晴耕雨読とか

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ボクトウガの論文が来ました

2013年02月19日 | 生き物
(独)科学技術振興機構の文献複写サービスに依頼していた論文が来ました。

タイトル=
ボクトウガ幼虫による樹液依存性節足動物の補食-予備的観察

執筆者=
市川俊秀・上田恭一郎

掲載誌=
香川大学農学部学術報告 第62号


先日、葉山の森で見たあれを学ぶためです。

読み始めて、まず前提を整理する必要があることに気づきました。

本報告で、コナラ属樹木に樹液場を作って、そこに来る昆虫を食べる…とされているのは、
あくまでもボクトウガ科ボクトウガ亜科のCossus属の「ボクトウガCossus jezoensis」のことです。

「みんなで作る日本産蛾類図鑑」の一覧によると、
この属には、ほかにオオボクトウとヒメボクトウがいます。

で、わたしが葉山で見つけたような穴と糞をもって「ボクトウガの被害」とされてきたのは、
従来はボクトウガCossus jezoensisだったわけですが、どうもそれはヒメボクトウではないかと考えられているようです。

いや、そうじゃないかもしれないのですが、いくつかのWEB上の報告なんかを読んでも、
ボクトウガの被害の中にヒメボクトウのも混じっているのか、
そもそも被害は全部ヒメボクトウだったという話なのかは、よく分からない感じです。

今回手に入れた報告書でも、Cossus属の3種が同定が難しくて混同されていた可能性を指摘しています。

ただ、少なくとも、樹液ウンヌンに関してはボクトウガCossus jezoensisであることだけは、
この報告によって確かなものになっています。

えーと、何が言いたいのか分かりにくいですね…。



つまり、葉山で見たこれが、ボクトウガなのかヒメボクトウなのか、
あるいはオオボクトウなのかは、当然分からないわけで、
樹液場でハンティングするボクトウガによるものなのかどうかはまったく不明です…ということです。

本報告でも、ぱっと見、つぶつぶ木質食痕(ウンコ?)の写真は出ておらず、
つまり、、、

「つぶつぶ木質食痕」→「ボクトウガCossus jezoensis」=不明。別の種の可能性あり
「ボクトウガCossus jezoensis」→「樹液場でハンティング」=確か。

ということですね。 

どこかで包括的な報告はないのか?

あー、もー、疲れた。。。
わたしの頭の悪さが炸裂しています。
この報告の中身に関しては、また今度ということで失礼します…。



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いや~ (take)
2013-02-20 05:18:55
おつかれさまでした。
ニシメガネザルさんなら論文などス~イスイかと思ってました。

木屑の主、分からないこと、了解です。
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ゴマフボクトウ (take)
2013-02-20 07:31:07
「木の根元 糞」だったかで検索したらゴマフボクトウというのがヒットしました。

どやらこちらのようですね。
返信する
いやー (ニシメガネザル)
2013-02-20 20:07:34
この論文、どこかのブログにも書かれてましたがけっこう分かりにくいんですよ…。結果の「考察」が異様に長くて…。

まぁ、この食痕か糞かは、ボクトウガ科のいろんなのがする…と言うことだと思いますよ。
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