの本部にアップロードしてから、それを日本で解析するそうです。

バットディテクターの音声をスピーカーに流して聞いていたのですが、
奥多摩湖を渡るいくつかの橋のところでは、「ピュゥ~」と何かのコウモリが鳴いているようでした。

まぁ、、、、なんというか調査はだいたいそうですが、意外と単調なものです。

今後、1年に1~2回は同じコースで調査を行う予定です

森のキノコ

2011年09月15日 | 
森はとにかくキノコだらけでした。
ベニタケ科、テングタケ科、イグチ科など、本当にさまざまなキノコが生えていました。



タマゴタケの幼菌。かわいいなあ。



これは、、、ツルタケのたぐい??

大学院の頃は、ここらのキノコを研究というか、採りまくっていたのですが、
なんだか、忘れてしまいましたねえ。。。
研究していた森は、歩いたところから尾根2本向こうだったのかな。


人のいない山

2011年09月13日 | 
中部地方の某山に行ってきました。
人がまったくおらず、悪くない森が残り、良い感じでした。



登り口のミズナラの広葉樹から、登るにつれて針葉樹林に変わります。

針葉樹林帯のなかでは、そこここに切り株・倒木上更新が見られました。



夏の終わり。ゴゼンタチバナが赤い実をつけていました。



夏の終わり。。。さっさと終われ。。。

森の中は、身の丈を超えるササ、稜線では胸から顔ぐらいの高さのハイマツを、
わしわしと漕ぎました。楽しい山でした。

『畦と銃』

2011年09月01日 | 
この前、本屋で衝動的に買ってしまいました。

『畦と銃』(講談社/真藤順丈)。



正直、表紙を見たときは、ルポルタージュかと思いました。
中身は、、、、ハードボイルド一次産業小説かな?

農業、林業、畜産業の3部構成で、ある村を舞台にした、
ハードボイルドというかロックンロールというか、妙な小説でした。
どれも乱暴な感じ。

まぁ、おもしろかったと言えば、おもしろかった。
ふざけているようでいて、なかなかよく取材してあるような雰囲気。

まぁ、でも、力業過ぎるかな。。。、