銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

小諸なる古城のほとりで

2011年10月29日 | のほほん同志Aの日常

今週の前半は、軽井沢でした。

雑木林が赤黄に色づく軽井沢。
でも個人的には、それ以上に楽しみにしていたのが、
中日で訪ねる予定にしていた隣町の小諸(こもろ)です。

千曲川と浅間山に抱かれて、
島崎藤村が「小諸なる古城のほとり」と詠んだ小諸は、
学生時代、ゼミの研修で何度もお世話になった町。

夏になると毎年のように訪れ、
地元の農家の方のお宅に1週間近く泊めていただいては、
地域の活動を見学したり、農作業の見習いをしたり…。
まぁつまり、めいっぱい信州の夏を満喫していたわけです。

青年団の方や、農家の方々、造り酒屋にお蕎麦屋さん。
たくさんの方にお世話になり、なかには賀状のやりとりが続く方も。

そんな思い出深い小諸ですから、
個人で信州に来るときは、ついなんとなしに寄ってしまいます。

以前、母とふたりで小諸城跡の「懐古園」を訪ねたときは、
いつもお宅に泊めてもらっていた肝っ玉母さんにばったり。

「小諸の母です」と名乗られ、実の母がタジタジとなるという一幕も。

さてその小諸も、最後に訪れてから10年以上が経っています。

小諸の母にも久々に会いたいなぁと思いましたが、
今回はツアーでお客様もご一緒なことですし、グッと封印。
懐かしい風景に出会えればそれでよし、です。

懐古園を見学し、お昼は軽く、地方特産のお蕎麦に。

どのお店でいただくか、ツアー出発前に散々迷ったあげく
エイヤと選んだ蕎麦屋さんは、古民家を改築したというお店で、
おばあちゃんのおうちに招かれたような素朴さがありました。

表まで出迎えに来てくれたご店主も、
どこか懐かしみのある笑顔を向けてくださいます。

その後も、ゆでたての蕎麦がきや紅玉の天ぷらなど、
お料理を持ってきてくださるたびに、満面の笑顔。

その笑い顔が、どこかで確かに見たようで…。

思わず私、隣のお席のお客様に耳打ち。

「ご主人、誰かにすごく似ていますよね」。

部屋の片隅にはギターも置いてあります。
「ほら、あの歌手の人。誰でしたっけ?」

確かに知ってる顔なのに、ここまで出かかってるのに…と
もどかしさいっぱいの私とは対照的に
お客様、「さぁ?」と首を傾げておられます。

お料理をすべて平らげ、お勘定をすましたところで、ご主人が再登場。
「機会があれば、ぜひまたお越し下さい」と出された名刺を見て
ひっくり返りそうになりました。

「うわ、○○さん!?」

なんとご店主、誰かに似ているのではなく、
学生時代、何度もお世話になった青年団の方だったのです。
そういえば、お酒が入ってはギターをかき鳴らしていましたっけ。

それにしても、いつのまにお蕎麦屋さんに?!

好きなお酒を一からつくるんだと
酒米の田植えを一緒にさせていただいたこともありました。
その頃からの凝り性が転じたのでしょうか。

今は観光局でのお仕事もしておられるのだそうです。

軽井沢へと帰る私たちに「また来てよ!」と、昔と変わらぬ笑顔。

小さくて温かい町、小諸には、
いつも思わぬ再会が用意されているようです。




▼ツアー報告「紅葉の奥日光・中禅寺湖」はコチラ
http://ameblo.jp/arailuka/day-20110825.html

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