灯りの消えた寝台車の通路
折り畳みの椅子に腰掛けて
夜の車窓を眺めた
雪をかぶった暗い田んぼ
雨戸を閉めた家
車輪が雪煙を巻き上げる
窓に映った僕の顔
歪んだ僕の顔
君の笑顔を破ったのは
この僕だ
君が悪いわけじゃない
北の空に
ひときわ明るく輝く星よ
消えそうな僕の後悔を
なにも言わずに預かっておくれ
轍が続く雪の道
不意に現れては流れる踏切
警告音が胸に突き刺さる
僕が逃げただけのこと
僕が弱いだけのこと
君が悪いわけじゃない
北の空に
ひときわ明るく輝く星よ
あの女ひとの凍える悲しみを
なにも言わずに預かっておくれ