晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

コウノトリ

2008年05月31日 | 生き物
今週は、ミッドタウンで開催されたコウノトリの講演を聞きに行った。

演者は元豊岡市の職員。もちろん兵庫県の豊岡市で取り組まれているコウノトリの野生復帰の話だ。

話の内容はコウノトリそのものの話より、コウノトリの生息環境である田んぼや湿地、河川の話が中心だった。

田んぼ周りの水の連続性・・・物理的な連続性と季節的な連続性もふくめ、それらが支える生態系がコウノトリを支えている。

でかいナマズを丸呑みにする写真に驚きつつ、大食漢であるコウノトリにとって、いかにバイオマス(まさに生物の量)が重要か。

一番おもしろかったのが冬のエサの話。もともと漂鳥(?)のコウノトリは、冬は山陽地方や四国など、暖地に移動するのだそうだ。

でも野生復帰したコウノトリは移動しない(やはり、欧米で行われているようにモーターグライダーか何かで誘導する必要があるのだろうか?)。

で、豊岡に居残るコウノトリを支えているエサは、アメリカザリガニをメインに、ウシガエルのオタマジャクシなのだそうだ。

ともに言わずと知れた外来種。皮肉、、、というよりは素直におもしろいな~と思った。

自然は単純じゃない。それが自然のおもしろさなのだと再認識。

不安な日々

2008年05月26日 | 
日々、天気が悪いが、うちのゴーヤの伸びはどうなんだろう。

不安だ。

あんまり伸びが良くなし、葉も小さい気がする。

いろいろ調べると、曰く「土は、前もって熟成させておく」とか「ふるいで大粒の土にする」とか、そんなことが書いてある。

うう、なんにもしていない。土が硬いのだろうか?

だいたい、思い立ったらエイヤッでやるから、いつもそんな感じ。それでもゴーヤはちゃんと育ってくれるだろうか?

それにしても、ツル植物の巻きひげはおもしろい。
ちゃんとつかんで、くるくる巻いて、クッション機能を発揮するようになるのだからすごい。これで風の日も安心…という訳だが……。

うう、伸びてくれ。陽よ、ちゃんと照ってくれ。

猫マンガに癒される日々

2008年05月25日 | 
ベッドにはいると3分ともたない日々が続いている。開高健もコンゴも恐竜も進まない……。

そんなつらい日々に救いになっているのが猫マンガ。もともと差別なく犬も猫も好きで、マンガも好きなので、当然チョビ(古い)とか猫村さんとかも好きで。しかも、最近縁あって猫がウチに来たので、やや猫に偏る日々。

ウチに猫が来るきっかけとなった友人が大好きだという『グーグーだって猫である』(角川書店)、同僚が「これで癒されください」と貸してくれた『女番編集長レナ』(文藝春秋)。

こいつらに日々癒されてます。

『グーグー…』は大島弓子の猫エッセイマンガで、妻は「これは、もうバイブル」とお気に入り。猫との日々や病気のことなどが語られ、いろいろ参考になる。

一方、『……レナ』は邪悪さ全開の写真マンガ(?)で、これは抱腹絶倒。編集がさえていて、文春も社をあげてノリノリで、まったくバカバカしい。

これで、ウチの猫とともに、なんとか日々を乗り越えていくワタシなのです。


ホトトギスと雑木林

2008年05月17日 | 生き物
通り雨が過ぎたあと、今年はじめてホトトギスの鳴き声を聞いた。
夕方になると、上空で鳴きながら飛んでいる。

毎年、もう来ないのかな……と思うタイミングでやってくる。
ふつうの夏鳥よりは遅くやってくるのか、鳴いていないだけなのか?

多摩丘陵の住宅地に住んでいるのだが、ホトトギスが繁殖している。
ご存じの通り托卵の生態をもっていて、ウグイスの巣に卵を産み付ける。

つまり、うちの周りはウグイスの多いのだ。

毎朝、あるお家の庭の植え込みか、その上の電線でおもいっきりさえずっているウグイスを見ることができる。夏でもさえずっていて、なんか山のような雰囲気だ。

なぜ、ウグイスがそんなに繁殖しているかというと、点在する雑木林の下草が繁茂しヤブ化しているからだ。ウグイスは、そんなヤブで繁殖する鳥で、同じような場所を好むガビチョウ(外来種)も多いのもそのせいだ。

つまり、雑木林の放置→ウグイスの繁殖→ホトトギスの繁殖、という3段論法というわけだ。

ということは、もしかしたら雑木林が利用されていた昔にはホトトギスはこのあたりにいなかったのかもしれない。

雑木林のボランティアによる管理が盛んで、彼らも必ず一角にヤブを残しているけれど、それでウグイスが、ホトトギスが居続けることができるかどうかは誰も検証していない。

里山というと、適正な管理をすることで生物の多様性が保たれることが言われるが、そればかりではないということだ。

多様性が高いかどうかではないが、少なくとも変わっていく自然に適応し、すみかを広げる生物もいるということは間違いない。


ゴーヤで壁面緑化

2008年05月17日 | 
ゴーヤの苗を植えました。
プランタをふたつ置き、各2本。

2階の大型三角窓の桟にフックをつけ、そこからネットを5メートルぐらい垂らしました。

これで、、、なんとか夏の西日による地獄の超高温状態を緩和するのが目的です。いわゆる壁面緑化です。とにかく夏の2階は暑くて、家に帰ってくると、40度はあるような状態なのです。

今年こそなんとかせねば、、というときにNPO緑のカーテン応援団の『緑のカーテンハンドブック』という冊子をいただきました。
http://www.midorinoka-ten.com/blog/list.php?k=3

「これだ!」ということで早々に植えてみたわけです。うまくいけばゴーヤも食べられて、家もちょっとは涼しくなって、一石二鳥です!

『コンゴ・ジャーニー』

2008年05月14日 | 
『コンゴ・ジャーニー 上』(新潮社)読了。

いやー、おもしろいです。「開高健」も「恐竜はなぜ…」も一時お休みで読んでます。

前著『ボルネオの奥地へ』と同じノリですね、基本的には。

ユーモアにあふれ、どこまで本当かは分からないエピソード。波瀾万丈な道中。個性的な同行者たち。ふいに入り込む子どもの頃の話や夢の話。

そして、必ずそこここに顔を出すのは彼が好きな野鳥の記述(今回は幻の恐竜ムベンベを探す旅だけれど、何種かの鳥も重要な目的となっている)。

『ボルネオ…』は、どこか悲しい余韻を感じさせる本だった。熱帯雨林の破壊と変化、もう会えないスマトラサイを探すむなしさ……。

今回は、今のところ現コンゴ共和国、当時はコンゴ人民共和国(となりに旧ザイールのコンゴ民主共和国があるので本当にやっかい)の社会主義国家なのか、うーん結局、アフリカなのか、その社会に対する……矛盾やおかしさを、皮肉ともちがう、ある種のおかしみを感じさせる表現で紹介している。

ま、下巻を読み進めると分かりませんが……。いっきに下巻にいきます。






『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』その2

2008年05月07日 | 
訳者あとがきにもあるように、仮説と推論を積み重ねた刺激的な本です。
半分ぐらいきました。なかなかおもしろいのですが、あまりの「酸素至上主義」にどうかと思うところもあります。

嫌気性生物に何の言及もないところです。「地球上の生物はすべて酸素が必要である」と断言していて、わたしのレベルだと(つまり、生物の知識としては中途半端、という意味です)、、、、ええ?嫌気性生物は?と思ってしまうのです。

大深度地下とか深海とか海底火山のところとか……みんなそうなんだっけ? いや、本当によく分からないのですが。

そもそも酸素は毒であるという前提から議論が進む『生と死の自然史』(東海大学出版会)とはちがって、はじめから最後まで酸素酸素なのです。

生命進化における酸素の重要性を語るのであれば、そもそもそれを獲得したところからはじめるべきのような。見当違いなこと言っている気もしないではないですが、ま、どれもこれも仮説ということで、、、。

えーと、だれかシンプルに教えてください。


『コンゴ・ジャーニー』

2008年05月06日 | 
ああ、また買ってしまいました。
新聞に広告が出ていて、アマゾンで即買いです。

『コンゴ・ジャーニー』(新潮社/レドモンド・オハンロン)上下。うう、上下。

買った理由。

①レドモンド・オハンロンの『ボルネオの奥地へ』(めるくまーる)の大ファンで、何度も読み返しているから。

②テーマがコンゴの熱帯雨林に棲む幻の怪獣ということで、それはもう「ムベンベ」のことで、高野秀行さんの『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)なわけで。
それは、なかなかばかばかしい本でおもしろくて、そもそもその探検には会社の元後輩も参加していて、W大学探検部はまったく馬鹿か……というわけで。

上記2つの理由により即買いなわけです。

まだ、開高健も読み切ってないし、『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』もまだまだだし、、、。ああ、明日からは仕事だし(本当は今日から働きました)。

ま、読む本が多いというのは楽しいわけで。

ホトケノザのエライオゾーム

2008年05月05日 | 生き物
昨日、プランタの植物の植え替えをしていて、かわいい花を咲かせていたホトケノザを切り花にして食卓に飾っていた。

今朝、見ると、タネが周りに落ちている……。
多少なりともタネが「飛ぶ仕組み」があるのだろうか?
数センチだが、離れたところに落ちている。

で、良くタネを見ると、白いものがついている。
これはエライオゾームか?

エライオゾームとは、アリにタネを散布させるために、彼らを誘引する脂肪酸のこと。アリがそれを目当てでタネを巣まで運び、食べないタネ本体を巣の近くに捨てることで、タネが散布されるという「蟻散布植物」だ。スミレなんかが有名で、いろいろな植物がこのエライオゾームをくっつけている。

で、ファーブル(ニコンの顕微鏡)で見ると確かにそれっぽい(写真/クリックして拡大して見てね)。付属物として、タネのとがった方についているが、タネのまわりにもシミのように白いものがついている。これもエライオゾームなのか?

ネットで調べるとたしかにホトケノザもエライオゾームを持っているようだ。
うちのプランタにもアリが運んだのだろうか。
プランタひとつでも自然の不思議が満ちている。


奥多摩

2008年05月04日 | 生き物
3-4日は久しぶりに奥多摩に。
日原の集落の裏山を歩く。

標高1000mぐらいでミズナラが開葉しはじめといったところ。
新緑がきれい。明るい雑木林でダラダラしてきました。

見かけた鳥はオオルリ、キビタキ、地味ビタキ(サメビタキ?)、クマタカ(!)など。キビタキは本当にきれい。ちょうど陽が当たっていて、光っていました。

鳴いていた鳥は、ツツドリ、ヤブサメ、キクイタダキなど。

咲いていた花は、、、、タチツボスミレにスミレ(ただの)、あとはホソバテンナンショウ(? 写真)かな。

春を満喫した散歩でした。

ヤマフジその後

2008年05月03日 | 
先日、ヤマフジの実生(みしょう/タネから発芽したばかりの芽のこと)を4つ発見して喜んでいたわけですが、今朝、別の鉢を見たら、そこでも4つ実生が出ていました。そこに蒔いたことすら忘れていました。

で、冷静になって思い起こすわけです。
いったい、わたしは何個のタネを蒔いたのか?

拾ってきたのはヤマフジのサヤがひとつ。ナイフで割って出てきたタネは、、、10個ぐらいだったか。蒔かなかったタネが、机にひとつ残っているから、蒔いたタネはほとんど発芽したことになる。なんという発芽率だろう!

そもそもサヤから取ったタネは、なんか薄くて、やっぱり年明けに拾えるようなタネはだめだな、なんて思っていたのですが……。

うーんヤマフジ恐るべし。

『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』

2008年05月01日 | 
以前から気になっていた『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』(文藝春秋社)を購入。
サブタイトルに「絶滅も進化も酸素濃度が決めた」とあるように、現生生物の多くのエネルギー源であり、毒でもある酸素が生物進化に重要な役割を果たした……という仮説(?)を解説した本だ。

じつはこのテーマ、過去に『生と死の自然史 進化を統べる酸素』(東海大学出版会)でくじけている。がんばって読もうと思ったのだが、私のレベルでは少々難解で、大づかみのところだけを「そういうもんかー」というレベルで納得して(それは、納得とは言わず、とても危険ですね)放置……。

で、この本。自然科学書ではおなじみの垂水雄二さんの訳で読みやすい。
著者のピーター・D・ウォード氏といえば、昔、『オウムガイの謎』(河出書房新社)を読んだ気がする。

さて、中身。毎度恐縮ですが、「はじめに」を読んだところなので、まだまだご紹介はできません。

『生と死の自然史』では、超大型のトンボの存在や、現状の環境で、身体の大きさと行動が、代謝的にうまく説明できない肉食恐竜なんかの話が、酸素濃度が今とちがえば説明できる……といった話だったように思う。

おそらく現状ではまだまだ仮説のようだが、生物進化の新しい局面を感じさせる内容……のはずである。

ちなみに原著のタイトルは『Out of Thin Air』で、これはエベレストの遭難を描いた『Into Thin Air』を意識して、ないかな……。

そういえば垂水さんと言えば、まだ平凡社時代に一度お話を伺ったことがある。
「いつ翻訳をしているんですか?」(当時から平凡社外から翻訳本をお出しになっていた)と聞いたら、「往復の通勤の時です」とのお答えにびっくりしたことを覚えている。かの『利己的な遺伝子』もそうやって訳されたのだろうか?