今晩の帰宅は20時。昨日、21時にはすでにフユシャクが交尾をしていたということは、もっと早い時間にメスがフェロモンをまき散らしているにちがいないと思ったわけです。昨晩より1時間だけですが、帰宅早々雑木林に行きました。
おおっ、クロバネか? 幸先いいぞ!
ワラジムシもいるぞ! 喜ぶな、そんなので……。
ということで雑木林を軽く1周して、2週目に入ろうとしたとき、奧のササ藪でがさごそ音がする…。むむ、タヌキ? ネコ? タヌキ? ネコ? ハクビシン? ちょうど丸太でできた柵の近くだったので、それに腰掛けてしばらく待ちます。
3分、5分。音がしなくなる。どっか行っちゃったか…と移動しようとすると再びガサガサと。むむ、近くにいたんだ……。ということでじっくり待ちに入ります。
じっと野生動物を待つのは得意です。昔、「夜待ち」と称して、奥多摩の森の中で野生動物が出てくるのを待つのがブームだったことがあります。当然、夜です。夜中に山を登ることもしていましたが、夕方から暗くなるまでとか、夜中から明け方とかの時間帯にじ~っと待ってましたね。もう何時間でも待てます。わたしの数少ない得意技のひとつですね。
5分、10分……ササ藪の奧でキッキッというか、キャッキャンという、じゃれ合っているような声がします。これはタヌキの兄姉だなと確信しました。それだと意外とこっちの存在を気にしないで出てくるんじゃないかと期待が高まります。
カサカサ……ササ藪の切れ目から出てきます。まず1頭。やっぱりタヌキです。星明かりというか、周りの住宅の明かりで、けっこうはっきりと姿が見えます。距離は7、8メートルといったところでしょうか。
柵に座った方向からすると、斜め後方から出てくるので、どうしても首を振らないと姿は見えません。1頭目でちょっと振り返ったら、一瞬ササ藪に戻ってしまいました。
でも、すぐ出てきます。こっちももう動きません。写真を撮るのはあきらめました。
1頭目、距離5メートル。その後ろからもう1匹出てきます。みんな小さめでやっぱり子ダヌキか若ダヌキという感じです。
1頭目、距離3メートル。うひょひょひょっ! どうももう1頭いるようです。距離が近いので、彼らの鼻息が聞こえます。
1頭目は左に迂回して柵をくぐります。多少こっちを気にしていますが、なにやら地面をクンクンしています。こんな距離で自然な状態を観察できるとは! 左の視界には2頭がいます。首は振りません。あくまでも目だけで姿を追います。
問題は……後ろの1頭です。真後ろにいます。ときおりカラダを掻いたりしています。そういう音がします。じりじり近づいてきます。気配でわかります。ああ、2メートル、1メートル……。ええええっ! もしかして、もしかして!?
わたしが座った柵の斜め下。距離にして50センチほど。子ダヌキが柵をくぐって目の前を歩いていきます。うおおおおおっ!!
2メートルほど行って、ちょっと振り返ってこちらを見ますが、あわてた様子はありません。ゆっくり歩いていきます。そして、先の2頭を追うように、小高い丘を越えていきました。歩いて行った先は、住宅地の方ではありません。雑木林の奧への方です。見えなくなったけど、丘の向こうから、再びじゃれ合うような声が聞こえました。ああ、、、大満足!
と思ったら、もう1頭ササ藪から出てくる!? あぁ、今回は撮らせてください! すみません!
あまり逃げませんでしたね。ササ藪の中にはもう1頭いるような感じでしたが、これ以上おどかすのも趣味ではないので家に戻りました。結局1時間ぐらい雑木林にいました。
これまで近所のタヌキたちとは、
家の前で会ったこともありますし、
フクロウを待っていて出てきたこともありました。でも、今回のように至近距離で、しかも自然に観察できるのははじめてです。
これまでの人生で最良の日というのが5日間ほどあるのですが、それに匹敵しますね。その5日はどういう5日か? それままた。