晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

ドレッジで生き物採集!!

2008年07月31日 | 
三浦半島にある東京大学臨海実験所の自然観察会に参加してきました!
http://www2.mmbs.s.u-tokyo.ac.jp/SBnet/index.html
ここの観察会のすごいところは、実習船の臨海丸に乗って、ドレッジ調査ができることです。



ドレッジ調査は、まぁ、金属製底引き網のようなもので海底の砂泥を採って、そこにいる生物を探すものです。

子どもも参加する体験調査なので、簡易のドレッジのようで、水深も12メートルぐらいのところでした。ドレッジを引いたのは小網代湾の入り口。2回引いて、砂利を採取しました。



で、研究所に戻って、採れた生物を見ながら、東大やほかの博物館から来た専門の先生方の話、をいろいろ聞くことができました。追々、生き物は紹介するとして、まずはいちばん個人的に好きなのがこれです。



オカメブンブクです。体長は1.5センチぐらい。1個体しか採れませんでした。砂地に生息するウニ仲間で、今話題(?)のスカシカシパンのたぐいです。なかなかカワイイやつです。

アブラゼミ その後

2008年07月30日 | 生き物
昨日、博識の知人にアブラゼミの件を話したら、
「そもそも、アブラの羽化はこれからじゃないかな?」
という至って冷静な意見が、、、。

そうしたら、今日の帰り道は、2個体のアブラゼミの羽化を見ました。
2匹とも、すっきり羽根が伸びて、とてもきれいでした。

これからなのか? やっぱり、、、。


そうそう、今のところ、うちの周りではヤブ蚊も少ないんですよ。
もともと、かなり蚊が多いところなんですか、今年はいるにはいるのですが、数はとても少ないですね。かなり局地的な話で、アブラゼミの話とはまったく関係のは話ですが、、、。

『サイゴンの十字架』

2008年07月28日 | 
開高健ルポルタージュ選書『サイゴンの十字架』(光文社文庫)を読了。
これで、同シリーズ全部読んだことになる。

しかし、ベトナム戦争ものって何冊目だろう。

開高健で、この『サイゴンの十字架』と『ベトナム戦記』(朝日文庫)、『輝ける闇』(新潮文庫)の3冊。1965年初版の『南ヴェトナム戦争従軍記』(岩波新書/岡村昭彦)、続編の『続 南ヴェトナム戦争従軍記』(岩波新書、1966年)、『戦場カメラマン』(朝日文庫/石川文洋)、『ベトナム戦争の内幕』(筑摩書房 現代世界ノンフィクション全集24/ウィルフレッド・バーチェット)。どーんと飛んで2001年の『ベトナム戦争 誤算と誤解の戦場』(中公新書/松岡完)。

以上の計8冊。比較的読んでいる方だろうか。

どうしてベトナム戦争の本を読むのか、実は自分でも整理はついていない。ほかの戦争ものは読んでないし。きっかけは覚えていない。「地獄の黙示録」といったベトナム戦争ものの映画や開高健の本などが影響していて、いったいベトナム戦争というものがどういうものか? もうちょっと構造的に知りたいと思ったのは事実だ。

でも、結局、『ベトナム戦争 誤算と誤解の戦場』を読んでも、全体像はまったく覚えておらず、いつまでたっても「北の共産主義と南の民主主義」「しゃしゃり出て地獄を見たアメリカ」以上のことはわからない…というか覚えていない。

でも、ベトナム戦争ものの本も見つけるたびに買ってしまうのだ。

ただ呆然と読むだけ。自分でも不思議な感じだが、読んでしまって、しかも、クリアに腑に落ちない、理解できない、そもそも頭に入らない……。なんだか自分がよく分からないが、乱暴に言えば、ベトナム戦争そのものが、そういうものだったのだろうか。


アブラゼミが少ない…気がする

2008年07月27日 | 生き物
7月ももう終わりですが、今年はアブラゼミが少ない気がします。毎年、帰宅途中に通る団地脇の植え込みでアブラゼミの羽化を見ていました。

夜な夜な、家に帰ると妻が、
「今日は3個体羽化していたけど、気づいた?」と言われ、
「うう、ひとつしか気づかなかった…」
「観察力が足りないわねえ」と言われちゃう日々だったんですが。

近年、都市ではアブラゼミが減っているんですね。ぜんぜん知りませんでした。関東でクマゼミが増えてきた…というニュースはよく聞いていましたが。サイトを検索すると、理由としては以下のようなことが指摘されていました。

1.地面が固くなった
2.地面が乾燥化した
3.木がまばらになったせいで(?)、鳥に食われてる(ヒヨドリだな!)
4.都市の亜熱帯化によってクマゼミに入れ替わっている

どれも、こう、、、腑に落ちない感じです。で、もろもろ見ていたら強烈なサイトを発見しました。

米蝉ナール
http://outdoor.geocities.jp/kawasemisou/index.html

定点調査の継続力に圧倒されます。このサイトでは、少なくとも上記の1、2と4は明確に否定されています。

減少に関しても、彼らの調査によると、年による変動はあるものの、調査がされている京都では、アブラゼミもクマゼミを減っているようです。確かに減ってるんですね。

このサイトでは、セミの減少は「都市における樹木環境の悪化」としています。

この話をウチでの事情を当てはめて考えると……。

①今年は、同じ場所での羽化数が減っている(観察による印象)
②去年と今年で、その場所そのものの環境の改変はない(事実)
③ということは、、、今年羽化すべき幼虫の数が少なかった?(仮説)
④ということは、、、アブラゼミは羽化まで6年かかるわけだから、6年前に何かの環境改変(樹木環境の改変?)があって、その世代が少なかった?(可能性)
⑤いや、もしかしたらその年の気象とかによっても個体数が変わる可能性だって…
(仮説)

米蝉ナールの調査でも、年変動と中期的な減少トレンドのふたつの動きがあるわけで、上記⑤は年変動とかに影響があって、④が全体のトレンドを作っている……可能性がないわけでもないと思いますが、、、単なる「妄想」なのでこれぐらいにしておきます。




もう終わりか、ゴーヤ

2008年07月26日 | 
夏本番の暑い日が続いていますが、ウチのゴーヤ、どうやら終わりのようです。すでにツルは伸びようとせず、小さい葉も大きくならず、根元の方から葉っぱも枯れ始めているし……。

くくっ! やっぱり、思ったほどは日陰にならなかった、、、。蒸散効果はちゃんとあると信じたいところですが。


スカスカ…

やっぱり土のせいか、あるいは、どんなに朝にいっぱい水をあげても、帰ってくる夜には、シュ~ンとしおれてしまうほどの暑さ&照り返しの問題なのか。

実は、ちょっと小さめなのが7本。1本はすでに食べました。小さいながらもちゃんとゴーヤでした。


大きく見えるけど、そんなに大きくない

ま、それでもちゃんと実が食べられるんだから成功ということでしょうか。周りに聞くと、意外と苦戦しているという話も聞きます。スカスカ具合もそんなもんだ…という話も。来年はどうするかな、、、。もっとうまくできるかな。

とりあえず、これから始まる地獄の8月は、となりですくすく伸びているアサガオ4本と、今更ぐんぐん伸びてきたカリフォルニア・ジャスミンに期待している今日この頃です。


ハナカマキリ

2008年07月25日 | 生き物
ボルネオねたの続きです。このときの旅行で一番よかったのはコイツです。



わかります? いわゆるハナカミキリです。ランにそっくりです。
お腹をそり返したところが、ランの唇弁まんまです。

今森光彦さんとかの写真で見たことはありましたが、実際に自分で見られるとは思いませんでした。

当然、種名はさっぱりわかりません。同じ種類のランがあちこちにあるわけでもなく、おそらく密度はけっこう低いと思うのですが、それがこんな状態で擬態しているわけだから本当に不思議です。

何かの本で、これはハナカミキリの幼体というように書いてあって、たしかに羽根も発達してないので、そうかもしれないとも思いつつ、、、。

大人になったら、全然ちがう色形になったりしたらおもしろいだろうなあ。



世界最小ウツボカズラ?

2008年07月24日 | 生き物
前に世界最小かもしれないウツボカズラを見た、、、と書きましたが、机を整理していたらデータが出てきたのでご覧いただきます。



これです。小さいんです。草全体も小さいんです。
分かりにくいと思いますので、指付きも。



指2本分ですからね。

種名は、、、ちょっと忘れました。撮影地は、サバ州の相当な奥地の山の上、、、という感じです。

豆ウツボカズラか盆栽ウツボカズラか、そんな感じでした。
これで、虫は入るんだから不思議ですよね。ま、アリじゃないかと思いますが。


★調べました。Nepenthes tentaculata でした。矮性化しているのだと思います。キナバル山で見たものはもっと大きかったですから……(7/27)

ウワミズザクラの実

2008年07月21日 | 生き物
この三連休、ヤマビルは見に行ったけれど、とくに出歩くこともなく、クーラーのない家で文字通りダラダラと過ごす。これではイカン!と、今日は夕方歩きに行く。まさにジジイである。ウォーキングに行くって、ほんとうにジジイだな。

ひとつ先の駅までDVDを返しに行く。雑木林を抜ける山越えのコース。

で、見つけました。ちょうど実が熟したウワミズザクラを。ここ1、2年欲しかったんです。ウワミズザクラのタネが。試験管ブラシのような花が好きで、狙っていた木もあったんですが。

とにかく雑木林の端っこに立派なウワミズザクラがあって、道に黒や赤に熟した実が落ちていました。



ほくほくとタネをポケットに入れて、DVDを返して、ぽくぽく家に帰ってきて、早々にタネを植木鉢につっこみました。楽しみだなあ。


雑木林の端にはヤマユリが咲いていました。
おじさんがあやつる下草刈り機の音が響いていました。
夏です。




タマムシ!

2008年07月21日 | 生き物
久しぶりにタマムシを見ました。
久しぶっりって、前に見たのは小学生の時、1回だけだから、久しぶりにもほどがある感じ。

いやー、きれいですね。ブブーンと飛んできたときは「タマムシ、タマムシ!」と興奮してしまいました。

なにかの枯れ木に止まって、そうこうしているうちにどこかの隙間に入っていきました。

やっぱりエノキの枯れ木なんでしょうか? 枯れ木で繁殖するんでしたよね、、。

夏本番を感じさせる炎天下での出会いでした。

ヤマビル その2

2008年07月20日 | 生き物
そういうことで、ヤマビルなんですが、やはり血を吸われるのはやですよね。わたしもさんざんボルネオに行って、タイガーリーチというヒルに取り付かれるのですが、驚異的な(病的な?)神経質さで血をたっぷり吸われるとこまではいったことは、ほとんどありません。

そして、日本にはこれがあります!

「ヤマビルファイター」

最高です。ファイターといっても戦うわけではなく、忌避剤なので、明らかに戦いを回避するためのものなので、この商品名はどうかと思いますが、ま、とにかくふつうの虫除けに入っているディートという成分からできているヤマビル用の虫除けです。

詳しくは、驚愕のヤマビルサイトの以下をご覧ください。
http://www.tele.co.jp/ui/leech/index.htm

で、取り付いたものはどうするかというと、塩水で死んじゃうそうです。
わたしに取り付いた小さなヤマビルを、20%の食塩水をシュシュっとスプレーでかけるだけでご臨終でした。



けっこう簡単に死んじゃうものですね。
浸透圧の問題か何かでしょうか?

ヤマビルファイター&塩水で万全です! もうヒルなんてこわくありません。

ヤマビル その1

2008年07月19日 | 生き物
丹沢山麓でヤマビルの調査をしている方の話を聞きました。

首都圏にお住まいの方なら、房総と丹沢のヤマビルのことは聞いたことがあるかもしれません。ヤマビルが問題視されるようになったのはここ十年ぐらいでしょうか?

シカやイノシシの増加に伴って、吸血生物であるヤマビルも増えて、山麓に降りてきて問題になっているのです。

その方が調査をされているのは、ちょっと複雑な場所で、山麓に降りてくる野生動物による農業被害を減らすために、奥につながっている林地と農地の間に小さな放牧地を作って和牛を放牧している場所です。野生動物問題に関しては一家言あるわたくしですが、こういう方式があるのは知りませんでした。

この件に関してはさておき、とにかくその小さな放牧場でヤマビルの調査をしているわけです。

で、確かにいました。いっぱい。ちょっと歩いただけで何匹もいました。

調査は決められたポイントで5分間立っていて、出てくる個体をピンセットで捕獲して、数を数えるものです。自らがエサとなって誘引するわけですね。

ヤマビルは動物の呼吸による二酸化炭素と物理的な振動によって集まってくるそうです。

そんなヒルをついばみながら、「ヤマビルは大きくなると年1回の吸血で大丈夫」とか、「冬は成体のままで葉っぱの下などで冬眠する」とか 「ウシの場合は蹄の間で血を吸う」とか、いろいろ興味深いことをお伺いできました。

いやー、イヤな生物なんですが、なんか妙に気になるのですよ。個人的に。

ため池のアマガエル

2008年07月18日 | 生き物
ため池のアマガエル。そういうと当たり前な感じもしますが、この「ため池」というのは東京赤坂の溜池山王。

うちの職場がこの溜池山王にあります。アメリカ大使館とか国会議事堂とか、アークヒルズとかがあるような場所です。

で、今日お昼ご飯を食べに行ったら路地でアマガエルがつぶれていました。

溜池山王のアマガエル。

じつは、この場所に会社が移転したときからアマガエルの存在には気づいていました。ビルに挟まれた場所で、小さなビルなら充分に建てられるスペースなのですが、植木鉢をやたら置いている場所があるのです。

どうも、お隣に建つ古ぼけた小ビルに住んでいる人の庭になっているようです。昔から住んでいる方なのでしょう。庭そのものは塀に囲まれてよく見えないのですが、庭というよりは、本当にたんなるコンクリの空き地のような場所です。

ここからアマガエルの声が聞こえてくるのです。

溜池山王は名前の通り池があったそうですが、そこに棲んでいた由緒正しきアマガエルの末裔……ではなく、どこかから持ってきて育てていたのでしょう。

で、今日、つぶれたアマガエルを発見したのはその裏手の道路。ちょうど庭の裏のビルの改修工事が始まって、それで追い出されてしまって、車にひかれたのでしょう。うう、かわいそうに。

近くの首相官邸にはヘビも棲んでいるといいますが、極度に分断化された都心では、なかなか生き続けるのは難しいでしょう。

溜池のアマガエル。飼われていたものとしても、声が聞けるのはとても楽しかったのですが……。







『むしを たべる くさ』

2008年07月16日 | 
うちにはウツボカズラが一株しかないのですが、食虫植物にはとても興味があります。

ウツボカズラはボルネオ中心に、けっこう野生のものを見ています。
わたしの顔と同じぐらいの大きさの世界一大きいウツボカズラから世界一小さいとおぼしきミニ盆栽のようなウツボカズラ(捕虫嚢の大きさが3センチぐらい)まで、10種類以上は見てるかも。

尾瀬に行ってもモウセンゴケとかを木道にはいつくばってまで見てますから。

で、そんなわたしが発見した写真絵本がこれ。ポプラ社の「ふしぎ いっぱい写真絵本」の1冊です。このシリーズは、食虫植物とかコウモリといったへんな生き物をラインアップした、わたし好みのへんなシリーズです。

ウツボカズラだけでなく、モウセンゴケやハエトリグサなんかも載っていてとても楽しい。

一番気になるのは、裏表紙の見返しに印刷された、なにかびっしり丸いのが生えている写真。「ダーニングトリア」って書いてあるんだけど、いったい何者? 解説が載ってなくて、当然海外のものだろうけど、かなり不気味でイケてる感じです。
う~ん、見てみたい!



『新しい天体』

2008年07月14日 | 
開高健の『新しい天体』(光文社文庫)を読了。
日々の15分ほどの半身浴中にたらたら読んでました。

へんな小説でした。

役人が仕事として、公費で日本国中の名品を食べ歩くというもの。
グルメらしい開高健らしい話だ。解説で菊谷匡祐氏(誰?)が「開高健はグルメじゃなくて、たんなる食いしん坊だ…」ということを書いておられて、同世代と思われる文筆家にいわせると、それはそうなんでしょうか、、。

ま、とにかくエッセイのような、小説としてなにかがあるようなないような、、、ま、どうでもいい感じですね。

解説によると週刊誌の連載ですね。毎週毎週取材と称して食いまくったんでしょうか?

あいかわらず食べ物に関する描写はすばらしいけれど、ま、ただひたすら食って食いまくって、最終的に虚無の中で「水」におちつくあたり、汗をびっしょりかいて水が欲しくなる半身浴中にはぴったりと言えなくはない一冊ではあります。


『BONES』

2008年07月13日 | 
そうそう、当然『BONES』(早川書房)は買ってます。
「動物の骨格と機能美」というサブタイトルがついています。

当初、「早川が骨の写真集を作っているらしい」と聞いたときには、翻訳物かと思っていました(一方的な先入観…)。でも、出版されたのは日本のもの。

前に何度か紹介した『骨から見る生物の進化』(河出書房新社)と比べると、判型はおよそ半分ぐらいで、ページ数も176ページと少なめです。デザインが黒ベースで、似た印象なのはしょうがないところか。

でも、ふつうに写真集として楽しむのは、この『BONES』の方がいい感じ。大きさと重さ的には。印刷も悪くない。ダブルトーン印刷かな?

中身は、さすがに『骨から見る…』と比べると、迫力はありません。というか、『骨から見る…』の迫力がありすぎなんですが……。

どちらかというと、この『BONES』は、頭骨などの骨のアップの写真を掲載しているので、大型動物の全身骨格がどんどん出てくる『骨から見る…』とはそのあたりが違う感じ。

文章も、進化の科学読み物としての割合がけっこうあった『骨から見る…』よりも、巻末に必要充分の骨の解説があるのみ。

この解説がなかなかいい。それぞれ短い文章ながら、さらりとその生物の生態とか特徴を骨格と絡めて解説しているのです。なかなか、こんな文章書けるもんじゃないな~という印象。執筆は、東野晃典さんという野毛山動物園に勤める獣医さん。32歳! いや~、若い。

ということで、この本。おすすめです。3500円。高くない。