東京都心で街路樹というと、とても重要な機能がありますよね。ヒートアイランド現象の抑制になっているかどうかは難しいところですが、シジュウカラやヒヨドリたちのエサ場にもなっているし、夏はセミたちも集まります。もちろん、わたしたちの目を楽しませてくれ、四季の移り変わりを感じさせてくれるたいせつな存在です。
で、気になっているのはその根元。人家の前だと、いろんな花が植えられていたり、あるいはゴミ箱が置いてあったり……。少なくとも、狭いとはいえ都心で「土」が露出した数少ない場所です。セミの幼虫とかも、、、その下にいるのでしょうか?
で、最近、会社の近くの街路樹がこうなっちゃいました。
砂を固めたようなものでぺったり埋められてしまいました。アンツーカーのような感じ。アンツーカーって知りませんか? 昔、テニスコートに使われていたやつです。今でもフレンチオープンが行われるローランギャロはアンツーカーなんだっけ?
ま、とにかく砂で固められてしまったのです。雑草予防なのでしょうね。おそらく埋められちゃったアリたちだと思うのですが、下から掘り上げ、巣の口が開いていましたが、雑草は厳しいかもしれません。
同じ溜池山王でも、こんな街路樹の根元もあります。
金属のちょっと雰囲気のある網というか格子のようなものがはめ込んであるタイプなんですが、エノコログサ天国になっていました。うちのネコが行ったらたいへんなことになりそうです。
個人的には、なかなかすてきだと思うのですが、管理者側としたら、そこにゴミやたばこの吸い殻が捨てられたりとやっかいなのでしょう。
でも、たとえそこに生えるのが外来種の植物であったとしても、都心の自然をかたち作る生態系のひとつの重要な要素だと思っています。ほんとうに。
多様性がどうしたとか、外来種がどうしたとか、あるいは生態系の質がどうしたとか、そもそも、そんなものが生態系と言えるのかとか、そういう議論はあると思いますが、事実として、そこに生物がいて、おそらく貧弱とはいえ生態系があるのは当然です。
なんとか、そういう視点で都心の自然を再認識できないかと思っています。