風になりたい

自作の小説とエッセイをアップしています。テーマは「個人」としてどう生きるか。純文学風の作品が好みです。

花に呼びかけながら水をやると (連載エッセイ『ゆっくりゆうやけ』第156話)

2013年02月09日 08時15分15秒 | 連載エッセイ『ゆっくりゆうやけ』
 
 花にやさしく呼びかけながら水をやるときれいに咲く、と誰かが言った。
 やさしくされたほうが気分がいいから、花は元気になってきれいな花を咲かせるのだとか。人間だって、そうされたほうがいいに決まっている。
 なるほどとみんながうなずいていたところへ、理系の友人がこう言った。
「やさしく呼びかけようが、呼びかけまいが、そんなのは花に影響しないよ。やさしく呼びかけるってことは、それだけ人間のほうが丁寧に世話するってことだろ。丁寧に育てたら、当然、花はきれいに咲くよ」
 夢がないといえば夢がないけど、冷静な分析だ。
 僕としては、やさしく呼びかけたほうが花が元気になると思いたいのだけど、さてさて、どうなのだろう?



(2012年2月10日発表)
 この原稿は「小説家なろう」サイトで連載中のエッセイ『ゆっくりゆうやけ』において第156話として投稿しました。 『ゆっくりゆうやけ』のアドレスは以下の通りです。もしよければ、ほかの話もご覧ください。
http://ncode.syosetu.com/n8686m/
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