晴耕雨読とか

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東丹沢ナガレタゴガエル探索 その1

2013年02月03日 | 生き物
先日、神奈川県立生命の星地球博物館に行ったときに、
図書室で見た「神奈川県自然誌資料」に
東丹沢のナガレタゴガエルに関する報告がありました。

こちら。

上記の報告の要点は以下の通りです。

【東丹沢におけるナガレタゴガエルの繁殖活動について】
東京都で発見されたナガレタゴガエルが丹沢でも見つかったのが85年。
90年代には広く丹沢に分布していることが確認されている。
東端は宮ヶ瀬湖に注ぐ金沢だったのが、それより東のN沢でも発見された。
標高280~390mの狭い間。
(神奈川県自然誌資料30号より)

そもそもナガレタゴガエル以下のようなカエルです。

ナガレタゴガエル
Rana sakuraii
1978年に水中写真家の桜井淳史さんが
奥多摩町日原川で発見したアカガエル科のカエル。
渓流性で、2月から4月に白い卵を産む。
渓流にいるときは、皮膚呼吸のために、
皮膚がビロビロと伸びている(表面積アップ!)。
中山間地の渓流に、意外とどこにでもいるんじゃないの?

……というカエルです。

わたしがナガレタゴガエルを見たのは2004年2月28日。
五日市町の小坂志川というナガレタゴガエルのメッカ中のメッカ。
あれから9年。

最近、よく登っている東丹沢の沢にもいるんだあ……と思って、
2月に入って、そろそろじゃないかと思ったのです。

報告書では、「ナガレタゴガエル保護のため沢名を公表せず」とあるので、
地図を眺めながら、適当にあたりをつけました。

こういうの楽しいなあ…。

で、今日、天気もいいので、探しに行きました。
もちろん、報告者らの流儀にならい、
場所は「東丹沢の沢」とだけしておきます。

沢沿いの林道を歩いて、事前に地図上で調べておいたあたりで沢に降ります。



ふうむ。手頃な小渓流だけど……。



双眼鏡で川底を見るもののカエルの姿はなし。

ふうむ。

小坂志川に行ったときは、詳しい方に連れて行っていただいたし、
タイミングもあったのだと思いますが、
それこそ川中にナガレタゴガエルがいて、
交接中やら水中ですっくとメスを待つオスやらいて、
水中からも、グッグッグッって声も聞こえる「祭り」状態でした。

そういう経験があると、だいたいそういうもんかと誤解してしまうわけです。


ぜんぜんいないじゃん!!

コケに逃げるわたし。









コケはきれいだなあ。
渓流の岩に広がるコケを堪能。

ちょっと沢を遡行するものの、ちょっと長靴では怖い感じです。
小さな滝を巻くにも精一杯……。
このままいくといつか軽く滑落でもして、ジャブンといくな…と思ったので、
再び林道に上がって、探索場所を変えることを決意。

無理に遡行してケガでもしたら、こんな誰も来ない場所だと、
けっこうヤバイ感じです。臆病者の安全登山です。登山じゃないけど。

「もっと上流の水量の少ないところに行こう…」

植林地を登り、林道直下の法面をあがる。

「ああっ! ジャケツイバラのトゲが!!」



こいつら悪魔の植物ですね。



トゲが逆向き!!

服とか手袋とかザックに引っかかり、にっちもさっちもいかなくなる。
暴れれば暴れるほど、逆向きトゲをもった鞭のような、タコを足のような枝が絡むのです。
しまいには顔もさくっとやられる…。

うがが…。

いったいこんな機能をもってどういうつもりなのか、ジャケツイバラ!
捕って食うのか?としか思えない感じです。
確かに二度と近づくまいと思うので、そういうことでしょうか?

なんとかジャケツイバラを外して、林道にたどり着く。

そこから再び林道を歩き、林道終点までたどり着きました。
地図を見ると、沢まではちょっと距離がある感じ。。。

ふう。

一瞬、もう帰ろうかと思ってしまいました……。


(つづく)

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