風になりたい

自作の小説とエッセイをアップしています。テーマは「個人」としてどう生きるか。純文学風の作品が好みです。

どうして日本人は冬なのに子供に短パンを履かせるんだ?(連載エッセイ『ゆっくりゆうやけ』第215話)

2013年12月09日 07時11分26秒 | 連載エッセイ『ゆっくりゆうやけ』
 
「どうして日本の親は冬なのに子供に短パンを履かせるんだ? 長ズボンを履かせてやれよ」
 中国人の友人にそう言われて僕はぽかんとしてしまい、
「なんで子供が長ズボンを履くの?」
 と、聞き返してしまった。
「だって、寒いだろ。風邪を引いたらどうするんだ」
「逆だよ。寒いからこそ、子供に短パンを履かせて体の抵抗力をつけさせるんだよ。僕だって子供の頃はずっと短パンだったし、長ズボンなんて特別寒い日とかひどい風邪を引いてしまった時とか、年に数回かしか履かなかったよ」
「日本人はひどいことをするなあ」
 彼はむちゃくちゃだ言わんばかりにやれやれと首を振る。
「だから、抵抗力をつけさせるんだってば。鍛えるんだよ。子供なんだから鍛えてやらなくてどうするんだよ。そうしなかったらひ弱な体になっちゃうんだぜ」
 僕はいささかむきになって言ったのだけど、
「理解できない。子供がかわいそうだ」
 と、彼は納得しない。
 日本と中国では親のしつけかたが違う。一般的に中国では子供を猫かわいがりする。こちらでは冬に短パンを履いた子供を見たことがない。
 鉄は熱いうちに打て、というのは金言だと思うんだけどなあ。





(2012年12月9日発表)
 この原稿は「小説家なろう」サイトで連載中のエッセイ『ゆっくりゆうやけ』において第215話として投稿しました。 『ゆっくりゆうやけ』のアドレスは以下の通りです。もしよければ、ほかの話もご覧ください。
http://ncode.syosetu.com/n8686m/
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