そろそろ答えが出たのかと訊かれても
いやいやまだだよと答えるしかない
いったいいつまで待たせるのだい
と問われたら
そんなに急ぐものでもないだろう
と開き直る
答えらしきものが
見えてきたような気もするが
遠いとおい水平線のうえに小さな帆が
ぽつんとぼんやり見えるだけで
確かなことはわからない
それが見えるようになっただけでも
進歩だといえばそうだけど
いい歳をしたおじさんになってから
若い頃に読んだを本を読み返して思うのは
いろんなことを見落としていたということ
わからないことが多すぎたんだな
つまらないことにとらわれすぎていたんだな
この十年間ほどやってきたことは
だいたいやり尽くした
同じことを繰り返してもしかたないから
そろそろ次へ進もうと思っている
この先になにがあるのか
行ってみないことにはわからないけど
ともかく新しいことを始めてみたいから
経歴を書きながら
これまでやってきたことを確かめる
たまには過去を振り返ってみるのもいいさ
志望動機を書きながら
やってみたいことに想いを馳せる
これからどうなるのかわくわくする
うまくいけばそれでよし
だめだったらまた考え直せばいい
やり直しはいくらでもきく
失望なんて捨てればいい
いきがってみたところで
どうにもならないことはどうにもならない
カオスの濁流に飲み込まれたように思えても
かならず岸辺へはい上がる
ひとりでは生きられない
それがこれまでにわかったこと
まだまだ答えは出せないよ
まだまだ答えは出さないよ
人生を語るにはまだ早いのさ